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レッドガン部隊総長、G1 ミシガンの罪について考察

 注意!:本考察には、キャラクターイメージを著しく損なう表現が使われています。
     あくまで、一考察であり絶対的な事実ではない事を念頭に入れて下さい。

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この記事では、下記について考察していく。

まず、筆者は木星戦争を「木星に逃れたルビコン技研メンバーを囲い込んだファーロン勢力に対し、ベイラムが起こした武力衝突」だと考えている。

この根拠は多くはないが、作中でハンドラー・ウォルターが言っていた「コーラルが絡むと死人が増える。過去から未来まで変わらない事実だ」などは、コーラルを巡った争いが過去何度か発生した事を示唆している。

アイビスの火以降(惑星封鎖でコーラルの供給が絶えた後)でコーラル利権を巡る争いの火種があるとすれば、それは生き残ったルビコン技研メンバーが持つ、コーラル関連技術(強化人間技術 etc)の情報だろう。

こじつけではあるのだが、この火種を作中で最も苛烈であったであろう木星戦争に結びつけるとしっくりくる気がする。


1.木星戦争の英雄の正体

ベイラムグループ専属AC部隊 レッドガン部隊総長 G1 ミシガン。
木星戦争の英雄とされる彼だが、その正体は「木星の民を裏切り、企業勢力についた謀反人」だったのだ。

作中のミシガンは情に厚く、部下想いで、G4ヴォルタ曰く『あいつは本社のボケどもとは違う』と評されるほどに慕われている。

どうみても、裏切りを行うような人物には見えない。
ゲームをプレイした人は、全員がそう思う筈だ。

以降では、そんなミシガンが裏切り者である証拠を並べていく。


2.エンブレム”ライガーテイル”と八岐大蛇

ミシガンの裏切りを示唆するものはいくつかあるが、最も顕著なのが彼のエンブレム”ライガーテイル”だろう。

エンブレム”ライガーテイル”

まず、注目していただきたいのが”舌”だ。このライガーの舌は”二股に分かれている”
通常、このように舌が分かれているのはヘビやトカゲなどで、哺乳類であるライガーはこのような舌は持っていない。
ともすれば、これはミシガンの何かを象徴した表現なのだろう。

二股に分かれた舌は、”二枚舌”にも見える。

にまい‐じた【二枚舌】 〘名〙 矛盾したことをいうこと。一つのことを二様にいうこと。うそをいうこと。

 出典:『コトバンク』〈https://kotobank.jp〉

ミシガンは嘘つきなのか?
作中の彼を見るに嘘とは縁遠そうだ。ならば何故、こんな意匠をエンブレムに取り入れたのだろう?

“隠しているor誰も知らない、自分の過去をエンブレムで表現しているのだろうか?”

エンブレムには他にも、彼の裏切りを示唆している表現がある。

この”ライガー”「足が5本、舌が2枚、頭が1つ」、そして「尾が剣」と言う特徴を持っている。
そして、尾以外の全ての部位の数を足す(※)と、”8”という数字が現れる。
皆さん“8つの部位を持ち、尾が剣になっている生物”に心当たりはないだろうか…?


「「「「そう!八岐大蛇なのである!!!」」」」


正直、これに気づいたから本考察を書いた節はある

筆者

八岐大蛇とは、日本神話に登場する架空の生き物。
“頭が8つある大蛇で、須佐之男命による討伐後、尾から”天叢雲剣”がでてきた”
とされている。

ライガーテイルのエンブレムと似通っていないだろうか?

八岐大蛇はミシガン自身とも結び付けられる。
G2 ナイルの説明文には、彼がミシガンをベイラムに引き入れた際の様子が記されている。

G2ナイル アリーナの説明文


『万策尽きた彼(ナイル)は一杯の酒で話を付けたという』

一見するとミシガンの快男児エピソードかと思われるが、これは八岐大蛇が「須佐之男命に八塩折之酒を盛られて討伐された」という話と重なる。

このようにミシガンと八岐大蛇の関係はかなり示唆されている。
では、何故八岐大蛇なのか?
それは、ミシガンが”蛇”であり、蛇が古来より象徴する”裏切り”と”罪”をミシガンは背負っているのである。


※こじつけにも見えるが、レッドガンのエンブレムとナンバーは密接に関わっている。
例えば、G4ヴォルタのエンブレムは頭が大砲のカブトムシだが、足が”4本”=G4。G6レッドのヤドカリは足が”5本”に頭の大砲が”1つ”=G6というようにナンバーと対応している。


3.G1 ミシガンが犯した罪

これまでに渡り、ミシガンが裏切りの罪を犯した証拠を述べてきた。
では、一体ミシガンは何を裏切ったのか?

結論としては、”木星戦争中に、古巣ファーロンから木星経済圏に侵攻してきたベイラムに寝返った”のだ。

G1ミシガン アリーナの説明文

アリーナの説明文にもある通り、ミシガンはファーロン武装船団の指揮官から、ベイラムのAC部隊に鞍替えしている。
G2 ナイルの説明文にもある通り、ベイラムとファーロンは競合企業だ...。

あまり注目されていないが、ミシガンのこの行いは裏切り以外のなんなのだろう?

そして、この裏切りが行われたタイミングとしては木星戦争、その最中だろう。

その根拠となるのが以下の資料だ。

ベイラム製 FCS(木星戦争前)
ベイラム製 FCS(木星戦争後)

まず、木星戦争前のベイラムはコア理論に基づいた至近距離での白兵戦を想定した戦術を有していた事が分かる。
しかし、木星戦争後は一転して中距離での戦闘と、ミサイル関連性能の拡充を行っている。なんでも『苦杯を喫した』かららしい。

ファーロン製 FCS

それに対して、ファーロン社製FCSは中距離での戦闘を想定。ミサイル特化路線後とは比べ物にもならないが、ロックオン性能に関しても充分確保されている。

各社のFCSを見比べてみると、木星戦争でベイラムに苦杯を飲ませたのは”ファーロン以外にない”ことが結論づけられる。
近距離では圧倒的なベイラムだが、一度距離を取られるとなす術がなくなってしまう。

特に、木星はガス惑星で”地表での戦闘はあり得ない”。なので、木星戦争の主戦場は木星衛星軌道上のコロニーや衛星兵器を中心とした宇宙空間だったことが予想される。
そりゃ、白兵戦なんてなりっこないし、ファーロンのFCSに勝てるわけがない。

ファーロン武装船団の指揮官であるミシガンは、そうしたベイラム側の事情を見抜き、木星戦争序盤にベイラム軍相手に連戦連勝を挙げてきたのだろう。

しかし、ベイラム軍相手に大暴れした事で遂に賞金首となってしまう。

ナイルはミシガンを追っていた

そしてこの時、大局を見据えるミシガンは既に気づいていた。

“自分たちの虚しい抵抗もやがては企業の物量の前に消耗し瓦解していく”
“自分達が抗うほどに木星圏は深く傷つき、再建が不可能になる”

そこで彼は自首し、戦争の早期終結のためベイラムに協力する事にしたのだ。
たとえそれが、修羅の道だったとしても。

ベイラム治安維持部隊をレッドガンと改め、作戦指揮についた彼は、かつての同胞ファーロン軍に対し圧倒的物量による制圧作戦を展開した。
この作戦は多くの犠牲を伴う事になったが、ファーロンの中距離処理能力をオーバーフローさせ、ベイラム軍の戦闘距離まで近づくにはこの作戦しかなかった。

短期決戦のため自らも最前線に身を投じ、夥しい数の敵味方の屍の山を築く彼を、人は”歩く地獄”と呼んだ。

G6レッド アリーナの説明文

レッド少年が報道でミシガンを知ったのもこの頃だろう。
もしミシガンが木星戦争中にファーロン勢力なのであれば、少年はレッドガンを志さないはずである。

結果として、ベイラムとファーロン双方が傷つきながらも、木星戦争はベイラム軍の勝利に終わった。

木星が独占していたコーラル関連技術は地球圏内に広まり、ファーロンは賠償と武装船団の解体、AC開発事業からの撤退(恐らくこの時のファーロンは自社製ACを作っていたはず、オルトスにも技術供与出来ているのはこのため)を言い渡され、木星の狸は牙を抜かれた。

木星経済圏の主体であったファーロン社が傾いたことで、未曾有の不況が発生。
木星経済圏はベイラム経済圏に吸収されることになった。
そして、レッドガンは戦争後、そのまま木星圏の治安維持任務に就くことを命じられる。

また、ファーロン武装船団が解体されたことで大量の失業者(元兵士)が発生、先の不況と合わせて木星圏の治安は最悪なレベルにまで落ちる。

木星コロニーでは犯罪が横行し、通りは戦争と犯罪で親を失った子供達で溢れかえった。

その中には、やがて路地裏の博徒となるイグアス達もいたのかもしれない。

ミシガンは戦争のカリスマであり、戦局の先を見通すことができるが、経済や政治、民草の生活まで考えることはできていなかった。
彼は自分がした”選択”が正しかったのか終生悩むことになるはずである。


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ーーーーーーーーーーーー妄想全開注意ーーーーーーーーーーー
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ミシガンは、どう感じているのだろう。後悔に苛まれない日はあるまい。

ハンドラー・ウォルターは、ファーロン時代のミシガンを知る数少ない人間の一人に違いない。
彼らは旧知の仲のようだし、ALTの多重ダム襲撃任務で垣間見えるのは裏切りの遺恨だ。

『そう来たか、ハンドラー・ウォルター…』

ルビコン解放戦線に寝返った621を見るとそう呟く。

あの時とは真逆のシチュエーション、自らが選べなかった弱者を救うという選択肢を迷うことなく選び取った621を、彼は心から責めることはできなかったのだろう。

英雄である彼の汚れた過去は企業によって封じられている。
ただ、エンブレムとかつての戦友だけがミシガンの痛みを知っている。

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まとめ

八岐大蛇とミシガンの共通点に気づき、こじつけを重ねた本考察だが結構良い線を行っていると思う。
特に、木星戦争周りは遠からずなのではないだろうか?

考察終盤にも書いたが、多重ダム襲撃は木星戦争の再演になっているのだと思う。
ルビコン解放戦線によって要塞化したダムと砲台はファーロン軍、ミシガン率いるレッドガンはベイラム軍だ。
しかし、木星戦争の時と違うのは、裏切られるのがベイラムで、裏切るのがミシガンではなくハンドラーの猟犬という事だろう。ハンドラーが、寝返りを許すのは後にも先にもこの時だけ(V.VIIはエアの任務)、ミシガンはこれを戦友からの手痛い意趣返しだと感じたに違いない。

長くなったが、今後もこのようにキャラクターの半生をまとめていきたいと思う。

とりあえず、次はハンドラー・ウォルターか…?

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