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検索クエリとマイクロモーメント

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
今週は、「消費者が検索するとき、どんな意図を持っているか」という点にフォーカスした記事にしてみようと思います。
現代の消費者は、購入決定を下す前にインターネットやSNSで情報を検索します。この記事では、消費者の検索クエリの分類とそれぞれの検索意図、およびGoogleが提唱するマイクロモーメントに焦点を当て、ウェブマーケティング戦略にどのように活用できるのかを考えてみたいと思います。


クエリの分類

検索クエリとは、検索エンジンなどでユーザーが検索する際に入力するキーワードのことです。これらは、大きく3つのカテゴリーに分類されます。ここでは、各カテゴリの概要と事例とともに、どのようにマーケティングに応用できるのかをみてみましょう。

1. トランザクショナリ(Transactional)

  • 概要:トランザクショナリクエリは、製品やサービスの購入、オンラインでの予約など、具体的な行動を伴う検索です。

  • 事例:「スマートフォン 最安値」と検索された場合、キーワードに対応する製品ページや特別オファーが表示される。

  • マーケティング活用:製品やサービスを直接的に宣伝する広告やランディングページの最適化によって、顕在客を取りこぼさないような施策が求められます。

2. ナビゲーショナル(Navigational)

  • 概要:特定のウェブサイトやページに直接アクセスするための検索です。

  • 事例:「ウェブ解析士協会」の検索では、直接ウェブ解析士協会の公式サイトトップページへのリンクが表示される。

  • マーケティング活用:ブランド名やウェブサイトに関連するSEO対策が求められます。何かしらの目的があって該当するサイトを探しているので、共起語やサジェストワードなどを調べて目的に対する解決策を示せると良いですね。

3. インフォメーショナル(Informational)

  • 概要:情報収集や質問への回答を目的とする検索です。

  • 事例:「ChatGPT 使い方」の検索では、ChatGPTの使い方や活用方法に関するブログ記事やサポートサイトが表示される。

  • マーケティング活用:教育的なコンテンツ、ブログ記事、ビデオ、FAQセクションの提供することで、ユーザーが必要とする情報を提供していきます。

Googleのマイクロモーメントとマーケティングへの応用

「マイクロモーメント」とは、2015年にGoogleが提唱した、ユーザーが「何かをしたい」と思い、スマートフォンで情報を検索したり、購入したりという行動を起こす短い瞬間のことを指します。マイクロモーメントを理解することで、それをウェブマーケティング施策に活用することができます。

1. 「知りたい」瞬間

  • 概要:消費者が特定の情報や知識を求める瞬間。上記のインフォメーシャルクエリに該当するものです。

  • 事例:「最新のデジタルマーケティングトレンドは何か」という検索では、業界の専門記事や分析レポートが提示される。

  • マーケティング活用:教育的なコンテンツや詳細な情報を提供。

2. 「行きたい」瞬間

  • 概要:特定の場所に関する情報を検索する瞬間。上記のトランザクショナルクエリに該当するものです。

  • 事例:「〇〇駅 カフェ」の検索では、地図上の位置情報や店舗情報が表示される。

  • マーケティング活用:Googleマイビジネスのページを充実させるなど、MEO+ローカルSEO対策が必要です。

3. 「やりたい」瞬間

  • 概要:何かをする方法を検索する瞬間。こちらもトランザクショナルクエリに該当します。

  • 事例:「自宅でのエクササイズ方法」の検索では、フィットネス関連の動画やブログ記事が提示される。

  • マーケティング活用:ハウツーガイドやチュートリアルビデオを提供することで、集客を図ります。

4. 「買いたい」瞬間

  • 概要:購入に至る直前の検索。こちらもトランザクショナルクエリですね。

  • 事例:「スマートフォン比較レビュー」の検索では、異なる機種の比較やユーザーレビューが提供される。

  • マーケティング活用:製品比較ガイド、ユーザーレビュー、特別プロモーションなどを提供し、ユーザーの背中を押してあげる施策が効果的です。

SNSでの活用:検索行動の理解をコンテンツ戦略に転換

現代では「タグる」という言葉がある通り、検索行動は検索エンジンだけでなくSNS上でも行われます。ということは、検索クエリの分類とその背景にあるユーザーの意図を理解することは、SNS上での行動パターンを予測し、より効果的なコンテンツを立案するためにも役立つような気がします。SNSでは、ユーザーの反応やエンゲージメントを直接観察できるため、仮説検証が容易になるというメリットがあります。なので、SEO対策などに逆輸入することもできそうですよね。

検索行動の行動分類とSNS上の応用

  • トランザクショナリクエリ:製品やサービスに直接関連するコンテンツやプロモーションをSNSで展開。フォロワーが購入に至るきっかけを提供します。

  • ナビゲーショナルクエリ:ブランドや特定のウェブコンテンツへの直接リンクを提供。SNS上でブランド認知を高め、ウェブサイトへのトラフィックを増加させます。

  • インフォメーショナルクエリ:教育的なコンテンツ、ハウツーガイド、業界ニュースなどをSNSで共有。フォロワーの知識欲を満たし、ブランドの権威性を築きます。

マイクロモーメントとSNS上の応用

マイクロモーメントも同様に、SNS活用することができそうです。例えば下記のような感じです。

  • 「知りたい」瞬間:教育的なコンテンツ、業界のインサイト、ハウツーガイドをSNSで共有し、知識欲を満たす。

  • 「行きたい」瞬間:地元のイベントや店舗のプロモーションを行い、ローカルコミュニティとのつながりを強化。

  • 「やりたい」瞬間:DIYプロジェクトやレシピのような実践的なアイデアを共有し、ユーザーの「やりたい」ニーズに応える。

  • 「買いたい」瞬間:新製品の発表、セール情報、限定オファーをSNSで促進し、購入意欲を刺激。

まとめ

以上、クエリの分類とマーケティングへの応用について解説しました。検索クエリの分類がマーケティング戦略にどのように役立つのか、SNS上でも検索行動が行われることを踏まえ、それぞれのクエリに合わせたSNS活用のポイントも解説しました。大事なことは、分類方法ではなく、その背景にあるユーザーの意図です。それを把握することができれば、ユーザーが欲しい情報を、欲しい時に届けることができ、結果として事業に貢献してくれます。
ウェブ解析もそうですが、データを見ているとどうしても思考が無機質になってしまいますが、データの向こうにいる生きているユーザーを意識したいですね。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
正直、「中の人」はあまりSEOとかに強いわけではないのですが、今回ご紹介したようにウェブサイトの設計段階で、ターゲットがどんな情報を望んでいるのかだったり、SNSに投稿するコンテンツ案の作成時に何を訴求するのかを検討する際に、今回ご紹介したマイクロモーメントやクエリの分類を活用しています。
分類するのが目的ではなくて、その先の事業貢献のためにどう活用するかっていうのは、どんなフレームワークであっても忘れずにいたいですね。
それでは、また来週お会いしましょう。

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