日々が楽しいという感情

最近、日本の友人から「イキイキとしているね」「エンジョイしているね」と言われる(メッセージをもらう)。

初めて言われた時はよくわからなかったけれど、少しずつそれが分かってきた気がする。ワクワクを覚えたり、心踊る時間の存在を感じられることはもちろんだが、無気力に感じる時間が減っている。

それと同時に、結構長い期間、自分が下を向いて生きてきたことに気がついた。決して、楽しみのない日々を送っていたわけではないと思う。ただ、楽しいという感情が生まれても、それを肯定できない状態にあったように感じる。

そうこうするうちに、自分の状態がよくわからなくなってしまっていた。よくわからないモヤモヤっとした沈殿物を自力で濾過することができず、かといって他の人に頼ることもできず。モヤモヤしすぎていて、うまくそれを表現することができなかったのだ。

愚痴という形で吐き出していた(そんなものに耳を貸してくれた友人たちには心から感謝している)が、それはたまった沈殿物をそのまま外に流しただけであって、モヤモヤはそのままとなっていた。

その時には「楽しい」という状態が異常な、行きすぎた状態であって、それが落ち着いた本来の状態を見つめ直さなければと思っていたのだが、楽しい状態をニュートラル・ポジションにしてみたら、うまく心の糸の絡まりをほぐすことができたのだった。

何がそれを可能にしたのかははっきりとはまだわからない。研究一本の生活に戻ったこと、研究の話のできる人が周りに一気に増えたこと、走る習慣を取り戻したこと、各方面に新しい友達ができたこと、自分の考えをはっきり示すことが必要とされる機会が増え、人を頼る技術も向上したこと、などなどが想定できるのだが、いずれであるにしても、イギリスに研究拠点を移すということがなければ、このような心境の変化がなかったというのは間違いない。

誰もが海外に出るべきだとは思わない。海外で逆に辛い思いをして、心身のバランスを崩した人も見てきたし、自分自身もそういう経験がある。ただ、今回の自分はとても上手くはまっており、ここオックスフォードに来ることができて本当に良かったと思っている。

2年の任期が終わるまでまだまだ先は長いけれども、今のところは帰りたくないと思っているくらい。それによって、イギリスでキャリアを積めたらなぁなんていう夢さえ見るようになってしまった。これは大きな悩みの種になることが想定されるが、楽しみを忘れなければどうにでもなると思って、前向きに進んでいきたい。

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