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ウェブ解析における生成AIの活用

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
先日、2024年版の公式テキストが更新されましたね。新たに付録として「マーケティングにおけるChatGPTの活用」に関することが加えられました。
「中の人」も何かとお世話になっている生成AI。これを機に学び直してみようと思います。この記事では、新たに追加された内容をふわっとまとめるものになりますので、興味がある方は『ウェブ解析士認定試験公式テキスト2024 [第15版](増補版)』を読んでみてください!


生成AIの特徴

仕組み

生成AIは大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)という技術を使用しています。特定の日時までのインターネット上の膨大なデータを学習して、それを元にテキストなどを生成していきます。

苦手なこと

万能に見える生成AIですが、ある特定の日時までのテキストデータを元に判断するという仕組み上、苦手なことが存在します。

・最新のデータに基づく回答
ある特定の日時までのデータを共にするので、学習したデータにないものの回答はできません。
・複雑な論理的思考
文脈の深い理解や、複数の要素が絡み合う複雑な判断などは難しいようです。
・複雑な計算
高度な数学計算やデータ分析には限界があるそうです。

注意点

生成AIでは、ユーザーが入力したデータを学習に用いるのだそうです。ですので、業務で扱う際には機密情報の取り扱いに注意が必要です。機密情報を入力してしまい、情報漏洩してしまった事例などもあるそうです。ツールによってはオプトアウト機能(入力内容を学習に用いないようにする機能)があるのでチェックしておきましょう。
また、生成AIは「もっともらしいことを」を回答するように訓練されています。実在しない内容や、事実と異なる回答を「それらしく」出してくることもあるので、生成された情報の正確性を検証する必要があります。

ビジネス解析で生成AIを使う

生成AIを活用して、3C分析やSWOT分析のようなフレームワークを使って環境分析を行うことができます。
プロンプト(指示文)としては「あなたはプロのマーケターです。【対象事業】に対して、【フレームワーク(3Cなど)】分析を行い、戦略を提案することになりました。売上を増やすための施策を提案してください。」といった具合になります。
注意したいのは、先に述べたように生成AIが「複雑な論理的思考」を苦手としていることです。マーケティング戦略を考えるのには複雑な論理的思考を必要とするため、生成AIだけで優れた戦略を導くことは難しいです。
瞬時にまとまったアウトプットが出てくるので、それを叩き台として鍛えていくと良さそうですね。

生成AIを使ってSEOコンテンツを作る

コンテンツ作成補助に限った話ではないのですが、生成AIの解答の精度が低い場合、プロンプト(指示)が抽象的で曖昧なことが多いです。
SEOコンテンツ(記事)の作成に生成AIを活用する場合は「ターゲットキーワード」「ターゲットニーズ」「文章構成」について具体的にプロンプトに埋め込むのが効果的です。
さらに、生成された記事をより良いものにするために、「事例を交えて作り直してください」や「中学生でも理解できるよう専門用語を避けて」といった具体的な指示を用いて改善していくことができます。

解析設計で生成AIを使う

私たちウェブ解析士の重要な業務のひとつに、ウェブサイトの解析設計がありますよね。Googleアナリティクスの設定などがそれに当たりますね。なんと、GAの設定にも生成AIが活用できます。
例えば、キーイベント(目標)の最適な設定方法を尋ね目標を定めたり、掲げた目標を測定するための条件やディメンション・メトリクスを洗い出すことができます。
そのほかにも、GTM(Google Tag Manager)を活用したカスタムイベントの設定方法なども尋ねることができるそうです。

レポーティングで生成AIを使う

生成AIではデータの分析も行うことができます。最近の生成AI はテキストだけでなく画像やグラフなども読み込んで理解し、運用者が気づかない点などを指摘したり分析してくれます。
ただし、生成AIが出した分析結果が必ずしも正しいとは限りません。一部の計算が間違っていたり、不足しているデータを補うために誤った分析結果を出力したりするので、検算などの検証が必要になってきます。

まとめ

ということで、環境分析から解析設計・レポーティングまで、ウェブ解析士講座で習う一連の業務を生成AIで補助することができるんですね。より効率よく活用していくには、生成AIの特徴や得意領域・苦手領域を理解していくことですね。
ウェブ解析士協会主催のFlashセミナーや、会員部の各支部主催のフォローアップセミナーなどでも生成AIをテーマにしたセミナーが増えてきているようです。「AI解析士養成講座」という新しいエキスパート講座も開講されるようです。(中の人は予定があって参加できないのが悔しいです…)
WACAからの今後の発信もお見逃しなく〜。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
今週は内容が薄くなってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです…
実は、今週は体調を崩しておりました。そのため、インプットの時間も記事作成の時間も思うように取れず、テキスト増補版のダイジェストをお送りするのみになってしまっています。(言い訳です…)
……またお会いしましょう。


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