2018年3月14日に厚生労働省が公表した「就労継続支援A型事業所」の調査結果によると、実態を把握できた3,036事業所の71%にあたる2,157事業所が、経営不振のため経営改善計画書の提出が必要とされた。また、この2,157事業所の約半数(49.7%)を設立5年未満の営利法人が占め、資金調達力や社内体制が未整備な新規事業者の多い実態が浮かび上がった。
就労継続支援A型事業所は、2017年4月に指定基準が改正された。事業収入から生産活動に必要な費用を控除した額が利用者の総賃金以上にならない場合は、経営改善計画書を都道府県などの指定権者に提出する必要がある。こうした支給要件の厳格化で、障害者の賃金を事業収入で賄えない事業所が倒産に至っているとの指摘もある。
給付金や助成金に頼り、事業収益では障害者の賃金を賄えない実質赤字の事業所も多く、関係者からは「生産性の高い仕事を確保できない限り、20人以内の障害者数でなければ事業を続けるのは難しい」との声も聞かれる。新規参入の急増が目立つ障害者就労継続支援事業だが、ここにきて倒産の増加で問題点が浮き彫りになっており、今後の支援策と併せた展開が注目される。
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