観るまでシネマ撰 刑事ジョンブック目撃者 Wittness 2 佗助 2021年10月16日 03:01 ハリソン・フォード主演のサスペンス映画…だけど、監督が曲者ピーター・ウィアーなので、単純な刑事物ではない。www 確か、オーストラリアから拠点をアメリカへ本格的に移したウィアー監督の実質的なハリウッド・デビュー作と当時、謳われていたような気がする…。(うろ憶え) この映画をキッカケに日本ではあまり知られていなかった”宗教的な理由から前近代的な質素な生活を送る”ドイツ系のアメリカ移民の"アーミッシュ"が一躍注目を浴びた…。 そして、注目を浴びることを良しとしない禁欲的なアーミッシュたちは、この映画をあまり好意的には思っていないそうな。 ( ̄▽ ̄;) 別に排他的な宗教生活者なのではなく、単に自分たちは自分たちでやるから、どうか、そっとしておいて欲しいと云う考え方なんだそうな。 ただ、アーミッシュは闇雲に前近代的な生活を盲信している訳ではなく、単に自分たちの信仰に不必要なモノ(電気や自動車など)から距離を置いているだけに過ぎない。 とは云え、宗教的なコミューンで、牧畜や農業などで生計を立てながら、自給自足生活を送る彼らは、自らのことを語るのも良しとしないため、実際の生活様式もコミューン外の人間(非アーミッシュのアメリカ人を彼らは”イングリッシュ”と呼ぶ)にも良く判っていないのが実情らしい。 ま、そうした事実は置いといても、この映画はとても素晴らしい。 ( • ̀ω•́ )✧ モーリス・ジャールによる美しい旋律に乗せて、牧歌的なアーミッシュの集落にそよぐ風を見事に捉えた映像美など、ただただ眺めているだけでも心が穏やかになる…。 それ故に、この映画が実は殺人事件をテーマとした刑事モノだとつい忘れてしまいそうになってしまう程…。 ま、ピーター・ウィアーだからな。 (* ̄∇ ̄)ノ 疑うなら彼の近作(でもないか)”マスター・アンド・コマンダー”を観たまえ。 ナポレオン時代の英仏海軍による本格的帆船バトル映画のフリをして、その実、ガラパゴス諸島での当時の博物学的調査エピソードに一体、何分もの時間を割いているのやら…。(笑) とは云え、ウィアー監督が非凡なのは、そう云った一見、本筋から外れているように見える描写が実は大きな伏線だったりするからで。 つまり、この映画もそんな映画なのである。 d( ̄  ̄) その映像美、音楽の素晴らしさを実感するためにも”リマスター版”が望まれる作品のひとつと云えよう。 ( • ̀ω•́ )✧ 余談 僕はこの映画で夫を亡くしたヒロインの支えになろうとするダニエル役のアレクサンドル・ゴドゥノフを知った。 彼はボリショイバレエ団のスターだったが、1979年にアメリカへ亡命。 その後、アメリカでもバレエダンサーとして活躍後、諸般の事情で映画俳優に転向し、いくつかの映画に出演している。 ただ、ロシア人役へキャスティングされることを嫌い、多くのオファーも断っている…。 多分、日本でもっとも知られている役は"ダイ・ハード"(1作目)の”イかれたテロリストのひとり”だろうか。 顔を見れば、すぐ判るですよ。 眼が怖いから。www でも、本作ではありがちなハリソン・フォードの恋仇役などと云う陳腐な役ではなく、何処までも善良で敬虔なアーミッシュの青年役を好演している。 やっぱり眼は怖いけどな。 ( ̄▽ ̄;) 特にラストシーンでの彼が主人公へ贈る無垢な友情の挨拶など実に自然体の仕草で、まさに本作を締めくくるにふさわしい名場面だと…個人的には思っている。 (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 惜しむらくは1995年に45歳で他界してしまったことだ。(泣) さらなる余談 悪役のひとりとして、若き日のダニー・グローヴァーも出演している。 まぁ、今の面影がないこともないが、まだ痩身で精悍な感じなので、云われないと気がつかない人も多いかも…かも。www #映画 #エッセー #ハリソン・フォード #アーミッシュ #ピーター・ウィアー #モーリス・ジャール #刑事ジョンブック #ダニー・グローヴァー #アレクサンダー・ゴドゥノフ 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート