星陰のラブレター
時間が止まれと願ったのは
星が落ちた瞬間のこと
喧騒とは程遠い田舎の高台で
突然迫ってきたのは黄色い惑星
瞬きの間に消えてしまうから
私は時間が止まれと願った
この星が欲しい
私だけの流れ星
聡明で懸命な光りは
私を胸の真ん中を射抜いた
叶ったばかりの願いを背負い
私は星に手を掛けた
重くて熱い落ちた星は
私を強く拒絶した
ベランダに置いておきたいの
カーテンを開けたらいつでも輝ける様に
淋しい世界に取り残されたくないの
この星を持って帰りたい
だけども星は夜空に固定され
全然取れないまま
やがて時間が進み出すと
残影を残し
星は光を落として消えた
お願いします
お星様
私を強く抱きしめて