7月の坂
蒸し返すような暑さ
溶けていくアイスクリーム
溶けていく彼女と僕
絵画の様な入道雲は
固まりになって空にへばりついた
丘の上の街まで帰る
僕達は
うなだれながら
坂道を歩き登った
重い荷物と
棒だけになったアイスクリーム
家に着いたら冷たいソーダ水で
体と心を潤したい
滴る汗
張ってきた脚
追い抜いていく自動車
年々熱くなっていくこの国
少し休もうと日陰に入る彼女
僕はそんな彼女が急に愛おしくなって
そっと抱きしめた
暑いからやめてよ
彼女は鞄から水の入った水筒を出しては
すいすいと飲み干していった
僕は覆い被さる暑さのなか
彼女を抱きしめたことを
少しばかり後悔している
そんな7月の坂の途中