経過報告（0.5年目）

2024年9月21日 10:20

どくさいスイッチ企画
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R-1グランプリ2024から約半年が経過しました。この間、会社を辞め、芸歴1年目になり、関東に移住し、文学フリマに参加し、台本を提供した演劇が発表され、エッセイが文芸誌に載り、ツチノコ映画のイベントに参加し、単独ライブ「チャーム」を行い、名古屋でネタをし、北海道でネタをし、Ｍ－１グランプリの一回戦を通過し、映画「温泉シャーク」のイベントに参加し、目黒のさんま新作落語コンテストに参加し、誕生日を迎えて37才になり、書籍の発売を発表しました。60本強のライブに参加し、ラジオ番組に出していただき、それ以外にも貴重な経験を多数させていただきました。

現状、お笑いと並行して、知り合いの会社で契約社員として働いています。関東移住とほぼ同じタイミングで声をかけていただき、前職と同じく事務職として働いています。さらに別に経理業務のアルバイトをしています。会社で働いていたころのスキル、仕訳とか請求書作成とか官公庁向け入札書類の作成とかに助けられています。いまのところ資金ショートはなく生活できています。仕事を頑張りつつお笑いの比重を増やしていきたいです。

関東の暮らしには未だにびくびくしています。想像を絶する満員電車に圧倒されながら新宿や高円寺や下北沢の劇場に伺う日々です。どれだけ乗っても初めて乗る電車が現れます。あと、覚悟はしていたのですが、物価が高いです。ラーメンが一杯1000円します。主に立ち食いそばで飢えを凌ぎ、ハイボールのロング缶を買ってきて家で酔っぱらう日々を送っています。

メインの仕事はお笑いライブです。主にネタと企画をしています。ネタについては関西とウケるところが微妙に違ったり、あるライブでめちゃくちゃ跳ねたネタが他のライブではイマイチだったりと勉強になります。今のライブ量からすると手持ちのネタ数がやや足りていないので、ネタ作りと練習をもっとやる必要があります。企画はかなり苦戦しています。今のところまだ経歴を面白がってくださる方が多く合間のトークでは助けられています。先日ネタの後にビンゴ大会をやるライブがあり、サインを景品として提出したのですが、人気がぶっちぎり最下位で最後まで残りました。悔しかったです。コーナーでの振舞い方と集客力をもっと身に着けたいです。

プロになってからトークライブのお仕事が増えました。タレントの奥森皐月さん、ロックバンド三四少女の皆さん、落語作家のナツノカモさん、小説家の大前粟生先生、落語家の林家つる子師匠と対談をしました。トークライブはいつも楽しいです。知らないこと、知りたいことを直接教えていただけて本当に貴重な経験ができているとやるたびに思います。

加えて、特筆すべき仕事として「36才で会社やめた人としてのインタビュー」があります。働き方の多様性が叫ばれる昨今、14年やっていた社会人を辞めて芸人になるというキャリアを面白がっていただき、新聞やウェブメディアでいくつか取材をしてもらいました。自分の話が誰かの役に立つとは思いにくいのですが、何かの助けになっていればいいなと願っています。

テレビにはなかなか出演できませんが、ラジオにたくさん呼んでいただきました。ラフターナイトでもネタを１本オンエアしてもらえました。自分のネタは状況を動きよりも言葉で説明するものが多く、ラジオ用に加工する必要があまりないので助かっています。聞かれたことに当意即妙の答えを返せる率は低く、あーとかうーとか言って考え込む時間をとってしまうのが良くないところです。Artistspokenというラジオアプリもお声掛けをいただいて始めました。自宅で一人で録音しています。有料ですが聞いてほしいです。

この半年で良かったことは、過去を回収するような繋がりに多数恵まれたことです。呼んでいただいたラジオのパーソナリティがかつて全身全霊を以て応援していたアイドル・でんぱ組.incの元メンバーの夢眠ねむさんだったこと、大学時代から交流のあるＭＢＳ福島アナの番組にどくさいスイッチ企画として呼んでいただけたこと、別のご縁で知り合いだった編集者様のお声掛けで小説新潮にエッセイを載せていただけたことなどです。ラジオの打ち合わせにいったらスタッフさんが落研出身だったり、ライブハウスに勤めている落研の後輩からブッキングしてもらったり、叩いて被ってじゃんけんぽんで負けた相手が他大学の落研の後輩だったりしました。そういう年齢になったのかなと思います。これまで何かを積み上げてきた感覚は一切なかったのですが、長く生きてみるものだなと思いました。

この半年間やっていた作業として書籍の準備があります。タイトルは「殺す時間を殺すための時間」、内容はショートショート集、発売日は10/31です。Ｒ－１グランプリ2024の決勝戦が放送された２日後に連絡をいただき、そこから情報解禁まで約半年、多数の打ち合わせと原稿修正をやってきました。公開前の情報を酔っぱらって全部ＳＮＳに書くんじゃないかという恐怖が半年の間ありましたがなんとか黙りとおすことができました。いったん修正作業が落ち着いたのでこの文章を書いています。売れてほしいです。

ここから先はどうなるか全くわかりません。目標としてはＲ－１グランプリ2025の優勝、トークライブ「傍流」の継続、単独ライブ「老害」の成功、自主企画ライブの開催、テレビ出演などを挙げておきたいです。もっとも大きな目標は「お正月のテレビ番組に出演すること」です。賞レースで実績を出しているかメチャクチャ人気者じゃないと出られないからです。せっかく会社を辞めてしまったので悔いのない人生にしたいです。芸歴１年目を頑張っていきます。