眠りにつく前にきっと何度も思い出すことになるだろうと思う ー.ENDLICHERI. Ballad of FUNK 2023/10/11 東京ガーデンシアター
.今年のENDLICHERI.のライブは2部構成。やっと秋が深まってきた10月は先月までのジャンピングでノリノリのFUNKライブとは打って変わって、しっとりとしたバラードライブが開催された。
FUNKライブは関西中心の公演だったのだが、バラードライブは東京5公演 奈良3公演という日程だった。私が参加したのは収容人数が最大8,000人のキャパの東京ガーデンシアター。今回の収容人数は6,000人くらい(私の体感)
といった感じだった。
日程
https://tsuyoshi.in/live/バラードlive「-endrecheri-ballad-of-funk」/
最新デジタルアルバムを発売するときにこのバラードライブについて話している剛くんのインタビューはこちら
https://www.oricon.co.jp/news/2290247/full/
(この文章は、私の個人的な感想です。別の記事にも書いたことがあるのだけれど、熱心な堂本剛さんのファンと私の考えは合わないことも多いので、この文章を読んでイライラさせるかもしれない。ネットの奥底に眠っているこの文章をわざわざ読んでいるのは、個人の判断だと思うのでお許しください。嫌な予感がする方はここで読むのをやめてくれると嬉しい)
耳を患ってから歌いにくくなってしまったバラード楽曲にあえて挑戦するライブ。私は、音楽、楽曲の素晴らしに歌の上手さは必要十分条件ではないと思っているので、剛くんが歌いたいと思っているのであれば、荒削りでも歪でも歌って欲しいと思ってしまうのだけれど、プロのアーティストとして、客前に出せるクオリティかどうかという部分にこだわりを持つのも大切。今回は、その壁に挑戦するというライブなんだろうな発表された時に思っていた。
一応、私とバラードの関係性ついても書いておく。
日本人の心に響く、泣けるラブバラードは、個人的にはあまり好きではない。それなら演歌やムード歌謡のほうが好きなくらいだ。ソウルフルなR&Bのかっこいいメロディラインのバラードやゴズペル、ドゥーワップ、ジャズバラードなら好き。ここで例をあげるとしたら、Princeの「Under the Cherry Moon」やアイズレーブラザーズの「Footsteps in the Dark pts. 1&2」のような感じが理想。バラードで泣けるというのもよくわからない。ギターの鳴きが響いて美しくキレイなのはわかるけど、素敵な楽曲であれば、ハードロックであろうとソフトロックであろうと心は動かされる。バラードだから泣く、楽曲に自分の人生と重ね合わせるて泣くという感覚があまりない。そんな私が書くバラードライブの感想です。
今回のライブはBallad of FUNKと銘打っていて、また8月にリリースされたアルバム「Super Funk Market」のバラードサイドのアレンジと歌声が私の大好きなこの雰囲気を醸し出していたので、その部分では楽しみだった。でも、アーティストとファンが泣く空間が少し苦手なのでこのライブに参加するかはちょっと悩んだ。音楽は本当に空気を作ってしまって、皆が同じ感情に飲まれしまう。そこに飲まれるのが個人的に苦手なのだ。
勝手な思いつきを書くと、このライブの発表があった時に少し思い出したのが、昨年発売された KinKi Kidsデビュー25周年記念本「Roots of KinKi Kids Dialogue BOOK 2022」(青い表紙の本)で山下達郎さんとKinKiふたりが対談していた時に、達郎さんが剛くんに寄せたメッセージ「剛くんはファンクが好きならそれを続けていけばいいとも思うんですけど、せっかく歌を歌うなら、キレイなメロディーのR&Bバラードとかも歌ってほしいですね」だった。その事も少しは頭にあっての今回のバラードに挑戦するライブなのかもしれないと考えていた。もしそうであるならば、やっぱり参加して曲を聴きたいと思っていた。
セットリスト
1 LOVE VS. LOVE
2 Everybody say love
3 シンジルとウラギル
4 愛詩雨
5 赤い鼓動のHeart
6 瞬き
7 勃
8 愛のない 愛もない いまが嫌い
9 Rain of Rainbow
10 I, Knew Me
11 Eye brow / BLUE
12 202021
13 I've found my voice
14 ピアノを弾き語りながらのセッション曲?
15 街
今回も、公式がSpotifyにプレイリストを作成してくれているので埋め込み
今回のバンドセットは、いまや.ENDLICHERI.の楽曲に欠かせない存在のGakushiさんのピアノとキーボード、剛くんのナイロン・ギター(ガットギター)とGULIDの12弦ギター(これは、KinKiの25周年のお祝いの時にTHE ALFEEの坂崎幸之助さんから頂いたものだと、TV LIFE 2023/11/10号で菊池プロデューサーが書いていた)と剛くん用のキーボード(88鍵ではなく61鍵?)
複雑な気持ちをもちつつ参加を決めて申し込んだこのライブ、私のfunk loveの名義はやってくれました。当てました。なんと、最前列中央若干上手の席でこのバラードライブを堪能することになりました。ありがとうFUNKの神様(ってもしかしてJB?)
曲の感想は、必死で覚えているものだけなので、うろ覚えです。ライブからの帰宅途中に書いたメモをみな上がらの文章なので本当にうろ覚えです
最近は、他の方のライブレポートも読まないので自分の印象に残っているものだけ書いています(自分用のメモ)。MCの内容もうろ覚えの順不同です。
1 LOVE VS. LOVE
Gakushiさんの奏でる美しいピアノのイントロと剛くんのフェイクから始まった。オープニングの楽曲はかなり原曲より緩やかな始まり。落ちサビ部分に追加された日本語の部分「大粒の涙が……」のメロディラインがリフレインのように繰り返されるアレンジだった。凛と澄んだ歌声で、私の待ち望んていたかっこいいR&Bのバラードそのものだった。
3 シンジルとウラギル
Gakushiさんの弾くエレピアノが美しい。剛くんの歌う「死 魅そう」と「あたし」はやはりとても切ない。私は、一人称として「あたし」を使ったことのない人間なのだが「あたし」は「私」より生々しく生きている感じが強いなと考えていた。
4 愛詩雨
まさか、2009年の剛紫名義の「美我空 - ビガク ~my beautiful sky」に収録されていて私の中でちょっとかわいいフォーキーな楽曲だと思っていた「愛詩雨」が2023年に歌われると思っていなかったので、とてもびっくりした。剛くんの奏でるナイロン・ギターのアルペジオの音がとてもロマンティックで、淋しくて、すこしスパニッシュ。若い頃に作ったこの曲を44歳になった剛くんが歌うことでさらに強さと優しさが増したように思った。
この曲の後、パソコンで聴きながらセットリストを選ぶ際に、自分が今歌いたい曲として選んだ、なんとも言えない物悲しさの曲と話していた。また、Gakushiさんもナイロンギターを弾く剛くんをはじめてみたと語っていた。
7 勃
8 愛のない 愛もない いまが嫌い
9 Rain of Rainbow
「自分を例えるなら何ですか?」と昔尋ねられた時、「湖の湖面みたいなもの」と答えたことがある。雨が降れば波紋ができて、寒くなれば凍るけれど、自分は自分のまま。それと同じ様に、ここで歌う3曲については、背景(アレンジ)を変えた曲を聴いてもらって、また違う楽曲の良さを知ってほしいみたいなことを話していた。
「勃」のバラードアレンジは、元の怪しげで少し蠱惑的な雰囲気は消え、とても素直に強く生きていく歌に「愛のない 愛もない いまが嫌い」は、Gakushiさんのピアノの音と聴くと今回のライブのあちこちで感じることなるのだが、祈りを捧げるゴスペルのような楽曲に感じた。
「Rain of Rainbow」Gakushiさんの鳴らすコーラス音とエレピアノの音がとてもメロウで、剛くんの弾くクラシックギターの音はさらに切なさを増していく。そして、サビ前のラップの部分が背景の音と重なり、面白い相乗効果を生んでいた。やっぱり12弦はギターがかっこいい。こんな至近距離で12弦ギターでアルペジオを弾きながら歌う剛くんがみられる日が来るとは思わなかった。
平安神宮で奉納演奏する時に、元々ダンスミュージックだったものをこの感じにGakushiさんにアレンジしてもらった。このアレンジにすることでよりこの曲の平和を祈るメッセージがストレートに伝わる気がすると話していた。
MISIAさんのイベント(2023/10/7-8 MISIA PEACEFUL PARK Dialogue for Inclusion 2023)で奉納させてもらった東大寺は、B♭の音がお堂の中で響く。この音でお経を読むとすごく響く。MISIAさんもある音を歌うと3人に増える(倍音が聴こえる)と言っていたと話していた。神社やお寺でのディレイ効果の話をしていた。
このあたりの話は、ゴスペラーズがあちこちの建物や場所でアカペラを歌って残響音を楽しむ不定期でNHKで放送している番組「日本エコー遺産紀行」を思い出した。折角、最前列でライブをみているのに曲を聴いていると色々なことに思いを寄せてしまうのは悪い癖かもしれない。(じっと観察していればよいのに)
10 I, Knew Me
シンプルな楽曲って、説明した後にGakushiさんのキーボードのイントロから始まったこの楽曲。剛くんは、Aメロを出トチリをした。Gakushiさんに「眠かった?」と聞かれて「自分の声は、α波が出ているらしく、この曲は戦い。でも、少し力みます」といってやり直して歌っていたのも、このほんわかとした空間にマッチしていてとても良かった。
11 Eye brow / BLUE
2021/4/10に始まった剛くんのInstagram、そこで毎日公開されていた眉毛の写真。一ヶ月のまとめリールで歌う鼻歌は、一番はじめに聴いた時は吹き出しそうになったのを覚えてる。その鼻歌から生まれた楽曲がこの曲。この曲を歌う前に、剛くんが眉毛の写真を撮る時は結構大変だった。仕事と仕事の間に撮ることも多くて、気心がしれてないスタッフと一緒の時は、撮るのが恥ずかしいし、忙しい合間に撮る時はマネージャーに「ここで眉毛いけます」って眉毛の管理をされていたと話していたのはとても面白くかなりうけていた。
歌ってくれた楽曲は、生で聴くとより校歌ぽいピアノ伴奏が際立って、なんだかとても心地良く剛くんの歌も素直で伸びやかだった。
12 202021
この曲を歌う剛くんの歌声は、いつもビオラのような優しい中音の倍音を感じる。伸びやかな響きは本当に人の幸せに祈りを捧げる歌なので空気が凛とする。
13 I've found my voice
2016年に発売されたミニアルバム「Grateful Rebirth」に収録されているこの曲もここで歌ってくれると思ってなかったので、新鮮な一曲だった。元の楽曲は、ちょっと爽やかなピアノとギターの音色が印象的な三拍子のリズムのミディアム・バラード。今回のライブでは、ピアノの音は爽やかというより切なめな音色に聴こえて、原曲より剛くんが歌い上げていているように感じた。202021の後だからかもしれないが「あたしが決めた 未来」が幸福であれと祈りをささげるゴスペルのような世界を感じた。
14 ピアノを弾き語りながらのセッション曲?
剛くんが上手のキーボートに座って歌い出した曲。私が大好きなキンとしたベルの音を感じる音のするエレピアノの音色。「I WANT YOU LOVE」と繰り返し歌っていた記憶(うろ覚え)。Gakushiさんの弾くピアノと剛くんの弾くエレピアノの掛け合いが美しい愛の唄だった。
15 街
街を歌う前に、色々と話してくれた剛くん。支えてくれる仲間とファンに感謝の気持ちを語っていた。歌っている途中で泣いてしまうかもしれないと事前に言っていた。泣いてしまったら、涙から色々感じとってもらったら幸せです と
歌い出すと、今年の平安神宮奉納演奏で聴いた時より力強い澄んだ歌声だった。実際、最後の数小節で声が詰まってしまったのだけれど、ネットの感想を少しみたのだけど、号泣したように捉えられるくらい剛くんが泣いた、泣いた、そしてファンの自分も泣いたのオンパレードだったのには、私は少し淋しく感じた。とても、温かい空間でのほんの一瞬の出来事だったのに、そこをだけをクローズアップをするの、ちょっと悲しかった。事前に「僕の涙から色々感じ取ってもらえたら」と言っていたので。
剛くんの人生にとってとても大事な一曲を、今の素直な感情を乗せて、歌ってくれたのがとても嬉しかった。
Gakushiさんと剛くんの作り出したかっこ良い楽曲と剛くんのチャレンジを見守る温かな空間が心地良かった。優しくて緩やかな参加できてとても幸せなライブだった。
これからの生活で色々あった時、眠りにつく前にきっと何度も思い出すことになるだろうと思うライブだと思っている。ど派手で楽しい.ENDLICHERI.のファンクなライブが大好きだけれど、たまにはこのような空間でしっとり歌うライブもまた開催して欲しい。剛くんが自分を生きてこれてよかったなとしみじみ思った。
また、何度も書いているけど今の.ENDLICHERI.にとってGakushiさんは本当に素敵な音楽仲間だとさらに感じたので、これからもかっこいいグルーヴィーな音楽を.ENDLICHERI.のバンドで奏でて欲しいと思った。
【おまけ】
その他に覚えているMC
今までのライブでは体感できない音楽の空間を提供したい。身体の影響があって歌いづらいうたになってしまったバラードをポジティブな経験としてやっていきたい。選曲してトークを混じえながら聴いてもらいたい。
シンガー・ソングライターを始めた頃は、J-POPを求められてそういう楽曲を作ってきたがENDLICHERI☆ENDLICHERIというプロジェクトを立ち上げて、自分が真ん中に一人ではなくファンクミュージックをやっていれば、みんなでワチャワチャできるかなと思ってファンクをはじめた。(この話を聞いて、.ENDLICHERI.は堂本剛ソロプロジェクトというよりは、ファンクバンドであると感じていた私の考えは間違ってなかったと思えてとても嬉しかった)
今日は花粉にやられている。ブタクサの花粉にやられている。でも、自分の花粉症は人より遅れてやってくる
Gakushiくんとは音楽のセンスもスイーツの趣味も合うので、新しい何かを発見すると「これGakushiくん好きだろうな」と買ってお互いに交換したりするという話を話す剛くんはお菓子大好きな小学生男子のようでかわいかった。
本当にGakushiさんに語るほんわかした話はとても心地の良い空間だった。