悠久の時を旅する
ようやく、出会えた
きちんと出会うことができた
待ち焦がれていた日がやってきた
星野道夫 写真展
「悠久の時を旅する」
仕事休みの今日は大事な予定を入れていて
その近くで写真展もあり、会期中唯一直子夫人のギャラリートークがあるという日
なんというめぐり合わせ
なんとか間に合わせ
満員で姿も見えず声しか聴くことができなかったけれど
直子夫人のお話を伺うことができた
そして写真展で彼の見た世界に触れ
彼の願いに想いを馳せ
彼がシシュレマフの村長に送った手紙から
込められた想いを感じて涙した
私は自分の想いのままにまっすぐに進めているだろうか
1枚1枚の写真の奥にある星野道夫の眼差しを想像して胸が熱くなる
大自然の中にたった一人
何日も何週間も待ち続ける
できることなら彼が体験したそれを自分も味わってみたいと思ったこともある
私には到底無理なことをやり続けた人
そんな大自然と地球と人と密接に関わり感じ続けた彼の眼差しと言葉はとても深く、今なおたくさんの人の心を揺さぶり続けている
私も、きちんと星野道夫と出会い直した数年前、
自分の目指すところを指し示してもらった
会いたかった星野道夫に
今日、ようやく出会えた気がした
彼の写る写真に1人向かい
写真と言葉を残してくれてありがとうと伝えた
写真展の名前のとおり
星野道夫は今なお悠久の旅を続けているんだろうな
そんなふうに感じた
ギャラリートークで直子夫人が私達に送ってくださった星野道夫の言葉(著書「旅をする木」より)
頬を撫でる極北の風の感触、
夏のツンドラの甘い匂い、
白夜の淡い光、
見過ごしそうな小さなワスレナグサのたたずまい……
ふと立ち止まり、少し気持ちを込めて、五感の記憶の中にそんな風景を残してゆきたい。
何も生み出すことのない、ただ流れてゆく時を、大切にしたい。
あわただしい、人間の日々の営みと並行して、もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。
そんな気持ちをもちながら私も日々の暮らしを営んでゆきたい