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渡辺 杜太朗
2024年5月24日 01:50
記憶失うほどにきつくあふれた嘘はシーツに溶け込む薔薇の花でいっぱいのベッドで私は棘に刺さって沢山出したあなたの声は囁きながら遠くのあの子へ送る恋文私でしょ ここにいるのは目の前の薔薇の精くだらない脳天直下型快楽誠に誠実な秤を騙し重い方を上に傾かせ一夜に溺れさせてくる愛は流星群の如く最後には消えてしまう事情ほどけない縄で私を縛って微熱じゃ物足りない地獄後ろ向き
2024年5月20日 23:07
淀みない星の涙は幾千の夜の橋渡し可憐に笑った満月は屈託のない自然界愚直な風に流された雲は明後日の空に逃げたそんな夜に食べるのはバニラアイス甘くて少し空虚な味星の涙は甘い味初めて知った様なみずみずしい満月を搾って少しさっぱり時計は壊れたまま5月の夜に浮かんでいた寛大な空からのシグナル受け止めて今宵はご馳走様でした
2024年5月16日 00:34
あなたは遠い彼方の空から私をギョロッと見つめてるあてもなく緑道を彷徨う弱い私をただ見つめてる東の空の隅端で翼広げて浮かんでいる風の城壁に当たっても少しも揺らぎはしないのだから私を見てはなにを思う小さな私は鼠の様に隠れて歩くただひたすらに美味そうだとか滑稽だとか弱者を真似た役者だとか一体なにを思うのか心はあるかあるなら飛べる心は豊かかそれなら行ける広
2024年5月10日 22:05
僕は兎くすんだ白の毛並み雪の平野にそっとつま先を降ろす赤い色をしたドレスの君がなぜこの平野で踊っているの僕は続く君の後にひらひら回って足跡が増える光が反射し眩しく赤い純白のステージ君は綺麗だどこから来たの何故ここで踊るの僕の問いなど絵空事私は薔薇で手足を貰った嬉しくてつい季節を待てなかったのよ僕は兎君は薔薇一緒踊ったスパンコールの雪
2024年5月10日 14:02
古いブランコが鳴く無邪気な声の主が地上の楽園を作り出すここは穏やかだ誰かが言っている明日も晴れるから遠くへ出掛けようとここでは無い空は澄み渡り木々は揺れている子犬が散歩の途中で少し震えたくらい座った椅子が暖かく目の前の滑り台から命の灯火がスースーと降ってくる私の困った気持ちも今だけは顔を隠しゆったりとした顔に変わるサンダルに砂が紛れ込むそれをそっ
2024年5月6日 23:29
愉快な雨が降る夜のこと私は布団の奥のほう屋根頭に当たる水滴を心弾ませ聴いていた眠れぬ夜の隠し月見えぬは宵空 明星への旅泪の代わりに踊る音私はごろりと寝返った走る雨音段々急ぐ屋根頭を通り越し私の布団に刺さってくばちばち ばちばち遊んでる仰向けになり戯れた雨粒達と話してた心に出来た水溜り映るは笑う言葉達がむしゃらに話す雨粒は各々違う話題をくれる百合の花が綺麗
2024年5月5日 17:17
小鳥がなにも言わないのあなたがそうと言うもんだから耳を澄まして目を瞑るチユン チユン チユン チユン小鳥は歌を歌ってた古い昭和の歌謡曲私は可憐に身を任せ踊る心の空泳ぐ肌が触れ合う感覚が淋しさと重なりあったからあなたは歌が聴こえない上手な歌がわからない春の木陰の真ん中で染み込む季節の飾り歌私はずっと前からさこの歌なんだか知っていた黄金色した五線譜はまどろむ時
2024年5月4日 10:11
あなたの通り香頬に当たる風飲みかけのサイダー眠りに落ちた子供達の声遠くではしゃぐぼかした記憶は曖昧で綺麗寂しさは海の底時間は止まった穏やかな陽の中であなたを想う降る翠の木々の葉は広い世界の入り口私は軽いシャボン玉アゲハ蝶と共に飛ぶゆらゆらゆれゆれ風の悪戯私はどこへ行くゆらゆらゆれゆれしめされず飛んだ答えなんて死んだ世界へ風は行く風