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【愛読書紹介】必要最低限の「ミニマル装備」さえあれば人生無双。


さてはて、前回の記事にて超ミニマル・ライフの重要性は理解していただけたであろう。
もう一度3原則の復習をして、本章に入っていく。

①体・脳・心の負担を最小化して「パフォーマンス」を最大化する
②仕事と家事を超時短化して「自由時間」を最大化する
③お金・仕事・人間関係の不安をなくして「幸福度」を最大化する

超ミニマル・ライフ




心と体と脳は一心同体

本章は、3原則の①体・脳・心の負担を最小化して「パフォーマンス」を最大化するについて、詳しく述べている。

「健康な心と体」ー言うなれば、これこそが人生の最重要インフラである。

インフラとは、インフラストラクチャー(infrastructure)の略で生活や産業の基盤設備のことを指す。ここでは、私たちが生きていくうえで必要な設備と解釈する。


四角氏はこの最重要インフラを確立するためには、ちゃんと食べる・ちゃんと体を動かす・ちゃんと休む・ちゃんと寝る・思いっきり遊ぶことが唯一の方法であると述べている。
この「ちゃんと」ができている大人は、どれくらいいるのだろうか。

「ちゃんと」ができていないと、体に影響が出て精神が不安定になる。逆に精神が不安定になって、体に不調が出る。
心は精神やメンタルとも言い、脳と神経系という体内器官に宿るといわれている。精神的に不安定になるということは、脳が疲労しているということ。
つまり、どこか1つでも不調になれば、すべて不調になっていくということである。

心と体と脳のすべてが整って初めて、必要最小限の「ミニマル装備」を手にできるのだ。

「ちゃんとする」は、整えること

「ちゃんとする」は、食生活を整え、運動する習慣をつけて、いい睡眠をとって、無心になって遊ぶことである。


食生活を整える

「あなたは食べたものでできている」
これは、「You are what you eat」という有名な英語のことわざである。今日、何を飲み食いするかで、あなたの「オーガニックデバイス」のパフォーマンスが決まり、人生が決まるということ。

近年、食に対する意識が世界中でブームとなり、日本貿易振興機構(ジェトロ)による調査より「ヴィ―ガン」といわれる完全菜食主義者が世界的に増加しているというデータがある。
これには、世界がん研究基金や欧州のがんおよび栄養に関する2013年の調査結果から赤身肉および加工肉に発がんリスクがあり、心血管疾患などの死因の関係が立証されたことが背景にある可能性がある。

四角氏も「オーガニックデバイス」に損害を与える食材をこう述べている。

6大食材が原因になりうる主な疾病
①赤肉 : 大腸がん
②乳製品 :虚血性心疾患
③小麦粉 :アレルギー
④砂糖 :糖尿病
⑤化学処理された油 :心臓疾患
⑥塩分過多な食品 :血管の老化

これらは、特に「日本人が歴史的にほとんど食べてこなかったもの」であり、「低コストで大量生産すべく不自然な方法で過度に手が付けくわえられたもの」である。
では、何を食べればいいのか。
著書の提案は、こうである。

「オーガニック農法・自然栽培・減農薬の作物」「天然の魚介類」「無添加の加工食品や調味料」といった――安全な食材の入手ルートを確保してしまうこと。

そして、これらがすべて揃う総合セレクトショップもしくは通販ショップを見つけてしまえば、自分で安全な食材を1から探すよりもはるかに楽だ。
まずは調味料とオイル系から、そしてお米やパスタなどの主食、野菜…と段階を踏んで変えていくと、無理なく無添加オーガニック食生活が始められるのでおすすめである。

無添加オーガニック食生活を始めたら、次は季節の野菜・ご当地野菜を取り入れよう。
スーパーに行けばいつでもどんな野菜でも手に入れられる今日。しかし、栄養価が著しく下がっていることを知る者は少ないだろう。
また季節の野菜には季節に合った作用があるため、体を冷やす強い作用のあるトマトは冬に食べるのは悪手である。
このように、自然に逆らうから体に不具合が出るのだ。
そして生産地が近いご当地野菜は、近いほど防腐剤・保存料・殺虫剤などの人体に悪影響な化学調味料は不要となり、いいことづくめだ。

最後に、著書で提案されている「日本人のためのミニマル健康食」さえマスターしてしまえば、「食生活を整える」の完了だ。
四角氏は、日本人の体に最適化されている伝統的な和食「一汁一菜」をすすめている。

「お米+具だくさん味噌汁+α」
①ごはん
発芽玄米に胡麻や海苔で変化をつける
②味噌汁
脳細胞や筋肉や皮膚の原材料となるたんぱく質をとるために豆腐は必ず
③おかず
漬物・キムチ・納豆などの発酵食品を常備
旬の果物をデザートにすると栄養バランスが良くなる

これに、無添加オーガニック調味料をそろえれば、味がより豊かになる。

①昔ながらの製法による「味噌」
②昔ながらの製法による「醤油」
③精製されていない「天然塩」
④精製されていない「きび糖か黒糖」
⑤低温圧搾法による「太白胡麻油」—―熱耐性と抗酸化作用が高くて無色無臭の、あらゆる調理に使える万能オイル


体を整える運動習慣をつける

心と体は一心同体であるが、心については整えるためには時間と労力がかかるため、まず体を整えることが最優先である。

体は、唯一無二の買い替え不可な「最重要資産」である。

まずはこの言葉を頭に叩き込んでほしい。
頭に入れるのではなく、脳裏に刻み込んでほしい。

誰もが「幸せに生きたい」と願う。だが多くの人が、幸せの鍵は体にあることを忘れてしまっている。

体を整えるために必要なことが、運動である。
運動不足は日本人が死ぬ原因4位であり、運動習慣があれば死亡リスクは約2~4割も低くなる。
さらに脳の古い細胞が遺伝子レベルで若返り、加齢による脳の萎縮の進行を食い止めるというデータもある。
著書では、毎日20分以上のヨガと週3回45分以上のスロージョギングを推奨している。

とは言え、運動を習慣化するのは簡単ではない。
私もよくエスカレーターを使うし、交通機関があれば惜しみなく使う。疲れた日にはタクシーを拾うこともある。
そんなズボラな私たちを救うのが、日々の家事や育児に「4・4・8呼吸法」を加えて運動にすることだ。

4・4・8呼吸法
①4秒かけてお腹いっぱいに息を吸う
②4秒止める
③ゆっくり8秒かけて吐き出す

これに加えて、家事(特に掃除)を自分の体を使って行うことも、個人的におすすめである。

掃除機はやめて、床を雑巾で磨いてみる。
食洗器はやめて、自分で洗ってみる。
電子レンジはやめて、鍋でゆっくり温めてみる。

家電は忙しない現代を生きる私たちにとって、毎日の暮らしを助けてくれる素晴らしいものである。
でもたまにでもいいから、自分の手で、体で、家事をする。
時間がかかるので呼吸法を取り入れやすいし、手で体でものを労わることでものに感謝する気持ち、大切にしようとする気持ちに気づくことができるからだ。

「今日はハウルの動く城のソフィばあさんになりきって1日を過ごそう」
「今日はアリエッティみたいに過ごそう」

今日の自分を映画やドラマの主人公にすると、取り組みやすくなるので試してみてほしい。

肉体疲労の大半は脳疲労が原因

「まだ動けるくらい体は平気なのに、なんか疲れを感じる…」
誰しも一度は経験があるのではないだろうか。
四角氏は、これを脳疲労が原因であると結論付けている。
つまり、体を整えるだけでは「ちゃんと休む」には足りないのだ。
体と脳の両方が整って、初めて「ちゃんと休む」と言えるのである。

脳を休ませるために効果的なのが、デジタルデトックス。
定期的にオフラインの時間を生活のなかにつくることだ。

脳の一部を集中的に稼働させる「実行ネットワーク」と――脳全体が調和的に活性化する「デフォルトネットワーク」を――交互に繰り返すことで、脳のパフォーマンスを最大化できる。

スマホやスクリーンデバイスからの情報ノイズはドーパミン(興奮ホルモン)を分泌し、脳を「実行ネットワーク」モードにする。「実行ネットワーク」は脳を著しく疲弊させるため、長くは続かない。
一方、「実行ネットワーク」で酷使した脳の回復モードが「デフォルトネットワーク」である。自然のなかにいるだけで、脳の「デフォルトネットワーク」が優位になることが、科学的に証明されている。

端的に言えば、デジタルデバイスを使っている時間を自然のなかでぼーっと和む時間に変えればいい、ということである。
とはいえ、ネットが山の上にまで届くようになりつつあるこの現代で、オフラインの空間・時間をつくるのは至難の業である。
かく言う私も、スマホが視界に入っているか、すぐに触れるところにないと落ち着かない。

そんな私でも始められる簡単なデトックス法を、著書から紹介する。
まずは私のように、トイレやお風呂、キッチンにスマホをもっていかないこと。次に通勤時間や休憩中。もし余裕だと感じる猛者がいるならば、帰宅してから翌朝までオフラインにしてみてほしい。
著書には、ほかにも効果的なデジタルデトックス法が詳しく書かれているので、気になる方はぜひ手に取ってみてほしい。

いい睡眠をとる

「ちゃんと休む」の次は、「ちゃんと寝る」こと。
三大欲求のひとつでもある「睡眠」を

睡眠は「長さ×深さ」で決まる

睡眠時間は7~8時間がベストといわれているが、年齢や体調、環境で変化する。
そのため、自分にとってベストな睡眠時間を知るためには、毎日の「入眠・起床時間」「睡眠時間」「目覚め感」「体調と集中力」をどこでもいいから記録してみるといい。
私の場合、仕事が終わるのが22時半で帰宅するのは23時。仕事始めは13時以降が多い。そのため25時入眠8時起床を理想のルーティンに設定しているが、実際は26時入眠9時起床になることが多々ある。睡眠時間は6~7時間、二度寝が多いため目覚めはよくはないが、体調と集中力に問題はない。
寝る前に飲酒したり暴食したりすると、翌朝の目覚めも体調も最悪になる。


気持ちが前向きになって集中力が最適化する朝を「ハイパフォーマンスタイム」と呼ぶのは、午前中に最大量が放出されるセロトニンに依るところが大きい

私たち人間のDNAは狩猟時代からほぼ変わっておらず、「自然」にこそ最適化しているため、朝6~8時半の日光を浴びることが睡眠の質をあげるためには必要不可欠である。
「早起きは三文の徳」ということわざは、科学的にも証明されているのだ。

起床から15時間後に睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌される。
朝6時に起きれば、21時にはメラトニンの分泌が始まり、脳と体を成長させる成長ホルモン大量分泌と重なる。
メラトニンは、肌荒れや慢性疲労、視力や骨力、がんや心臓病の原因となる体の酸化(細胞や血管の劣化)を抑えてくれる。

つまり、朝6時に起床して夜21時に入眠するサイクルこそ私たち人間のDNAに組み込まれた睡眠プログラムである。
これに逆らうから、体に不具合が起こるのである。

とは言え、私も仕事の都合上21時に入眠なんて不可能であるし、朝早く起きれば睡眠不足で本末転倒になりかねない。
そんな夜型の私たちにもできるのが、寝る3時間前に夕飯、90分前にお風呂から上がることを徹底することだ。

私の場合、23時帰宅し夕飯、23時半から24時お風呂、25時半就寝、9時起床が理想のルーティンである。6時間の睡眠でも事足りているので8時起床にしているが、個人差があるためおすすめはしない。

そして何より大事なのが、夜にデジタルデバイスに触れないこと。
体内時計・ホルモン分泌・自律神経・体温コントロールこれらすべてが乱れ、人体メカニズムそのものを脅かすからだ。
これは、前章でも述べた脳疲労にもつながる。

夜にデジタルデバイスから離れるためには、お風呂から上がり寝るまでの時間を「キャンドルタイム」にすること。1日の終わり極上のハイライトにするのだ。
ストレッチやマッサージ、ジャーナリングや日記、読書をして寝るまでの時間を過ごす。
その名の通り、すべてのライトを消しキャンドルの灯りだけで行うと、より効果的である。



まとめ

食生活を整え、運動する習慣をつけて、いい睡眠をとって、無心になって遊ぶこと。

無添加オーガニックをメインに一汁一菜の食生活。
呼吸法を家事に取り入れて運動にし、スマホ時間を少しでも減らして脳疲労を軽減する。
寝るまでの時間の使い方を見直し、デジタルデバイスから離れキャンドルタイムを楽しんで寝る。

今回は、超ミニマル・ライフの3原則①体・脳・心の負担を最小化して「パフォーマンス」を最大化するについて。そして、そのための必要最小限の「ミニマル装備」について述べた。

次回は、③お金・仕事・人間関係の不安をなくして「幸福度」を最大化するについて。そして忘れてはいけないミニマル装備の「無心になって遊ぶ」についてまとめる。



おわりに

著書でかなり具体的にわかりやすく提案・紹介されていることのうち、ズボラでめんどくさがり三日坊主の私でも出来そうなことをピックアップし、私でも出来そうな方法に落とし込んでまとめてみました。
分厚いけどめちゃくちゃ有益な著書を、少しでも読むきっかけになるよう簡潔にまとめたはずが、気づけば5000字超えておりました(笑)
最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

著書をきっかけに、少しでも読者の方の人生が良くなりますように。





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