再放送決定!!!「圡楽さんの日日」
あな、うれしや。
明後日の月曜日、圡楽窯に密着した中江裕司監督のドキュメンタリーが再放送されます。
私の家にはテレビもなく、映画館にも一年で片手もいかない、ネットフリックスもアマゾンプライムも契約してない、映像音痴ですが、去年感動した芸術作品を三つ選べと言えば、間違いなくこのドキュメンタリーが入ります。
(ネットで検索しても、どこにも感想がなく、そのうちnoteに自分で詳しく書いたれ、と思ってました。でも再放送が決まったという事は根強いリクエストがあったという事でしょう。再放送が終わったら、各人物評と共に感想を書いてみたいです。)
ただし、この映像作品は焼き物好きに向けた、窯元の密着プロモーションビデオではありません。
たまたま歴史ある窯元で生まれ育った一族、というか、共同体の話です。
そしてできれば録画がオススメです。
一度の視聴だと、攻めすぎな編集のせいで、やや説明不足になりがちで、モヤモヤされるかもしれません。
きっとNHKのプロパーのディレクターが同じ編集をしたら、オンエアされなかったと思います。「もっと視聴者目線に立て」としかられて。外部の監督だからこそできた、奇跡的な映像作品です。
お話は現当主の福森雅武さんがいきなり入院する所から始まります。
しかも密着開始直前に、四姉妹の長女で、次期当主を病気で亡くし、お葬式が終わったばかりである事が知らされます。
中江監督は、その重苦しい空気の現場にそっと、しかし容赦なくカメラを向けます。
順番ではなく、突然家族を失うという事、子の葬式を出すという、両親の臓腑を抉るような悲しみ、残された三姉妹の喪失感、、、。
誰一人涙を流さないないのに、監督はフィルムメーカーとしての最大限の誠実さを持って(BGMやナレーションに頼らず)1人の死が残された家族にどんな意味をもたらすのかを、あくまで声低く、映像で語ります。
特にお盆の送り火のシーンは、胸が詰まる。
北の大地では今もその悲しみがあふれ、あるいは家族を失う不安に苛まされてる、数多くの人々がいます。
水道も電気も止まり、明日がどうなるのか、誰にも分からない。やがて明らかになる無数の死者の背後には、同じように語り尽くしようもない物語が、その数だけあるでしょう。
今のところ砲弾の飛んでこない日本に生きれているという有り難さや、同じだけの無力感をしみじみと味わうためにも、この穏やかで、力強い映像作品をご覧になっては、いかがでしょうか?
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