一言多い父
昔から父はいわゆる、一言多い、人だ。
母の実父がガンになった時に、同居している母の姉夫婦の前で「もう少し早く姉さんたちが気づいてたらなぁ」と言ったせいで、姉夫婦の怒りをかい、一時疎遠になった。今も少しギクシャクしている。
先日も、不意に小学校に通いだした姪っこの話になり「○○は学校行くと疲れちゃうんだって。体が弱いみたいだ。小さい時にあんまり食べさせなかったのかな。下の子は丈夫そうだぞ。」と言った。
信じられないかもしれないが、まったく悪気はない発言なのだ。
本人的には心配しているし、本人なりの考察をした結果がそれなのだ。
元々体が弱いとか、慣れない学校に疲れてるとか、そういった色々な要因を考えたり考察するには至らない。
自分の中の常識が、体が弱い=食べていれば健康なはずだ=小さい時に食べてないからだ、という独自の方程式を作ってしまうようだ。
「そんなことあるわけないでしょ!弟夫婦の前で言わないでよ!そうでなくても何か変なこと言って過去に色々問題起こしてるんだから。」
あまり過去を持ち出すのは好きではないし、良くないとは思いながらも、そういう発言は過去にもしてるんだぞという事も踏まえて怒った。
「いや、言わないよそんなこと。」
「言わないとしても、そう思ってたら口をついてでるでしょ。体が弱いならしょうがないじゃない。学校が慣れないだけかもしれないでしょ。」
「・・・」
この先幾度となく、このやり取りが繰り返されるかわからないが、結局、人の考え方が変わらないという事は、親を見て学んだ。
だからといって自分が不用意な発言をしないという訳ではなく、きっと誰かを傷つけている。
人生って苦行だなぁとつくづく思う。