演劇
後輩たちの作る劇を見てきた。
やっぱり私は演劇が本当は嫌いなのかもしれない。
自分自身を直視できないから
作品や言葉にされることをなんだかこそばゆいように感じてしまう。
嫌いだ。劇なんて
演劇部でありながら、観客の目を捨てきれなかった私はついぞ役者に向いているとは到底思えなかったけど。
劇なんてこそばゆいから嫌いだ。
うしろで見ていた子たちは泣いていた。
ある程度ストーリー性と起承転結を用いながら
感情を、伝えたかった繊細さを描いて
それを私たちが受け止める、重ねてしまう。
私だったらこうするのにああするのになんて思いながらも、感情移入して
でも、その答えにたどり着く一歩手前で私は止まる。
だって恥ずかしいんだもん。
観客の目を捨てきれなかったから、恥ずかしいと思ってしまって。
でも私にはそれを表現する手だてがないから、そんなふうに、素直に描けることを羨ましいと思って。
皆が100相手の意図を汲み取れる訳じゃないから
伝えるのが怖くて、恥ずかしくて
やっぱり私は自分を表現するのを嫌う。
だから演劇は嫌い。
だけど、良い芸術だと思う。
会うのをためらったあの人にも
会えば楽しくなるように
劇も見たら、やっぱりいいななんて思うのだ。
あー恥ずかしい。
後輩たちが社会に出る前に作った作品、素敵でした。