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詩集 幻人録

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2023年2月の記事一覧

田の神、もとい

田の神、もとい

時折り見せる晴れ間
徐々に振り払う雲
跨いだ景色を横目に
私を呼ぶのはどちらさま

嘘で飾ったビル群の
風は冷たく痛いこと
蛍光色にもどかしく
故に彼の地を思い出す

太陽の神の神話
おどおどしい怪
どちらも私のなかのこと
手放したなら誰かのもとへ

田んぼの先の神様は
五穀豊穣願うべく
冷たい風も雨も耐え
私のもとに来るのです

だからといって絶え間なく
拝んでなんかはいられない
私は新しい朝に

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希望のうた

希望のうた

争いのなかに身を置いて
黄昏るから撃たれて倒れる

辛く苦い人生なんて
終わりが来なきゃわからない

発明的な感情論で
鬱を晴らしてみたならば

未来永劫豊かに過ごして
雨降りだって詩になる

硬い窓をゆっくり開けて
風の言葉を聴きましょう

時代を喋ってくれるから
今を教えてくれるから

何年寝たって構わない
身体が痛くていつかは起きる

あの頃感じた希望の先で
私はあなたを舞っている

思考は

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