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受信したFAXをGASでGoogleドライブにアップしてSlack通知する

外出自粛によりオフィスに出社できない状況が続くと、郵便やFAXなど先方から送られてくる紙の確認が厄介です。
地方のビル管理会社や小さな施設などはメールアドレスを持っておらずFAXで請求書を送るしかない所もまだまだ多く、PDFで請求書を送ってもらうことが難しいこともあります。
複合機とGASのみでFAX受信をPDF化してGoogleドライブにアップし、在宅でも確認できる仕組みを構築してみました。

要件

今回の要件は以下の通り。
・従来のFAX印刷も行いつつPDFを共有ドライブにアップする
・外部サービスの費用がかからない
・複合機とG Suiteのみで完結する
・Slackに通知できる

インターネットFAXサービスを契約する方がベターかもしれませんが、なるべく費用をかけずに複合機とG Suiteの基本機能のみで実装できるシンプルな構成にしました。
SMBでオンプレの共有フォルダにFAX保存する機能であれば標準で実装している複合機も多いのですが、クラウドストレージにアップロードする仕組みは有償オプションになっているところがまだほとんどかと思います。

FAX受信をメール転送する

まず、複合機で受信したFAXを指定のメールアドレスに転送する設定が必要です。
メーカーや機種によって異なりますが、メール転送だけであれば標準機能で可能な場合が多いです。詳細は複合機のベンダーにご確認ください。

FAXメール受信用に、fax-inbox@example.com のようなメールアドレスのG Suiteのアカウントをひとつ作成し、そのアドレス宛にFAXを転送するようにしておきます。

受信したFAXメールの添付ファイルをGASで共有ドライブにアップしてSlackに通知する

FAXメールをGmailで受信できるようになったら、以下の動作をするGASを成し、トリガで定期実行します。
※FAXメールを受信するG Suiteアカウントで作成・実行してください

1.Gmailを件名・添付ファイル・ラベルで検索
2.該当メールの添付ファイルをGoogle共有ドライブに複製
3.処理が完了したメールに「アップロード済」というラベルを付ける
4.SlackのWebhookを使い特定のchannelに通知を送る

実際のGASはこちら。

社外からスパムメール等が届く可能性も考慮し、Gmailフィルタには以下の2つを条件として設定しています。
・件名に"PDF"というワードが含まれている
・PDFが添付されている

実際に動かしてみる

作成したGASをトリガで定期実行するように設定します。

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複合機にFAXを送って、Gmailに転送されていることを確認します。

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トリガによりGASが実行されると、Google共有ドライブに添付ファイルが複製されます。

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Slackにも通知が届きます。

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おわりに

今回は複合機1台の想定でシンプルなGASになっていますが、複合機毎に転送先を fax-inbox+1@example.com などエイリアスで分けておけば、「FAX番号毎にアップロード先のドライブを分ける」といったこともできます。

FAX送信も電子化したい場合は、PCのローカルにプリンタと同じようにFAXを作成して印刷処理をかければ、リモートでも複合機からFAX可能です(社外から使用する場合はVPN等で社内LANへの接続が必要ですが)。
こちらも各複合機ベンダーがドライバ・マニュアルを提供していますので、詳細はそちらをご確認ください。

インターネットFAXサービスを使えばFAX送受信どちらも電子化可能ですが、今回は極力コストをかけずに複合機標準機能で実装してみました(G Suiteのライセンスが余っている前提ですが)。

早くFAXが無い世界に行きたいものですが、取引先の都合によりどうしても必要になってしまうケースもあるので、せめて自社内だけでも電子化して紙の運用を無くしていきたいですね。


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