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夫29才で結核になる②
そうして結核の治療をしながら、今まで通りの生活を送っていた夫と私たち家族。
といっても普通に仕事をしても良いと言われているのに解雇されてしまった夫は休職中。
かといって、結核治療中ですと申告して採用してくれるところもなし。
そしてある日の定期検診。
喀痰検査で、まさかの菌が出てしまう。
これは通常、すでに服薬治療をしている場合、起こり得ないことらしいのだけど出てしまった。
先生曰く、死んだ菌が出てしまったのではないかと。
ただそうであったとしても、菌が出た以上は法律で隔離することになっているから、このまま隔離病棟に入院して下さいとなった。
しかも、100%そうだと診断できない以上、今、使っている薬ではダメだったということになり、少し種類を変えるのと、筋注を併用することになった。
私はいつでも面会(専用のマスクを着用)できるけど、当然、子供たちは面会できない。
隔離は、夫の他に男性がもう1人、女性が1人、入院されていた。
昔ほど入院は長くないのだけど、夫は服薬治療中に排菌してしまったことで、通常より長く入院することになった。
結核で入院した人は、治療が終わると毎日だったか1日おきだったか1週間おきだったか(←いい加減すぎる記憶)、喀痰検査をして3回連続マイナスになれば退院となる。
この期間が1番不安になるらしい。
もう1人の男性は2回目で排菌が確認されたため、もう一度1回目からやり直しになっていたところだった。
女性も、退院するために検査が始まったけど不安なんだと言われていた。
最終的に、夫だけになり個室状態。
いつどこで結核になったんだろうね。
この時でさえまだ29歳。
排菌していなくて本当に良かったし、夫の健康に問題が出なくて本当に良かった。
国が決めた隔離入院なので、入院中の食事代も全て無料になる。
何日入院しようが、どんな薬を使おうが、本来自費となる食事代も何もお金がかからない。
ありがたい制度。
が、我が家はすでに数ヶ月前から無収入。
私の障害年金や子供手当、切り崩したものだけ。
夫がいないとは言え、育ち盛りの子供が3人に幼い子が1人。
もう限界が近づいていた。