【アーマード・コア6】エンブレム考察〜レッドガン編〜
一旦、書きたかった考察は書き切ったので、新シリーズとして各勢力のエンブレム考察をしていきたいと思う。
記念すべき第一回はレッドガン部隊だ。
ー G13 レイヴン
これに関しては、あまり考察の余地はなさそうだ。
多重ダム襲撃任務の際に、レッドガン部隊から貸与されるコールサインとエンブレムだ。なんでも、先日空きができたらしい。
作中何度もラッキーナンバーと呼ばれるナンバーで、つけたものは大抵すぐ死ぬらしい。つける予定があるだけでも発生するジンクスらしい。
幸い、621は最後のレッドガン隊員になるまで生き残るが、メタ的に見れば何度死んだかは数え切れない。
G13とみると、”主を裏切って、イバラの冠をかぶせ、ゴルゴダの丘で十字架にかけた13番めの男”が思いつくが関連性は不明(ミシガンを裏切る暗示か?)。
13は忌み数とも呼ばれるが、中国の一部地域では吉数とされていたり(五花海が集積コーラル到達で吉兆というのはこの為?)する。
他のレッドガンメンバーは、”搭乗ACの機体名に対応したエンブレム”になっているが、G13はそもそも生き残る事期待されていないのか、ただの数字である。
ー G6 レッド
モチーフはヤドカリ。貝殻の代わりにヘルメットを被り、そこには砲身が付いている。
ヘルメットには他にも星形の意匠があるが、これはベイラムがアメリカ系の企業という事なのか?
レッドガン部隊には”エンブレムとナンバーが対応する”という法則がある。
今回は”足が5本”+”砲身が1本”=”6”と表している。
ヤドカリのヘルメット(helmet)は、AC名”HERMIT”(隠者)と掛けていると思われる。
または、人里離れた場所に住まう隠者をヤドカリの殻に籠る姿に見立てたのか。
エンブレムについて、更に考察してみよう。
ヤドカリの由来だが、レッド少年は貧しい幼少期を送っており、宿から宿へと転々とする様をヤドカリと表したのかもしれない。
ヘルメットについた砲身は、ヤドカリと刺胞動物の共生を表現しているようにも見える。
実際のヤドカリは刺胞動物の中でもイソギンチャク類と共生する事が多いらしい。
この共生関係が進んだ種の間では、イソギンチャクが自らの分泌物によってヤドカリの新しい殻を作ることもあるらしい。
これは、レッドがレッドガン入隊によって借宿の生活から脱し、新しい我が家を作ったというストーリーも読み取れる。
余談:AC名について、もうちょっと深掘りたい。ハーミット(隠者)は大アルカナの9番目のカードだが、これは正位置では「思慮深さ、慎重、単独行動」などレッドを想起させる(そうでもないかも)意味合いを持っている。
しかし、レッドの番号は”6”で、9の逆さまであることから、逆位置の「閉鎖性、無計画、邪推」の意味も表している。そして、これは3周目のレッドの最期を示唆している。
ー G5 イグアス
モチーフはヒラタクワガタの頭部と、それを運ぶアリ。AC名が”ヘッドブリンガー”である事から、アリの方が本体のようだ。
かなり悪趣味なエンブレムの上、初対面での印象の悪さも相まって「こいつはサイコキラーかなんかだ」と思い込んでしまった人も少なくないのではないだろうか?
イグアスのエンブレムが何故アリなのか考察してみよう。
一つは、サボり癖だろう。イグアスは、壁越えの任務で「うまいことサボっている」。これは、働きアリの法則と呼ばれるアリの生態がモチーフになっていると思われる。
もう一つは、骸集めか。アリは自ら獲物を仕留める事をしない。基本的には、命尽きた他の生き物を分解して巣に運び込んでいる。これは、終盤でオールマインドと融合したイグアスが「621が今まで殺してきた傭兵の集合体」となっている事からも、モチーフだと考えられる。
エンブレムのクワガタをヒラタクワガタと断定したのは鋏の形状が似ているからだが、種小名が「titanus」でギリシア神話の巨人族に由来している。イグアスが最後に行う大下克上(ジャイアントキリング)をまさに表している。
また、イグアスが作中いつも噛み付くのは敵の頭(ミシガン、スネイル(実質トップ)、レイヴン)だ。
イグアスのエンブレムも数字を表していて、”アリが4匹”+”クワガタの頭”=”5”だ。
ヘッドブリンガー(頭部を運ぶ者)は、エンブレムでそのまま表されている。
何か元ネタがあるか探してみたが、該当するようなものは見つからなかった。
ただ、イグアスは何かと頭に縁があるようで
レッドガンの頭目と喧嘩
↑の結果、顔面が変形するまで殴られる
ミシガンの顔面に一発いれるのが目標
ストーリー後半、”ヤブ医者”のせいで頭の中で声がするように
取り敢えず浮かぶのでもこれくらいだ。ううーん、こじつけ感は否めない。。
では、これはどうだろう?
路地裏の博徒だったという事で、”ポーカー”に関連する考察だ。
ポーカーには”HEADS-UP”というルールがある。
直訳すると”頭を持ち上げる”となるこのルールはなんと、”一対一”のルールだ。
まさに終盤のこの展開を示している。
追記9/22:賭け関連だと、麻雀にも頭がある。二枚の同じ牌を指すことだが、これはヴォルタとの二人組、または同じ旧世代型強化人間である621の二人組を表すのか。
ー G4 ヴォルタ
モチーフはヘラクレスオオカブト。ただし、角は列車砲のような巨大な砲塔になっており、背中は装甲に覆われている。
ヘラクレスオオカブトといえば、最も大きなカブトムシと知られている。背中の装甲も相まって、実はレッドガン唯一のガチタン、ヴォルタを表すに相応しいエンブレムとなっている。
ヴォルタのエンブレムが表す数字は、”足が4本”で”4”だ(砲身は色が分けられているのでカウントしない)。
AC名を直訳すると”大砲頭”、エンブレムはこれをそのまま表している。
または、ヴォルタの髪型を表しているのかもしれない(STVの画稿にモヒカン頭の人物がいる)。
頭に関係するAC名と昆虫由来のエンブレムは、悪友イグアスと共通している。
もし、2人の「ミシガンの顔面に一発いれる」という目標が筒抜けで、これらの名前が付けられているとしたら、「ちょっと笑える」。
また、エンブレムから分かるイグアスとの関係だが、ヴォルタの「ヘラクレス」、イグアスの「ティターン(ヒラタクワガタの種小名)」から分かるように、ギリシア神話が2人のモチーフにはありそうだ。
モチーフ① ヘラクレスとアンタイオス
アンタイオスは好戦的な巨人で、英雄ヘラクレスに討伐される。
アンタイオスはヘラクレスに一方的に因縁をつけ彼に挑戦する。アンタイオスには無限に復活する力と、その度に力が強くなる能力があり、ヘラクレスは思ってもみない苦戦をする。
これは、イグアスとの出会いにも思える。路地裏の博徒で喧嘩屋イグアス、倒されても何度も立ち上がる彼に対し、ヴォルタは徐々に心を開いた…とか?
モチーフ② ヘラクレスとプロメテウス(ティターンの一人)
プロメテウスは人間の創造主で、彼等を愛するがあまり、天界の火を盗み人間に与えてしまう。
罰として、山に磔にされた彼は、そこでハゲワシに生きたまま肝臓を食われるという拷問を3万年もの間受けることになる。
その後彼は、そこを通りかかったヘラクレスによって解放される。
これは、借金のカタに旧型強化人間手術を受けたイグアスを助ける場面か…?
ー G3 五花海
モチーフは鯉の滝登り。中国の黄河には「竜門」と呼ばれる急流があり、そこを登り切った鯉は竜になるという伝説から転じて、「勢いのよさ、立身、出世」を意味する故事成語。
エンブレムには、鯉の他に龍と急流が描かれている。
っていうか、よく見ると鯉の口気持ち悪くないか?
鯉の口は軟体生物のように触手が伸びており、龍に成るというよりは”龍を喰っている”。極めて冒涜的な光景だが、フロムゲーではよくある光景だ(SEKIRO)。
これは、五花海の出世が正当な評価ではなく、他人に寄生したり騙し取ったりで手に入れた地位であることを示唆しているのかも知れない。
エンブレムが表す数字は、”鯉”、”龍”、”急流”で”3”だ。
エンブレムはAC名をそのまま表している。捻りもない。
これはエンブレムとは、あまり関係ない考察だが、この五花海を越えることがレッドガンの中で一つの強さの証明(登竜門)となっているようだ。
なぜなら、G4、G5両名はアリーナ順位が五花海より高い。
ALT多重ダム襲撃任務でG5がG13に負けた際は、「下位ナンバーに負けるのか!」と叱責されていたが、それでいうと五花海は下位二人にしてやられている。
レッドガンのナンバーが絶対実力主義なら、こんなことは許されないだろう。
しかし、G3が許されているのは、ミシガンの中で「あいつは大したことないが、新入りの物差しくらいにはなる」「あいつを越えられれば、そんな簡単には死なんだろう」というような扱いを受けているからなのかもしれない。
ー G2 ナイル
モチーフは鯨(おそらく、シロナガスクジラ)。親子で潜水を行っている様子のようだ。
シロナガスクジラは基本単独行動で、母と子以外の社会構造を持たないらしい。
以上の生態を考慮すると、体が大きな方はおそらくメスだ。
ナイルに子供がいる描写はないが、もしかしたら離れ離れの嫁と子供がいるのかもしれない。
表す数字は、”鯨が2匹”で”2”。
鯨の潜水に、”深く下がる(deep down)”を連想させた機体名になっている。
ディープダウンには、”本心”という意味もある。
ナイルは寡黙で多くを語らないが、内に秘めた秘密があるのかもしれない。
それは、故郷においてきた家族への気持ちなのか?それとも、企業が隠す英雄の秘密なのか。
ー G1 ミシガン
モチーフはライガー。虎とライオンの混血種らしい。
表す数字は、”ライガーが一匹”で”1”
このエンブレムに関しては、過去の記事で考察しているので詳しくはそちらを確認して下さい。
↑怪しいリンクではないのでご安心を、不安なら筆者の記事一覧から同名の記事をお確かめ下さい。
まとめ
知人に考察を依頼されたので始まったこのシリーズ。
やってみると結構面白い考察ができるので大きなモチベーションになりました。
巷では、エンディングの考察より、キャラクター造形への注目度が高いようで、そんな人達にこの記事が届けばいいなと思いながら書いています。
次回はヴェスパー部隊。
デカールの並び順にやっていきますが、後半になるにつれて面白くなっていきますので、見逃さないように是非フォロー頂けるとありがたいです。
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