空からカブトガニが落ちてきた。

大きなカブトガニが落ちてきた。

「え?オトラント城?」

いやいや、目の前の現実に突っ込んでも誰も笑ってはくれない。というか、それどころではない。

なんでカブトガニなんだよ。

オトラント城では大きな兜が落ちてくるのだ。そしてそれは作者の夢から作られていることを文学部の私は咄嗟に思い出した。

てことは、これも夢……?

なるほど、それなら頷ける。って頷けねーわ。こんな夢見るなんてどんな深層心理だ。

落ち着け、これは夢だ。夢なら夢だと自覚すれば覚めるだろう。さては夢だな?カブトガニは夢……

……覚めない。

「嘘、現実なの?」

現実となれば話は別だ。こういうときってどうしたらいいんだろうか、警察にとりあえず連絡した方がいいよね。

「もしもしポリスメン?」

「イタズラならやめてください。」

……人生いろいろ、男もいろいろ。
って島倉千代子じゃなくって!あれはいい歌だよ!


(続く)

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