【誠意】100日後に初老を迎えるわたし-あと31日-
2020年7月25日(土)
~誠意~
スター生命に誘ってくれた友人も去ってしまった後、思いもしないトラブルを起こしてしまいます。
友人の恋人から相談を受けて、保険に加入いただいたのですが、確認不足で条件が変わってしまいました。
本人が心配していた既往症に関する部位不担保期間(※関連する部位の疾病に関して一定期間保障がつかないこと)が、伝えていた期間より3年長くなっていて、話が違うじゃないかと激怒。
直接お詫びに行かせて欲しいと伝えるも、顔合わせたくないし二度と連絡して来ないでほしいと言われます。
その後怒りがエスカレートしていき、会社を訴えるという話にまで発展してしまいました。
恋人の変わっていく姿に、友人は別れることになってしまいました…。
悪くないから気にするなと言われるのですが、僕の確認不足が招いた問題だったので、会社を辞めて最後のお詫びをしようと決意します。
どのように会社に伝えようか悩んでいるところに一本の電話。
Jさんからでした。
「高山最近どうよ?」
と以前と変わらない明るい声に少しホッとするも、この件の経緯を話しました。
「ちゃんと誠意をもって謝ったのか?」
『もちろん謝ったのですが、直接お詫びに行かせて欲しいと伝えても、顔合わせたくないと言われてしまって…』
「それじゃ誠意が伝わるわけがない。友人の恋人だったんだろ?その友人にお願いして、直接会いに行くことだって出来るだろう」
『でもこの状況になって、更に嫌な思いをさせてしまいませんかね…』
「それはお前の想像でしかない。とにかく友人にお願いして直接謝りに行ってこい。いいわけはせずにとにかく謝るんだ。」
電話を切ってすぐに友人に連絡すると、その足で連れて行ってもらえることになりました。
僕がいることは内緒にしてもらっていたので、当然隣にいる僕の姿に動揺します。
「あなたのせいで別れることになったのよ、どうしてくれるんだ!」
『本当に申し訳ない…』
「保険だって話が違ったじゃないか!」
『そうですよね、申し訳ありませんでした…』
友人は横で何も言わず見守っていてくれていました。
顔見たくなかったのに余計不快な気持ちにさせただけなのではないか…と思っていたら、段々とトーンが落ち着いてきて、意外な言葉を言われます。
「ひどいことを言ってごめんなさい。悲しくて感情が抑えられなくて、会社にも連絡してあなたに迷惑かけてしまった。本当はそんなに悪くなかったのに。」
フォローされる言葉に驚きました。
彼女は生い立ちが複雑で、頼れる大人が周りにいませんでした。
10年ほど前に入院したときに途中で費用がつきてしまい、生活費を稼がなきゃいけないからと医者から反対されるも途中で退院します。
幸いにも経過がよく、心配で毎年定期検診を受けていたそうですが、特に問題や再発を指摘されたことがないとのことでした。
でも30歳になってこの先子どもを授かることを考えると、万一のために保険はしっかりと入っておきたいという経緯で相談を受けての契約でした。
会社に確認すると当初2年間程度の不担保だろう言われたのでそのまま伝えるも、実際に契約後についたのは5年間の不担保期間。
それに対して僕が
『少し期間が長くなってしまったみたいですが、平気でしょうか?』
と伝えました。
「あなたにとっては少しかもしれないけど、私にとってはすごく大きい期間だから悲しかった。平気でしょうかって簡単に言わないでって。信頼したから話をしたのに、何も分かってもらえていなかったんだと感じてしまい、感情が抑えられなくなってしまったみたい。本当にごめんなさい。」
寄り添って話を聞いているつもりで、自分の解釈になってしまっていたことに気づかされました。
続く。