青
瞳の中に蒼い膜のようなものがはって 思わずおぼれているのではないかと慌てた
自分が蒼くなっていることに気付いたとき セカイが蒼くなっていることを知った
色をどんどん失っていって ま白いあなたは見えなくなった
あなたを白いと決め付けなければ 手を握ることもあっただろうに
頬を蒼く濡らす何かに私は いつしかのみこまれてしまっていた
気付くと陸から離れて流れて 真っ青な中に浮かんでいた
目にした景色は海なのだろうが 天にも同色の海が浮いていて
全て雨となり降り注いだらどうなるのだろうと思うと 今度は体が蒼くなった
杞憂と思い立った瞬間 世界は綺麗な空色になった