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ミニマリストと10着の服の話。

ミニマル、ミニマリスト、シンプル…
巷でよく見かけるようになった言葉たち。

私がこの言葉たちと出会ったのは、ある本がきっかけだった。
のちに私の人生を変えるバイブル書となる本である。


ある本との邂逅

それまでの私は服が好きで、気になったものはすぐクローゼットに追加していた。アパレル販売員として働いていたこともあり、クローゼットは100着以上の服が詰まっていた。
気に入った服は色違いで買い、トレンドの服も集めていた。
当時はそれで満たされていたし、パンパンのクローゼットを見てもむしろ好きなもので詰まっていて幸せに感じていた。
一方で、私は悩んでいた。


「お洒落とは何だろう?」


トレンドを着こなしているのがお洒落なのか
デザイン性のある服を着こなすのがお洒落なのか
シンプルにまとめるのがお洒落なのか
華やかなスタイルがお洒落なのか
清潔感のあるスタイルがお洒落なのか


当時自分なりにお洒落と思っていた着こなしが、上司にとってはダサいと思わせるものだった。
トレンドの服を買って着こなしていたつもりが、自分には合っていなかった。
こんな経験から、お洒落について深く考えるようになった。
そんな時に訪れたある本との邂逅。

ジェニファー・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない』

この本こそが、私の人生・価値観を一変させた。



10着しか服を持たないとは


「お洒落とは何か」

それは、人によって違う。
私が行き着いた、ありきたりで聞き飽きた答えだ。
お洒落だと感じる。
その背景には、人生の価値観と同じようにその人の経験や環境が深く関わっている。
では、私にとってのお洒落は何なのか。
考えこんでいた時に、本屋であの本のタイトルが目に入った。

「10着しか服を持たないなんてありえない!無理…」

最初はそう思ったが、ふと自分のクローゼットが頭によぎった。
そう、好きな服でパンパンになっているクローゼットが。


気づいた時には、本を手に帰宅していた。
100着以上ある服の詰まったクローゼットを前に、読み始める。

自分が本当に好きな服を着よう。自分によく似合って、自分がどういう人間かを表現してくれる服を。

ジェニファー・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない』

これこそ私の求めていた答えだった。
それまでは好きをとりあえず集めていただけ。
本当に好きか、自分に似合うのか、はたまた自分を表現するのか。
考えたこともなかった自分に愕然とした。
そして、お洒落についてだけでなく自分はどういう人間かなんて理解していなかったことに気づいた。
好きなものは?嫌いなものは?
そう聞かれて答えるのは容易だろう。
自分がどういう人間なのか。
はたしてこの問いに迷いなく答えられる人はどれくらいいるだろうか。


この日を境に、私は私の本当に好きと感じるものが何か考え始めた。
大量にある服のうち、私が本当に好きな服だけを選ぶ作業。
進めるうちに本当に好きで絶対に手放したくないと思う服の少なさに驚いた。作業時間は3時間ほどだったが、40着ほどを手放すことができたのだ。
毛玉ができているが手入れをしてまで着ようと思わない服、サイズが合っていないのを無理やり詰めてきていた服、色違いがあり着る回数の少ない服…
手放すと決めた服の山を見て、自分と向き合えたことの達成感を感じることができた。
その後も服と向き合い続け、2025年現在はオールシーズンで32着になるまで手放すことができた。



ミニマリストに目覚める

この成功体験は、私を病みつきにさせた。
服だけでなく、身の回りすべてを本当に好きなものだけにしたくなったのだ。
ここから、私のミニマルライフが始まることとなる…




おわりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
これから私のミニマリストなるまでの失敗やよかったことを私なりに書いていきます。

次回は、ミニマリストになるのは簡単ではなかった…です。
お楽しみに…


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