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渡辺 杜太朗
2021年12月12日 12:10
私の心が大波に揺られて溺れて水浸し鬱の魔物は水面で滑っとどろんと顔をだし大きく開口した魔物は私を夕飯として丸飲み鵜呑みそれでも言うのあなたは言うの魔物なんざいないのいないの気の迷いそういって私の靴を磨きシャツにアイロンをかけては微笑みと神妙の丁度真ん中の顔をして豊かな箪笥の引き出しをそっと開けては色とりどりの召し物を用意した私が今溺れているのは私の冷や汗からでき
2022年7月22日 17:22
旧江戸川に聳える工業船の入り口までは金具の寄せ集めの橋を渡ってカンカンと歩く他ないその音を頭に浮かべ月の落ちた川辺をひたひたと歩く遠くに望む電波塔が紫色に光り私は少し安堵したなぜなら工業船の迫力に丸呑みされかけていたからである船員達が何人も私の頭の中で橋を渡るカンカン カンカン カンカン カンカン少し先の出航に向かい進める歩は粗々しく強固な音だのんびりと月夜を歩
2022年5月30日 11:32
私は両手いっぱいに荷を掲げこの道を行くこの荷が財産であり生きた証誇りと証明だずっと歩いてきたもんで疲れてしまって休みたいすると道行く先の方立ってる男が私に声をかけてきたここから先はなにも持っていけないと両手を広げてゆっくり歩こうと私は少し不満だったが荷を置き心に刻みつけた楽しかった道中のことを
2022年2月13日 18:47
炭酸水が喉を走る痛みと幸せのはんぶんこ喉元を通過した泡達は私の細い食道で現地解散したそれは私の憂さを晴らす様にそれは私に喝をいれる様に最近の晴れない事情に少しの甘い余裕を最近の晴れない事情に少しの痛み分けを私は炭酸水で汚れと不安を洗い流したしゅわしゅわが守る私の心しゅわしゅわが労る私の脳救いはこんなにも身近で何気のない場所にいる炭酸水はいつも通り生きただけ
2022年1月20日 23:55
羽根をたたんで目を瞑るミミズクさんは昼行灯答えを知らないミミズクさんはなんでか頼りにされているリスさんが言ういらない涙腺は塞いだほうがいい?ミミズクさんは目を瞑ったまま首を横に振っていたリスさんは晴顔ミミズクさんは漠然とした想いを乗せて首を横に振っただけそれなのにリスさんの背筋はぽんと伸びていたミミズクさんは申し訳く思うも皆が頷くのでこれはこれでいい
2022年1月16日 14:26
何気ない笑みが走る言葉を越え一輌の列車に乗って私のもとにやってきた私の前で開く扉どうやら私はあなたのステーション笑みが下車してこんにちはそれはぽぽっとひかる蛍のお尻私は笑みと一緒に改札を出た家までの道すがら笑みに釣られて私も笑みるマーケットでトマトとチーズを買った笑みが嬉しそうに台所の私を眺める私はトマトとチーズのパスタを作ったフォークがくるくる回ると笑み
2022年1月15日 09:17
夜空に光るプロキオンとの交流しかしそれは動いてる闇の世界を縦横無尽私の目では追いきれないサイズは月のクレーター夜空を転がり乱反射私の首は痛くなるそのまま夜空に倒れ込む私の目では追いきれない夜空に光るオリオンとの交流どこへ行くのなにしに来たのピュっとシュービュールルル夜間飛行にお気をつけ夜空の魔物に宜しくね
2022年1月14日 22:24
あなたは甘くてシュワっと消える私が握ったあなたの掌はほろほろと絡みが外れていくどんなにきつく縛っても心臓だけは縛れないだからあなたは消えていく私の頬は赤らんでポッとあなたのまろみに落ちる次第にどんどん寂しくなってふと気がつけば喉元通る微炭酸そのあとはただ消えるだけ愛していたいの私が私じゃないうちに濃厚なのに爽快に走る爽快なのにシュワっと痛いミルクソ
2022年1月9日 11:27
味の染みた田園は煮込んで茶色くなっている隣の段々茶畑も醤油で味付けした様だ私は薄情な冷風に煽られしゃがみ込んだ緑の世界が観てみたい青茂った心地のよい美風時期を跨いで逢いましょうその時はこの煮込み色の世界がどれだけ大事なことだったか痛感するのであろう私は雀に挨拶をしてここを去った美しきは忍耐の先に待っているのであろう
2022年1月3日 22:41
私が落とした丸い皿藍色焼きの丸い皿割れては四つになった皿鋭利な角持つ気張った皿もう料理が乗らない皿は皿というのは可笑しいか無理矢理乗せてもいいけれど鋭利な角で血が出ちゃう袋に捨てた丸い皿涙流した丸い皿私のせいで泣いた皿今まで色々乗せた皿誕生日ケーキもクリスマスチキンもお餅だって乗せた皿皿の涙で私が泣いたら私の涙で皿も泣いた感謝の念と憂いが同居した瞬
2022年1月3日 19:59
家のガラス窓には施錠がしてあるそれは頑なにそれはひっそりとカーテンで仕切った外側になにがあるかは日差しに頭を突っ込まないとわからない私の大きな勘違い外側が美しくないから汚染の街の捨て恥だからそう感じて長らくが経つそれは頑なにそれはひっそりと美しさに外も内もあるわけが無く私の眼がどう捉えるかが美の定石この世の全てが私が触れた狭い世ならばそこはしっかりと美しい
2022年1月2日 22:23
この身がただただ歩くわけではないから余計に困ってますそこには命と心が住んでて周りの星をも傷つける只々黙って転がりすぎた日々の薄い温度はやるせなさとしての風当たりだけではなく生温さのなかに心地さを含ませている前に進んだ昔の友よ後ろに下がった今の私よ弾ける涙はナイフのように滴る汗が丸太の様にたがいの体液が重なる場所を探してるこんにちは昔の友よ今も友でいてくれ
2021年12月28日 17:20
愛の不思議は色じゃない温度も痛みも嘘でもない愛の不思議は形崩れて透明シャボンで飛ぶところ私が絵を描き色を塗り額縁囲って飾ってもなお意味のない愛が浮遊するだけの小部屋命の祈りはますますと愛の鎧を脱いでいくがぎゃん がぢゃんと崩れてく鎧の中の透明人間は愛そのもののシャボン玉気がつきゃ私もシャボン玉
2021年12月24日 15:39
私の髪の毛が獅子のたてがみの様に伸びてしまったため髪を切りに行きたいのだが外には悪口の雨が降り暴力的な風が吹くもんで家の中からは出れやしない私は自分のハサミでたてがみを削いだ私は嫌なほどたてがみを切るのが下手なもんでぶら下がるコウモリの様な髪型になるもんでこれでは恥ずかしと頭を掻きむしった慣れないことはするもんでない少しの勇気が私にあれば床屋までいく足があればほん