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受験で成功するための3つのルール―自身の受験体験から―

こんばんは。雨の日が長く続きますね。某ウイルスの影響で外出を自粛していて、大学の授業もオンラインなのでまったく外に出ていません。外出するのは、図書館に本を借りに行くときくらいでしょうか。家の中にいてスマホを触ったり本を読んだりしています。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今日は、私が自身の受験体験から得た、「成功するための3つのルール」についてお話したいと思います。ここでの成功とは、第1志望(ここでは難関国公立を一つの例として想定しています)に受かることであると思っていただいて構いません。私の人生は失敗が多いほうで、そのたびに反省してきました。周りの人間が成功しているのを見てうらやましいと思ったことも何度もあります。なぜ彼らは成功するのか?彼らにあって、私に欠けているものは何なのだろう?数年間考えていましたが、思索がまとまったのでお話します。このルールは入試だけではなく、仕事、あるいは人生全般においても使えると考えています。もっとも、このルールをそれらに応用する場合、成功の定義は第一志望に受かることにはとどまらないのですが。

次にあげる3つの成功のためのルールは、私が自身の体験から得た、完全に主観的・経験的なものにすぎません。もちろんこのルールに従わずに成功している人もいますが、私の知っている成功した人間はこの3つのルールに大概当てはまります。あくまで参考として読んでいただきたいと思います。なお、成功のために自分なりに努力をしていることが大前提としてあります。

1.苦手を「完璧に」克服しようとするな。戦略的撤退を。

ほとんどの人間には苦手なものがあります。たとえ成功者といえども、センター試験が5教科あり、個別試験でも英国数+αあるわけですから、たいていの場合何かしらの苦手分野が存在します。英数国であることが多いでしょうが。

私は、苦手には2パターンあると考えています。1つ目は、それをまったく努力してこなかったためにできないというパターン。2つ目は、それを克服しようと自分なりに努力している(してきた)が、何をすれば克服できるかがわからないので、いくら時間をかけても伸びないというパターンです。1つ目は努力をすれば克服できる可能性があります。しかし、2つ目のパターンはたちが悪い。自分では頑張っているつもりでも、結果がまったく伴わないことが往々にしてあります。

成功しようとして頑張ってきた人の場合、1つ目のパターンの苦手を抱えている人はほとんどいないでしょう。2つ目のパターンが圧倒的に多いと思います。

このとき、私たちは「ひたすら努力するしかない」と考えがちです。そうして努力し続け、最終的には時間切れ。まったく結果が出ず、失敗。その苦手克服に充てた時間はすべて無駄になります。そしてすべてが終わった後、「あの時間を得意教科、あるいは得意とはいかないまでも、もっと伸びたかもしれないあの教科に使っておけばよかった」と後悔するわけです。

このような後悔をしないためには、どうすればいいのでしょうか。私は2つの解決策があると考えます。

1つ目は、苦手教科に「劇薬」を投与することです。受験でいう「劇薬」は、本当に実力があり、その教科が苦手な人のモノの見方・考え方を根本から変えるような先生または参考書などでしょう。よく言われる「○○先生に習って偏差値が20上がった!!」などとというのは、この典型例かもしれません。ただ、この方法は全員が全員とれるものではありません。というのは、そのような先生や参考書に100%出会えるかといえばそうではなく、物理的・経済的な面でそれが困難な場合も多くあるからです。

私は次に述べる2つ目の解決策が最も効率的かつ合理的であると考えています。それは、苦手教科は「足を引っ張りすぎない程度に」意図的にとどめておいて(あるいは、最初から「どれだけ失敗してもこれくらいは取れるだろう」と思われる点数を仮定して、他の教科と合わせた全体の点数で合格点に到達することを目指すことです。苦手教科の「完璧な」克服は諦め、頻出分野だけを重点的に勉強するなどして大コケを防ぎ、全体で合格点に達しようとするということです。苦手教科を勉強し続け、点数が伸びないまま本番を迎えても、本番でうまくいくかどうかはギャンブルになります。受験を、不合格の可能性を0%まで減らしていくゲームであると考えるならば、改善点を見いだせないまま苦手教科を勉強し続けることは非効率でしかありません。

2つ目の解決策を見て、「なんだ、当たり前じゃないか」と思った人もいるでしょう。もしあなたがそう思ったなら、このルールにおいては、もうあなたは成功の条件を満たしているかもしれません。

また、今述べた方法の他にも、最初から苦手教科の比重が小さい場所で勝負するという方法もあります。東大では全ての科類で配点が同じなので無理ですが、他の大学であれば、どうしても行きたい学部があるのなら仕方ないですが、そうでなければ、苦手教科の配点が小さい、あるいは得意教科の配点が大きい学部を受験するというのはアリだと思います。無理して志望学部を受け、その大学に入れなくなるよりはよっぽど良いと私は思います。

苦手なものは「完璧に」克服しようとしない。それより、自分の得意教科、苦手教科よりももっと少ない努力で点数が上がりそうな教科に時間を割く。全体で合格点に達すればいい、という目標を見失わない。

これが第1のルールです。

2.自分を過小評価せよ。自分に厳しく。

競争の場では、自分の実力を見誤ると命取りになります。目標と現在の実力の距離を常に意識して、その距離を縮めるように努力しなければ、努力が無駄になる可能性が高いからです。しかし人間は、自分の実力を測る際、自分を過大評価しがちです。なぜなら、競争中、ほとんどの人は「目標に到達しなければ」と焦っているため、自分が目標に近づいていると思い込んで少しでも安心しようとするからです。実際にはまったく目標と実力が見合っていないのに、できると思い込んで(信じ込んで)挑戦し、案の定失敗するというパターンが多いです。

人間は基本的に自分に甘い生き物です。苦手教科であっても、「このくらい努力してるんだから、本番ではもう少し良い点になるだろう」と、現在の点数よりも+10、+20点上乗せして本番の点数を考えます。これが失敗の原因になります。本番、必ずしもそううまくいくわけではないからです。

自分を、過小評価する。常に大失敗したときのことを考える。どれだけしくじっても、合格点が獲れるように準備する。これが成功者のマインドです。自分を過小評価することによって、得はしても損はしません。
普段の努力においても自分に厳しくあることが、自分を過小評価することにつながります。模試の記述答案を厳格に自己採点するなどして、常に自分の実力を疑う姿勢が重要であると私は考えます。

個人的には、Twitterの「東大開示祭り」などで、合格者が「自己採点より上がった!」と言っている人が多いのは、彼らが自分を過小評価する癖がついているからだと思います。決して本番の採点が甘いからではない。自分の実力を常に実際より低く見積もっているので、他者が採点したときに、実力以上に評価されたと思ってしまうのです。「合格者が皆自己採点より上がったと言っているから、本番の採点は甘いんだな」と思って安心していると、足元をすくわれます。

私の知っている東大合格者は皆、自分に厳しかったです。常に自分の実力を正確に把握しようと努め、自己研鑽を怠らなかった。彼らは本番の試験終了後、口をそろえて「失敗した」と言っていました。周りを油断させるだとか、そういうものは一切抜きで、最後まで自分に対する過小評価をやめなかったのです。結果的には、彼らは余裕で合格していました。

注意しておきたいのは、ここでの過小評価は、あくまで「ある場面で測られる力」に対して下す評価であって、自分という人間そのものを過小評価するわけではないということです。あらぬ過小評価は不安を増大させ、メンタル面での敗北の可能性を高めます。「自分の実力を見誤らずに成功するための」過小評価であることを忘れないでください。

どれだけ実力がついても、「まだまだ足りない」と考える。自分を過信せず、常に失敗したときのことを考える。そのうえで、どれだけ失敗しても、目標にたどり着けるよう全体のバランスを高めていく。

これが第2のルールです。

3.調子に乗るな。謙虚であれ。自分を分析し俯瞰せよ。

このルールは第2のルールが守れていてはじめてできることです。たいていの失敗する人間というのは、なにかがうまくいくと、図に乗って自分の実力を見誤り、冷静になって自分を客観的に見つめなおすことができなくなります。

たとえば、現役生のAくんが夏の大学別模試でB判定を取り調子に乗っているとします。確かに彼は記述模試に関してのある程度の実力はあるのでしょう。しかし、彼の他の模試を見てみると、共通テストの模試の判定はEでした。この場合、彼は喜んでいて良いのでしょうか?その大学の1次試験と2次試験の比率が4:6であるとしたら、彼は総合的に見るとC・D判定くらいになるでしょう。彼は今のところ、合格率50%以下のギャンブルをしているだけなのに、「1次試験は2次試験ができればいけるだろう」という必ずしも正しくない推論に基づいて、合格できると思い込んでいるのです。

今述べたような人は周りにいませんでしたか?あるいは、自分がこうなっていなかったですか?その人たちの受験結果を思い返してみれば、冷静になって自分を俯瞰することの大切さがわかるでしょう。もちろん、このような人が全員失敗するわけではありませんが、私の経験上、たいていは失敗します。

調子に乗った人は、結果だけ見て、周りに自分の凄さをアピールしがちです。これが失敗の原因になります。というのは、自画自賛することによって、自分の欠点が見えなくなるからです。さきほどのAくんの例をもう一度見てみましょう。確かに彼は大学別模試でB判定をとりましたが、内容を見てみると、苦手教科が壊滅したが他の教科でなんとかカバーした形でした。これは決して安心できる点の取り方ではありません。苦手教科が「足を引っ張りすぎている」のです。しかし結果としてはB判定なので、Aくんは安心しています。自分がいつ爆発するかわからない爆弾を抱えているのに、そのことに気づかないのです。自分を厳しく評価している人ならば、決して誇れるような結果ではないことにすぐ気づくはずです。

謙虚であること、誇らないことは、他人に不快な思いをさせないためだけでなく、自分のためにも必要なことなのです。自分で自分を盲目にしないためにも、どれだけうまくいこうと調子に乗らないようにしてください。常に自分を俯瞰してみましょう。

どれだけうまくいっても、調子に乗らない。常に謙虚でいる。自分を冷静に分析し客観視する。言われてみれば当たり前のような気もしますが、人間は愚かな生き物なので、良い結果が出るとすぐ調子に乗ります。喜ぶのは、成功した後にしましょう。

これが第3のルールです。

4.まとめ

ここまで、私が自身の受験体験から得た、成功のためのルールを3つお話しました。

①苦手を完璧に克服しようとするのは時間の無駄。全体で目標に到達することを考えよ。

②自分を過大評価ではなく過小評価せよ。自分に厳しくあれ。自分に期待するな。

③いくらうまくいっても調子に乗るな。油断は敗北につながる。謙虚であれ。自分を客観的に分析せよ。

受験をベースにお話してきましたが、仕事でもこれらは応用がききます。苦手なことは他の人に補ってもらうこともできますし、自分に厳しく、謙虚であることで、人の信頼を得たり、大失敗を未然に防いだりすることが可能です。受験と仕事で異なるのは、受験が個人競技であるのに対して、多くの仕事は集団競技であるということです。苦手なことは他の人に任せ、自分ができることをやり、チーム全体として目標を達成することができます。その場その場に応じて、これら3つのルールを柔軟に応用してください。

世の中には頭のいい人、成功体質の人というのがいて、彼らは苦手がなく、自己を信じて疑わず、油断していても成功します。ただ彼らはほんの一握りであって、ほとんどの人間は努力を重ね成功しています。もしあなたが「凡人」なのであれば、成功しようと努力することが必要です。その努力の最中に誤った方向に進んでしまわないために、私がお話した3つのルールを使っていただければ幸いです。


The ultimate measure of a man is not where he stands in moments of comfort and convenience, but where he stands at times of challenge and controversy.  -Martin Luther King Jr.

それでは、今回はここで失礼します。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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