消えなかった無力感と小さな怒り
気づいたら、2ヶ月以上もnoteを放置してしまった。
実は、前回の記事の続きを書こうとした時、とあるニュースが目に飛び込んできた。
それはーーーー
ある番組で「脱ステロイド療法」が取り上げられたそうだが、放送直後から医療従事者からの批判が殺到し、放送したテレビ局に対し皮膚科学会などが猛抗議をした、と言うニュースだった。
私は普段からテレビを見ないので、この番組も見てなかった。
どんな内容だったんだろう?と再放送枠を調べたが、どのサイトも既に見られない状態になっていた。
しかし、
再放送枠を探している途中で出くわした、沢山の、その番組に対する容赦ない非難を読んだり見たりしていたら、なんとなくだけど内容が見えた。
そして、そのあまりの叩かれようにショックを受けたし、驚きもした。
「脱ステ」はここまで叩かれるものなのかと。
正直言えば、それもあって(noteを書く)テンションが落ちた。
別に「叩かれたくないから」じゃない。
こんな弱小noteで、私と言う「いち個人」が「脱ステ」について書いたって、なんの影響もないことは分かりきってることだ。
テンションが落ちたのは、
この番組を通して「標準治療が絶対的に正しく、それ以外をやるのはアタマがオカシイ」と言った意見が専門家も含めアチコチで(しかも膨大な数)勃発したことだ。
それはまるで、
アトピーの人に治療の選択肢なんかありません。
薬とうまく付き合うことしか方法はないです。
と、大勢の人に公に宣言されたようなものだった。
少なからず、私はそう感じた。
しかしそもそもアトピーを主とする皮膚疾患治療に「セカンドオピニオン」はない。
少なくとも私は聞いたことがない。
なぜなら標準治療(ステロイドを含めた薬物治療)を当たり前とする医師が圧倒的多数だから。
ステロイドで辛い思いをして、やめたいと思っても、標準治療以外を提案してくれる病院やクリニックを探す方が今度は大変になる。
結局、どこに行ってもステロイドが処方される、と言うことがほとんどだと思う。
私はステロイド否定者ではない
誤解は面倒なので先に言っておくと、私は「ステロイド」と言う薬を否定するつもりは一切ない。
ステロイドは大事な薬だと思う。
仲が良かった友達の喘息発作を救ってくれたのはステロイドだったし、私自身、右肘の痛みが激しく、仕事はもちろん、普段の生活もままならなくなったことがあった時、治してくれたのは「ステロイド注射」だった。
そういう点からもステロイドは、命を助けたり、痛みなどの苦痛を緩和してくれる「大切な薬」だと思う。
問題は
「標準治療だから」と、アトピー含めた皮膚疾患に、安易にステロイドを処方する(処方し続ける)ことだと強く思っている。
標準治療を推奨する医師のほとんどが
「ステロイドは、正しく使えば怖くない薬」と言う。
だけどそれは、逆をといて見れば「正しく使わなければ怖い薬ですよ」と言っていることにはならないのだろうか。
そしてその、
正しく使わないといけない薬の使い方、
または使用することで起こりうるリスク
などを、きちんと丁寧に教えている医者はどれくらいいるのだろうか?
ちなみに私は今までそんな医師には会ったことがない。
↓の記事にも書いたように、次男の背中の湿疹を見て「とりあえず出しときます」と処方されたのはやはり「ステロイド」だった。
このステロイドは「ネリゾナ軟膏」と言って強さで言えば、
上から2番目(ランクは5段階ある)の「Very Strong」だ。
「正しく使わなければ」いけない薬のはずなのに、5段階の中で2番目に強い薬を「とりあえず出しときます」で処方するってどうなんだろう?
そしてこれは、割とどこの病院でも普通に起きてる出来事だったりすると思う。
この番組に抗議をした学会(達)は、脱ステを否定する前に、
ステロイドの正しい使い方
使用することによって起こりうるリスク
治療のスケジュール
の説明を「きちんと丁寧に患者に行うこと」を、全国の医師に徹底するのが先なのではないだろうか。
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2ヶ月noteを放置した。
この問題に対して感じる無力や小さな怒りは、結局2ヶ月経っても私から消えなかった。
たしかに標準治療以外の民間療法には本当にクソみたいなのも多く、金額だけべらぼうに高くて効果は「?」なものがあるから、学会が警鐘を鳴らすのもわからなくはない。
だけど、ではなぜそのクソみたいな民間療法でもやろうとする人がいるのか?
本当はそこも含めて考えないといけないのではないだろうか。
そして、そもそも病気(疾患)は、患者が納得のいく治療法を選択することができること、がベストなはずではないのか?
標準治療一択では、それは叶えられないのではないかと強く思う。