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ティール組織に移行するとして。

「ティール組織」「自立分散型組織」
勉強家の方の界隈で、流行っているように思います。

「スタッフさんが自ら考え、自分たちの経営方針を決めていくような組織の形」と言うと、
その特徴の多くを取りこぼしてしまっているかもしれませんが、多くの方が求めているのは、こんな特徴なのではないかと思います。

僕は2007年に独立をしてから、マーケティングやセールスの支援も、組織づくりの支援もしてきました。その中で「マネージャーを廃止して、対話しながら物事を決める組織」づくりをしてきたこともあって、
「ティール組織に」「自立分散型の組織に」したいと相談を受けることがあります。

このとき、とても大きな「問い(課題)」になるのが、
「どのくらい、スタッフに自由な裁量を提供するか」という観点だと感じています。

「命令も指示もなく、スタッフさんたちが自分で考え動く組織にしたい」という気持ちと
「命令も指示もしなければ、会社として成立しないのではないか。潰れてしまうのではないか」という気持ちのせめぎ合い。

あるいは、

「命令も指示もない。スタッフが自分で考えて動く、フラットな組織にするにはどうしたらいいか」という問い自体が
「どれだけ自由を提供するか」という、組織づくりとしては、かなり狭い考え方に縛られていると言えます。
こんな狭い問いで考えては、組織を変えていくことなんてできないと感じています。

命令も指示もない。スタッフが全て自分で考えて動く

という方向性しかないから、アイデアが「どれだけ自由にさせるか」に限られます。

僕がこれまでサポートしてきて思うのは、
「自由か、不自由か」ではなくて、
「組織の状態に合わせて」より良い組織にしようと
一歩ずつ進むのがいいよということです。

仕事の仕組みが十分に整っていないと、
仕事に混乱が起きて、
お客さんに迷惑をかけてしまうかもしれません。

あるいは、スタッフさんは、生まれてから一度も自由を経験したことがない可能性があります。
子供の頃の親子関係も、学校の先生との関係も「上下関係」です。
部活の先輩後輩も、コーチとの関係も、働き始めてから上司部下の関係も、
ほとんど「上下関係」に縛られて生きている。
突然「考えていいよ」と言われても考えられないと思いませんか。

組織の仕組みも、風土も、経営者さんの振る舞いも理解をして、次の一歩を考える。
自分のビジネスの「今目の前にある組織チーム」に目を向けて理解を深め、
より良くするために何ができるかと知恵を絞るのが、
結果的に早く「スタッフの充実感のある組織」に変化しやすい。
僕はそう思います。

書籍「ティール組織」の中には、「すでに自立分散型の組織になった、ティール組織の特徴」は書かれていますが、「ティール組織にいたるための、ハシゴ」は書かれていないと思います。
方向性が示された後、「どんなふうに梯子を登っていくかのヒントやステップ」は、目の前の組織の中にある。

僕は「クライアントに寄り添いながら、理解を深め共に考えサポートする」ことを大切にしているからか、これまでの経験から、そんなふうに思います。
組織を変えるのは、いつでも一辺倒にはいきません。
本気の人ほど、「ノウハウ」を手放して、組織と向き合い理解を深めるアプローチを提案したいなと感じます。

写真は、高尾山です。

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