アイドルの卒業のお話。
2023年1月13日。
指原莉乃ちゃんがプロデュースする=LOVE(イコールラブ)のメンバー、齊藤なぎさちゃんの卒業コンサートだった。
私は3年半ほど前、先輩の勧めでイコラブちゃんを知った。
それまでは、AKB48をはじめとする"THE・アイドル"がとっても大好きで、当時は自分でライブに行くことも、CDを買うこともあまり許してもらえなかったので、ただYouTubeでひたすらに色んなアイドルの動画を見ていた。
YouTubeでアイドルの動画を漁っていると必ずと言っていいほど出てくるのが、アイドルの卒業。
綺麗なドレスを身にまとい、あたり一面輝くペンライトの光を目に浮かべ、キラキラしてて、決意が現れた凛々しい顔をして、でもどこか寂しそうな、そんなアイドルちゃんの卒業を、映像ではあるものの、たくさん見送ってきた。
前田敦子ちゃんも、大島優子ちゃんも、渡辺麻友ちゃんも、私の1番の推しの島崎遥香ちゃんも。みんなの卒業コンサートだったり卒業公演だったりを見て、素敵なドレスを身にまとった様子を見て、毎回毎回、
"アイドルって卒業が1番綺麗なんだなぁ。"
と、子供ながらに思っていたことを覚えている。
話を戻して、先日。1月13日、齊藤なぎさちゃんの卒業コンサートがあった。
なぎさちゃんは、"これぞ完璧アイドル!"と言いたくなるほど完璧で、抜かりないアイドルだった。最初から、最後の最後まで。
コンサートの本編、当たり前に可愛くてキラキラしてて、アイドルアイドルしてて。ペンライト振る暇なんて無いくらいずーーっと目が釘付けだった。
なぎさちゃんももちろんそうだし、ほかのメンバーも、みんなキラッキラで、可愛くて。みんなみんな可愛いんだ〜。これがイコラブか〜、これが"イコラブ沼"か〜って。納得しながら、感動しながら。本編なんて一瞬だった。
気づいたらアンコール。
なぎさちゃんは淡いピンクの衣装を身にまとってステージに現れた。
髪型は、アイドルの象徴、齊藤なぎさの象徴と言ってもいい、「ツインテール」で、頭からつま先、マイクまでもがリボンで。わたしが想像してるアイドル。齊藤なぎさちゃん。そのまんまで現れた。
まだアイドルなんて辞めないよ、って今にも言い出しそうな見た目。アイドルすぎるだろ。どこまでも。
完璧アイドル齊藤なぎさちゃんは、1番最後の曲もアイドルすぎる曲で締めた。
「届いてLOVE YOU」
齊藤なぎさちゃんの初めてのセンター曲。大好きがいっぱい詰まった、とっても可愛くてアイドルチックな明るい曲。オープンニングかのような明るいアップテンポな曲で締めるあたり、抜かりない"齊藤なぎさ"を感じた。
最後の曲も終わって、齊藤なぎさちゃんが1人ステージに残りスピーチ。その後、ステージを去る時、
なぎさちゃんは、アイドルの象徴・齊藤なぎさの象徴である、"ツインテール"をほどいた。
これで
"アイドル・齊藤なぎさは終わり"
と、伝えられたような気がした。
信じたくないけど、どこか腑に落ちるような感じ。なぎさちゃんがツインテールをほどいたからかな、そんな気がする。
皮肉なことに、アイドルの子達がアイドル人生において1番可愛くて輝いているのは、"卒業"のタイミング。これ以上の皮肉はないだろうというくらい皮肉だ。
アイドルを推している以上、出会いたくなくても出会ってしまう出来事、卒業。
卒業を決めたアイドルが前を向いているのに、ファンがわんわん泣いて引き止めるのは違う(そんな時があってもいいとは思っている)。
だからこそ、アイドルちゃんがアイドル人生で1番輝いている、"卒業"の時をしっかり目に焼き付けて、心の奥に大切に大切に鍵を閉めてしまっておくことが大切なのだろう。
たまには鍵を開けて思い出してもいい。中身を全部出してしまってもいい。でも、時間が経てば、また元に戻して鍵を閉めてしまっておこう。
そう私は決めた。
まゆゆのようにマイクを置く。
ももちのように小指を折り曲げる。
なーたんのようにツインテールをほどく。
アイドルが教えてくれる、
1番儚くて可愛くて輝いていて綺麗な瞬間。
アイドルが教えてくれる、
アイドル人生の終わり。
そんなアイドルの卒業を、素敵な門出を、目にも心にも焼き付けて、そっと彼女達の背中を押してあげられるようなファンになりたい。
齊藤なぎさちゃん。
この前の卒業コンサートが、齊藤なぎさ史上1番儚くて可愛くて綺麗で可愛くて可愛くて可愛かった。
アイドルになってくれてありがとう。
アイドルじゃない齊藤なぎさちゃんもずっとずっと大好き。応援してます。