春の空の見どころ、夜と昼
今年は春の訪れが早く関東より西側では3月中に桜も満開を迎えましたね。夜のお散歩も気持ちがいい季節となりました。今回は春の空の見どころ、夜と昼に分けてお話ししたいと思います。
春の夜空の見どころは?
ずばり北斗七星と春の大三角です。
北斗七星を見つけよう!
北の空高くに7つの明るい星が大きなひしゃくか料理に使うフライパンのような形で並んでいます。これが北斗七星です。「北斗七星」は中国から伝わった言葉で「斗」には「ひしゃく」という意味があるんですね。北斗七星を言い換えると「北の空にあるひしゃく型の7つの星」という意味になります。この北斗七星、タイでは「農具の鋤(すき)」に例えられたり、フランスでは「お鍋」に例えられたりと国によっていろいろな例え方があるようです。あなたにはどういう風に見えるでしょうか?ちなみにこの北斗七星は「おおぐま座」の一部でおおぐまの腰からしっぽにあたります。
春の大曲線
北斗七星が春の星座の出発点です。北斗七星のひしゃくの持ち手のカーブを南に伸ばしていくとオレンジ色の1等星アークトゥルス、さらに弧を書くように延長していくと白い1等星のスピカにたどり着きます。この曲線のことを「春の大曲線」と呼びます。アークトゥルスからネクタイのような星の並びが特徴的な「うしかい座」スピカからアルファベットのyの形をした星の並びが目印の「おとめ座」を見つけてみましょう。ちなみにアークトゥルス(五月雨星)とおとめ座のアルファ星のスピカ(日本では星の輝きが純白であることから、真珠星と呼ばれます)は対照的な色の違いから「春の夫婦星(めおとぼし)」とも言われています。
春の大三角形
「うしかい座」のアークトゥルス「おとめ座」のスピカ「しし座」のデネボラ(2.1等星)を結んだ正3角形を「春の大三角形」と呼びます。デネボラは「ライオンのしっぽ」という意味でここには「しし座」があります。デネボラの西には明るい1等星のレグルスがあります。ここから裏返した「?」マークのような星の並びが「ししの大鎌」と呼ばれししの頭の部分にあたります。
日本で3年ぶりの日食、次は7年後
星空観察というとたいていは夜に行われますが、今月はお昼に非常に珍しい天体観測ができますよ!そのイベントは日食です。
日食とは?
地球が太陽の周りを回っていることは皆さんもご存じだと思います。また、月も地球の周りを回っていますね。日食は地球と太陽の間に月が入り、太陽・月・地球の順番に一直線に並び、太陽が月に隠れて見える現象です。
日食の種類
日食はその見え方から「部分日食」「金環日食」「皆既日食」の3種類に分けられます。
太陽が月に全部隠されてしまう日食を「皆既日食」といい、それに対し太陽が月に一部分だけ隠されてしまう日食を「部分日食」と言います。太陽のほうが大きいために、太陽の光が月の影の周りからはみ出して見える状態のことを「金環日食」と言います。太陽の光が月にさえぎられると地球上に影ができます。月の直径は地球の4分の1しかなく、その影は地球よりも小さいため、日食は地球上の限られた場所でしか見ることができないのです。
日食はいつ、どこで見られるの?
今回この日食が見られるのは2023年4月20日。南インド洋から西オーストラリア、東ティモール、インドネシア(ニューギニア島西部など)太平洋にかけて「金環皆既日食(ハイブリッド日食とも呼ばれ、非常に珍しく21世紀中に7回しか起きない)」が見られます。西オーストラリアからインドネシア付近では皆既日食となります。
日本では3年ぶりとなり、2023年4月20日の13時30分ごろから15時30分ごろにかけて九州より南で部分日食が観測できます。沖縄の那覇では太陽が最も大きく欠けて見えますよ。ちなみに次は7年後の2030年6月1日北海道でみられる金環日食まで見られません。
日食の観察時の注意
肉眼で直接太陽を見るとたとえ短時間であっても目を傷めてしまいます。日食の観察には必ず専用の「日食観測用メガネ」や専門家の指導のもとに作成された「日食グラス」を使用しましょう。また、長い時間見続けずに目を休めながら観察するといいですね。
安全に太陽を観察する方法としては、鏡を使って太陽を壁に移して観察したり、厚紙など光を通さない薄いシートに小さな穴をあけて日食中の太陽の光を当て、穴を通って影の中に映った太陽の形を観察する方法などもありますよ。いろいろ試してみるのも面白そうですね。また日食が進むにつれての明るさや、気温なども観察してみるのも面白いかもしれません。
お昼の天体観測はそう頻繁にできることではないので、この機会に日中にも空を眺めてみてはいかがでしょうか?星空は日中は見えませんが、見えないだけで常にそこにあるんですよね。いつの間にかあるのが常で見落としていることはありませんか?そんなことに気が付くきっかけになればいいと思います。そして季節ごとに変わる星空を見上げながら、春のウキウキ気分を味わってみてください。春といえども夜はまだ少し冷えますので、薄い上着をお忘れなく。
サムネ画像:©︎国立天文台
2023年4月中旬 20時頃 東京の星空https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/04.html
書いた人
かやの
秋田県山奥在住
春は出会いの季節、この春はどんな人が私の人生に入ってきてくれるのか?常に妄想とドキドキが止まらない、永遠の33才です。
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