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『nest Conference 2023 帳票DX編』 振り返りレポート

2023年7月19日、ユーザー向けイベント『nest Conference 2023 帳票DX 編』がウイングアーク1st株式会社 本社 36F セミナールームで開かれました! 初のオフライン開催となった6月の『データ活用編』につづき第2弾となる今回のテーマは、ビジネスドキュメントのデジタル化です。

▲イベント参加者集合写真

2023年10月からはじまるインボイス制度、2024年から電子取引に関する電子データ保存の義務化が本格始動する電子帳簿保存法にどのように対応し、ビジネスドキュメントのデジタル化を進めればよいのか?
 
多くの企業が対応に追われる本テーマについて知っておきたいノウハウや、リアルなアドバイスを、ユーザーをはじめとしウイングアーク1stの開発者、カスタマーサクセスなどさまざまな視点を交えながらご紹介した今回のカンファレンスです。
 
なかでも目玉セッションは、やはり実際のinvoiceAgentユーザーの方々に登壇いただいた『【パネルディスカッション】実践者が明かす!帳票デジタル化の舞台裏と未来への展望』でした。
 
早速、その内容をみていきましょう!

満足度No.1! 【パネルディスカッション】実践者が明かす!帳票デジタル化の舞台裏と未来への展望

デジタル改革の実践者はどのように業務改革に取り組んでいるんだろう?
 
そんな疑問に、ビジネスドキュメントのデジタル化を推進するユーザー企業が3つのテーマに沿って回答してくれる本ディスカッション。ご登壇いただいたのは、以下のユーザー企業のみなさまです!

・西武鉄道株式会社 沿線価値創造本部 事業創造部 新規事業担当 課長補佐 浅野 雅明 さん
・JFEスチール株式会社 IT改革推進部 主任部員(課長)西村 智 さん
・京都電子工業株式会社 情報システム部 情報システム課 課長 吉田 智幸 さん

業種や目的、企業文化など三者三様なお三方によるディスカッションだからこそ、どんなユーザーさまにも役立つ側面があるはずです。

テーマ1「invoiceAgentを導入して得られた効果・メリットは何か」

最初のテーマは、コングロマリット、スチール、電子機器と異なる領域で活躍する3社がinvoiceAgentをどのような目的で導入し、どのような効果・メリットが得られたか。
 
最初の回答者は、請求書の受領を中心に製品導入を進め、現在は西武グループ全体の起票や保存まで電子化しているという浅野さん。invoiceAgent、invoiceAgent TransPrintの組み合わせにより、完全ペーパーレスに近い形が実現されつつあると話します。
 
JFEスチール株式会社では、帳票の配信業務のデジタル化に取り組んだとのこと。紙からWebへ配信方法を移行したことで仕分け・押印・郵送などの業務負荷を削減できた、経理の心理的安全性や取引先とのコミュニケーション向上につながった、1部署から社内全体へスムーズに横展開できた、という3つのメリットが西村さんより発表されました。
 
一方、京都電子工業株式会社の吉田さんは、invoiceAgentを図面の管理に使っているといいます。秘匿性が高く、種類も多様に存在する図面を基幹システムと連動させてバーコード管理することにより、検索性が非常に高まったこと、各部門の承認申請がリモートでもシームレスにできるようになったことが2大効果として挙げられました。

▲写真左から、西武鉄道株式会社 浅野 雅明 さん、JFEスチール株式会社 西村 智 さん、
京都電子工業株式会社 吉田 智幸 さん

テーマ2「効果を得るまでの過程と、導入に際して生じた課題をどう乗り越えたのか」

2つ目のテーマは、効果を得るまでのプロセスと、そこで生じた課題を乗り越えた方法です。多くの方が最も知りたいと思っているポイントではないでしょうか。
 
浅野さんが挑んだ課題は‟国内39社という大規模な西武グループ全体へのソフトウェアの展開と設定をいかに統一感を持って進めるか”。「オンボーディングプログラム」を活用し、カスタマーサクセスマネージャーと二人三脚で進めたこと、先行導入した西武ホールディングスで標準の型をつくり、段階的にグループ全体へ展開したことなどの成功要因が語られ、マニュアルの作成や全国展開における心がけなど貴重な知見が共有されました。
 
対照的に、企業の一部からスモールスタートするにあたっての課題に挑んだと話しはじめたのは西村さんです。帳票の調査、システム要件整理を2~3カ月で終え、トライアル・選定(2カ月)、導入(4カ月)と、4ステップでプロジェクトを勧めたJFEスチール。システム要件整理~ツールの選定のプロセスに最も時間・労力をかけ、ファイル展開にあたっての機能性やトライアル環境での好感触、他システムとの連携性といった理由からinvoiceAgentの導入に至った経緯が語られました。
 
まだまだ「クラウド=危険」と考える人材も少なくない、と話すのは吉田さんです。京都電子工業では、現場人材から管理者を任命することで、社内全体を巻き込む工夫を講じたといいます。「やはり私たち情報システム部の話を信用してもらわないと、進まないんです」(吉田さん)。Teamsで問い合わせ窓口を設け、即日での問題解決を試みる、誰にでも伝わる平易な言葉で説明するといった細やかな工夫により、徐々に情シスが頼られる風潮を生み出すまでのストーリーは、明日からの現場デジタル化へすぐにでも反映したいものでした。

テーマ3「帳票デジタル化に関する将来の展望について」

3つ目のテーマは、課題を乗り越えinvoiceAgentで成果を得ることができた3社がこれから目指す展望です。
 
まずは、「企業間で受領する紙をすべてなくすことが出来ればいいなと思っています」と浅野さん。将来的にはPeppolを基盤としたシステムが当たり前になり、会計システムへの転記といった作業も過去のものになるという未来像が語られます。
 
つづいて西村さんがスライド上に表示したのは、購買、営業、人事、経理といった社内の各部門においてinvoiceAgentが展開可能な予知はまだまだあることを示すアンケート結果。顧客や取引先など社外のステークホルダーとのやり取りに残る紙文化を電子化し、商流全体のスピード化・情報のスリム化を図ることに、取り組んでいるということです。
 
現場教育に力を入れてきた吉田さんは、人づくりに力を入れていきたいと話します。システムのUIが向上し、マニュアルがあれば活用も難しくない現在。次に育てたいのは「会社のなかに新しいシステムを作り出せる人」と展望が示されました。
 
まさに三者三様で語られた各企業のデジタル化への挑戦とそこから得た知見。実際に製品を活用するユーザーにしか語れないリアルなストーリーやノウハウだからこそ、ここでしか聞けない貴重なコンテンツとなりました。

ウイングアーク1stメンバーが教える! 製品を100%使いこなすための3セッション

ここまでは、『nest Conference 23 帳票DX編』の目玉企画であるパネルディスカッションの模様を詳しくお届けいたしました。
しかし、本イベントのコンテンツはそれだけではありません。
 
ウイングアーク1st社員が登壇した3つのセッションでは、製品の最新情報や便利なTIPsレクチャー、文書情報管理士によるクイズ大会といったコンテンツを通して、ユーザーのみなさまが明日から使える知見をお伝えさせていただきました。
 
それぞれについても詳しくみていきましょう。

invoiceAgentとSVFの最新情報をお伝えします! ~ここでしか聞けない開発秘話も大公開!~

帳票DXにおいて、請求書、納品書、発送伝票や公的機関が発行する証明書など各種帳票類の設計出力をオールインワンで実現する『SVF』、それらの管理や配信・受領、電子契約の導入などを担い、7月18日にリニューアル版がリリースされた『invoiceAgent』。
 
上記の製品を活用いただいている方や、ご検討中で、「最新機能や使い方が知りたい!」と考えている方は少なくないのでは?
 
そこで設けられたのが、こちらのセッションです!
 
「これまで、『SVF』で帳票設計・出力に関する開発工数削減や運用の負荷軽減をご支援させていただいておりました」と徳山(ウイングアーク1st株式会社 Business Document事業部BD事業戦略部 副部長)。そして、帳票出力だけでなく、やり取りや文書管理にまつわる課題に対処すべく開発されたのが『invoiceAgent』です。
 
デジタルインボイスの国際標準規格として定義されている「Peppol(ペポル)」は、わが国におけるデジタルインボイスの標準仕様である「JP PINT」の準拠元であり、電子文書の取り込みや送付をシームレスに行うことを可能にします。そして、invoiceAgentは、Peppolに対応することで、電子取引の配信側・受信側双方の利便性を高めています。
 
樽井(ウイングアーク1st株式会社 Business Document事業部invoiceAgent開発部 部長)によるデモでは、デジタルインボイスの送受信を行う「私書箱」の開設や、「Peppol」で取引先とデジタル文書のやり取りといった操作が実践されました。私書箱を利用することで直接フォームから入力した内容をJP PINT形式に自動変換でき、受信側はXML、PDF、CSVなどさまざまな形式でダウンロード可能です。また、CSV形式のデータをJP PINTフォーマットに変換した配信や、『invoiceAgent TransPrint』と連携した一括配信、適格請求書発行事業者登録番号の逆引きといった操作のデモンストレーションも行われました。
 
このように、実際の操作画面を目の当たりにしながら製品の使い方を学べるのが、『nest Conference 』の醍醐味のひとつです!

絶対に使ってほしいユーザー向けコンテンツ&サービスはこれだ! ~SVFとinvoiceAgentの製品活用Tipsもお楽しみに!~

『SVF』や『invoiceAgent』を活用するにあたって、より便利な使い方を知りたい。あるいは、利用できるコンテンツやサポートを十分把握したい。
そのようなお悩みに合わせて、具体的な使い方をCustomer Experience統括部がご紹介するのが本セッションです。

ユーザー向けコンテンツ「お悩み別サポートマップ」では、以下の3つにユーザーのみなさまのお悩みを分類しています。

1.なるべく自己解決したい
2.聞いて解決したい
3.スペシャリストに有償で相談したい

「1.なるべく自己解決したい」場合にぜひ使っていただきたいのが、「カスタマーサクセスサイト」。はじめて製品をご利用いただく際、まず知っておきたい情報をぎゅっとまとめたWebサイトです。同サイトからもリンクされている「カスタマーサクセスアカデミー」は好きなときに体系的な製品知識を学べるeラーニング。また、クラウド版invoiceAgent内の「ヘルプナビ」は、利用者の声を反映して逐次更新される補足説明・参考情報や、利用ガイドが製品画面上で参照できます。
 
「また、『ナレッジベース』では、よくあるお問い合わせやトラブルシューティングなどの情報を検索いただけます」と、高橋(ウイングアーク1st株式会社 Customer Experience統括部 Customer & Market Knowledge部 Tech Marketing G GMG)。
 
つづいて、「2.聞いて解決したい」ときに活用いただけるのがメールサポート、電話サポート。さらに、クラウド版では事前予約制のWeb会議ツールを用いたオンラインサポートもご提供しています。また9月にはチャットボットサポートのリリースも予定されていることが佐藤(ウイングアーク1st株式会社 Customer Experience統括部 Success Planning 部 部長)より発表されました。
「3.スペシャリストに有償で相談したい」場合には、ウイングアーク1stのカスタマーマネージャが二人三脚で課題に寄り添う「オンボーディング支援」「サポート活用支援」を、導入フェーズ、活用フェーズのそれぞれに対してご用意しています。
 
最後には高橋より『SVF』『invoiceAgent』のTIPsレクチャーが行われ、「両者の連携でなるべく基幹システムに手を加えず帳票データ進める手法」や、「画面をシンプルに使いやすくカスタマイズする方法」について解説がなされました。

インボイス制度・Peppol・電子帳簿保存法!?みんなで理解を深めよう! ~文書情報管理士によるクイズ大会!~

文書管理のエキスパートを認定する資格として最上位である「上級文書情報管理士」によるクイズ大会という、これまでとは趣向の違ったコンテンツです。
 
最初に行われたのが四之宮 (ウイングアーク1st株式会社 Business Document事業部 BD事業戦略部 リードデザインG 上級文書情報管理士 GMG)による、電子帳簿保存法についての振り返りです。
 
「電子帳簿保存法には大きく3点のポイントがございます」と四之宮 。それは、以下の3ポイントです。

1.国税関係帳簿書類を電子データのままで保存できる
2.国税関係帳簿書類を電子化(スキャナ保存)して保存できる
3.電子取引で用いた電子データは、電子データのまま保存しなければならない

‟電子的に帳簿や書類を保存しても良い”と認める電子帳簿保存法ですが、「3つ目の項目が義務化され、かつ期限が設定されていることがみなさまの悩みの種になっている」と四之宮は話します。
 
そして、invoiceAgentは「検索機能の確保」「真実性の確保」など、要件をクリアしたうえで電子帳簿保存に対応するのに十分な機能が備わった製品です。クイズの前に用意されたセミナーでは、真実性の確保をクリアするための3要件のうちどれを選べばコストと確実性を両立できるのかについて、各メリット・デメリットを比較しながら解説されました。
 
さらに、経過措置も含めたインボイス制度の概要と、適格請求書の発行・受領にあたって10月1日から我々は何をすべきかも重要なトピックです。
 
電子帳簿保存法とインボイス制度、それぞれに関して出題された、〇×クイズの答えをみなさまもぜひ考えてみてください!

【電子帳簿保存法に関する〇×クイズ】
 
(1)電子メールで受領した添付ファイルの文書を印刷して社内承認時に押印している。押印後の紙を保管すれば、受領した添付ファイルは保存しなくてよい。〇か×か?
(2)メールに添付されたPDFファイルを受領後、同じ内容を郵送で紙も受領している場合、両方を保存する必要がある。〇か×か?
(3)電子メールで受領した添付ファイルをinvoiceAgent文書管理のクラウド版に保存する場合、訂正削除が考慮されたシステムの利用で真実性が確保できる。〇か×か?
 
【インボイス制度に関する〇×クイズ】
 
(1)仕入先が免税事業者の場合、仕入先に適格請求書発行事業者の申請をしてもらうよう要請してもよい。〇か×か?
(2)タクシーについても適格請求書を発行してもらう必要がある。〇か×か?
(3)社員に支給する国内の出張旅費も適格請求書の保存が必要である。〇か×か?

それぞれの正解は、以下の通りです。
 
【電子帳簿保存法に関するクイズ】
 
(1)×
(2)×
(3)×
 
【インボイス制度に関するクイズ】
 
(1)〇
(2)〇
(3)×
 
セミナー本番では、それぞれの理由や補足事項についても詳しく解説がなされ、リアルタイムでの質疑応答の時間も設けられました。

「nest Award 2023」を「株式会社ロジクエスト」「株式会社西武ホールディングス」が受賞!

イベントの最後には、『nest Award 2023』の表彰も行われました。
 
ビジネスドキュメントのデジタル化を真摯に進め、ほかの多くの企業の参考となる取り組みを行い、事例取材やウイングアーク1st主催イベントへの登壇を通じてその製品・サービスの認知拡大及び事業成長に貢献された企業に贈られるこのアワード。
 
今年受賞したのは「株式会社ロジクエスト」、「株式会社西武ホールディングス」の2社でした!

▲写真右:株式会社ロジクエスト 後平 佐保子さん
(写真左:ウイングアーク1st株式会社 取締役 執行役員事業統括担当 兼 CTO 島澤 甲)
▲写真右:株式会社西武ホールディングス 鈴木 恭人さん

株式会社ロジクエストは、invoiceAgent導入によって全国の委託ドライバーから受領する月7,000枚の月報兼請求書の電子化を実現。物流業界ならではの紙文化の変革に積極的に取り組み、社内外のデジタルリテラシー教育や泥臭い業務改革にも果敢に取り組まれた企業です。
 
事例記事はコチラ↓
 
https://www.wingarc.com/product/usecase/377.html

パネルディスカッションにも登壇いただいた、株式会社西武ホールディングスは、前述の通り、請求書の電子化からスタートし、グループ全体のデジタル経営を見据えた経理業務の改革に着手。昨年はウイングアーク1st主催の国内最大のカンファレンスイベント『updataDX22』にも登壇いただきました。
 
事例記事はコチラ↓
 
https://www.wingarc.com/product/usecase/596.html
 
トロフィー贈呈、受賞コメントと事例の紹介を経て、『nest Conference 23 帳票DX編』は無事終了いたしました。

▲登壇者集合写真

さらに、イベント後には交流会も開催。カスタマーサポートや、同じ課題に取り組む他者のみなさまとの人脈づくり、ナレッジ・ノウハウ共有の舞台として、多くの方にご参加いただきました!

終わりに

2023年、念願のリアル開催となった『nest Conference 23 帳票DX編』。インボイス制度や電子帳簿保存法などデジタル化に伴う大変革に追われるなかで、悩みを抱える帳票デジタル化推進者のみなさまに、少しでも貢献できたのではないかと思います。
 
登壇いただいた方々はもとより、セッションにご参加、あるいは日頃からnestコミュニティを支えてくださっているみなさま、本当にありがとうございました!
 
また、本記事をご覧になっていただいたみなさまにも深く感謝申し上げます。もしウイングアーク1stの製品やnest主催イベントにご興味がおありでしたら、nest Membership Portalのイベント情報をご確認ください!

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(テキスト:宮田文机)


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