チーママのすきな着物
いつもお店は着物でしています。そのちょっとした理由です。
着物にあるフォークロアがすき
着物はわたしたち日本人が、何千年も前から日常着、服として着てきたもの。着物には、いまの私たちがえええ!って驚くわたしたち日本人の国民性、民族性につながっていく頭の良さがたくさんしまってあります。
チーママは、着物に込められたたくさんの仕事、それも名もなき人びとの、ちいさな営みがとても美しく、かわいらしいものだと思う。それで着物を着ています。愛おしいフォークロア、そのもの。
着物はふたつあります。ドレス着物とジーンズ着物。
着物というと華やかな席で着る第一正装というイメージがありますが、ジャンルはおおきくふたつあります。ひとつは、ドレス着物=やわらかものといわれてます。
成人式やお茶の席などで着られる着物。友禅染や和刺繍など豪華でとっても華があります。金や銀の糸が多用されている。ワンピースやドレス、と同じです。ホテルのドレスコードでOKになる着物です。
もうひとつは、労働着としてのジーンズ着物。紬(つむぎ)といわれるものです。チーママの着物は労働着の延長です。着飾ることより働くことが先。だから汚れること前提。柄ゆきも地味だし。固く破れにくい。
チーママは日常着としての着物がすき
ハレではなく、まいにちの生活の中にある着物です。
とくに紬はとても奥の深い着物です。地域性がすごく現れる。結城紬とか十日町紬・・・地域の名前がついていることが多い織物といえばイメージがわきますでしょうか。ひとつひとつの反物は気の遠くなるような時間が織り込まれています。織ったひとのエネルギーがつまってる。そして柄や織りに土地のルーツがあって。胸を張ってる。そんな雰囲気があります。
着物はたたみ方からして賢い服
服は普通、着るために作られるものです。つきつめると、「ただ着るために」つくらています。だから洋服は当然たたみにくい。たたむとしわになる。だからハンガーで吊される。さらに場所をとる。
着物はちがいます。もちろん、着るためにつくられていますが、それだけじゃない。きものをたたむとすごくよく分かります。おやっ!というたたみ方があり、平たく場所をとりません。さらにはたたむほど、そのしわは伸ばされ、つぎ袖を通す時に美しく着られる。
こんな頭の良い服は、ほかにない。
先の先の先を見越した、服。それが和服。
もっと言うなら、着物そのものもそうです。13メートルほどの反物は、着物の仕立てのために、ヨコに裁断されているだけです。カーブがない。だから、またつなぎ合わせて13メートルに戻せます。(洗い張り)また他の人のジャストサイズに仕立て直せます。汚れがひどければ、着物の小物(帯留めや帯揚げ)にもなります。
日本人はすごい。と、私がこころから思うのは、先の先の先の、その先まで見越してモノゴトを考えられる力です。それは想像力です。その想像力は,自分でない誰かを「思いやる」ことから生まれています。
いつか誰かがどこかで考えたたたみ方やら作り方やらを、「便利だよ」「こうするともっといいね」って、みんなで工夫して伝え合って千年以上つないできた服。
日本人の誇りだ。そうこころから思えるから、チーママは和服がすき。