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夏の夜は大賑わい!天体観測で最高の夏の思い出を!


暑い日がまだまだ続きますね。今年はコロナも沈静化傾向となり、全国各地で4年ぶりの開催となる花火大会や夏祭りで賑わいも戻りつつありますね。夏の夜空もお祭りや花火大会に負けないぐらいの賑わいを見せています。早速夏の夜空の見どころをご紹介していきましょう。

夏の大三角


国立天文台HPより
国立天文台HPより

夏の夜空の見どころは、なんといっても天の川と一緒に夜空に浮かぶ夏の大三角です。南の地平線から頭上まで光の帯となって見える天の川沿いには、七夕の織姫にあたること座のベガ、牽牛にあたるわし座のアルタイル、それにはくちょう座をのデネブの3つの1等星で形作る大きな「夏の大三角」が見つけられるでしょう。

さそり座のアンタレス

天の川の流れる南の空を見上げると、ひときわ赤い色をした明るい星が目にとまると思います、さそり座の1等星アンタレスです。さそり座はこのアンタレスを中心に明るい星がS字カーブを描いてつながって見えるので、比較的見つけやすいと思います。
このS字カーブはディズニー映画の「モアナと伝説の海」に出てくるマウイが持っている釣り針のようにも見えますね。
さそり座はこの特徴から、日本の瀬戸内海の漁師さんには「タイ釣り座」とも呼ばれ親しまれていました。ニュージーランドのマオリ族の見方もこれと似ていて、「天に引っかかった釣り針」と見ていました。国は違うのに同じような見方をしていた事が驚きですね。

このさそり座にまつわる話で「オリオンとさそり座の神話」もこちらの記事でご紹介しています!ぜひ合わせて読んでみてくださいね。


星の色が違うのはなぜ?

さて、夜空の星の色を観察すると微妙に色が違うことがわかると思います。その理由は星の表面温度が違うからです。赤い星と青白い星を比べてみると赤い星のほうが温度が高いように思いますが、実は青白い星のほうが温度は高いのです。
例えばおおいぬ座の一番明るい星シリウスの表面温度は1万度ともいわれています。
さそり座の赤い星アンタレスは約3500度くらいです。太陽は黄色で6000度くらいですのでアンタレスは太陽の半分ぐらいの温度ということになりますね。
では?火星は?赤い星で有名な火星ですが、火星の赤は火星の地面の色で温度とは関係がないのです。火星や金星など、惑星はみずから光るわけではなく太陽の光を反射して輝いて見えるため、温度は関係しないのです。

土星環を観察してみよう


国立天文台HPより

土星の輪は地球から見ていると年々傾きが変化していきます。2025年には環が一直線になりあたかも土星の輪が線のように消失して見えます。今土星の輪は「消失」に向かって細くなりつつあるのです。見ごろは8月28日で、地球を挟んで土星と太陽が真向かいに来るころ。東の空の低い位置のみずがめ座にいる土星。このあたりの空は明るい星が少ないので比較的見つけやすいと思います。小望遠鏡でもくっきり見えるので、その神秘的な姿を楽しんではいかがでしょうか?

流れ星

空気の澄んだ暗い場所で天体観測をしていると、流れ星を見ることもあると思います。
流れ星とは、宇宙のちりが地球の大気とぶつかって燃えて光るものを指します。地球に降り注ぐちりは1年間に数百トンにもなるとか。このちりの大きさは直径数mm~数cmぐらい、スピードは秒速数Km~数十Kmともいわれています。
流れ星が燃え尽きずに地上に落下したものは隕石と呼ばれます。
約6500万年前には直径およそ10kmの隕石が地球に落下し、恐竜が絶滅したという有名な説がありますね。そう考えると、地球は大気によって守られていることがわかります。

ペルセウス流星群

では「流れ星」と「流星群」の違いは何でしょうか?
流れ星の中でも毎年決まった時期に夜空のある一点から流れて見えるものが流星群です。
この夏の時期に見られる流星群はペルセウス流星群。この流星群はとても有名で、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ペルセウス流星群はその名の通りペルセウス座の方角から流れるように見える流星群のことをいいます。毎年お盆を迎える頃に見られ、空の条件が良くピークの時刻とタイミングが合えば1時間に30個以上の流れ星を見ることができます。

方角としては日暮れころから北東の空に注目すると、ペルセウス座が宵の早いうちに上り始めます。Wの形がシンボルのカシオペア座を見つけたら、その斜め下あたりがペルセウス座になります。
見やすい時間帯としては真夜中ごろから空が白み始めるまで。特に8月16日は新月なので、月明かりを全く気にせずに楽しめるでしょう。明るく跡を残す流れ星も多く、カメラでも撮影できるかもしれません。

夏もなかなか盛りだくさんの賑わいを見せる星座たち。夏休みの時期と重なるので、キャンプやお祭りに出掛けた際にでもぜひ空を見上げてくださいね。イベント盛りだくさんの夏の思い出はいつまでも心の中でキラキラと輝くでしょう!まるで夜空の星たちのように。
日が沈んでもまだまだ暑さが残る季節なので、熱中症対策はお忘れなく。



書いた人
かやの
秋田県山奥在住 星空案内人
日が沈むと暑さが和らぎ、夜空を見上げれば天の川。川遊び、スイカ割り、花火大会と思う存分楽しんだ夏。振り返ればそこにあるのは息子の真っ白な「読書感想文」と「自由研究」。夏ももうすぐ終わりですね。

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