雑踏讃歌
壊れた方位磁針
ここはどこ
雑踏をかき分けて
人混みは焦るの
みんなの顔
表情はばらばらで
私はどこへいく
右往左往
わからなくなって立ちすくむ
空にはポツンと一番星
目印と決め
とにかく前を行く
哀しみはどこからやってきて
どこに流れるていくのだろう
ビルの隙間
高架線のした
交差点の人波の中
探しものが思い出せない
私は一体なにを辿ってここにいる
冷たい風が頬にしみて
急いでなんかない
ゆっくりとあの星を
めがけて歩む
泣いている暇はない
頑なにあの星の
向こう側へ
駆け抜けて
遠い街へ
ここではない
綺麗な星屑の下へ
それでも今は雑踏讃歌