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製造業の叡智を共有しあう、ものづくりコミュニティ|#ものづくり相談室

今年の和歌山ものづくり文化祭の出展企業数は26社。今年はチャットツール「Discord」を使って本祭に向けて活発にコミュニケーションを取っています。

運営のお知らせだけでなく、各社の情報情感もDiscordで!

これだけたくさんの企業があつまるのに、「文化祭どうする?」だけじゃもったいない!
「この加工ってどうしたらいいんだろう?」「こういうモノが欲しいんだけど、誰か作ってもらえないかな?」という悩みをシェアすれば誰かが解決できるのでは?
そこで出展企業どうしで気軽に相談しあえる「#ものづくり相談室」というチャンネル(※ 掲示板のスレッドのように特定の話題についてDiscord上で情報交換ができる部屋)を作ったところ、さっそく出展者どうしのナレッジシェアが実現しました!!

(書き手:和歌山ものづくり文化祭実行委員長 菊井健一)


きっかけは、Discordでのやりとり

上述のとおり、せっかくものづくり企業が集まったコミュニティなので気軽に技術的な相談がしあえる場所があってもいいのでは?
そんな軽い気持ちで #ものづくり相談室 を立ち上げたところ、すぐに和歌山大学ソーラーカープロジェクトさんから企業に向けて質問を上げていただきました!
(大学生とは思えない前のめりな姿勢、最高です)

・溶接の注意(例:アルミニウムと他の金属の溶接の違い)
・ハンドルやブレーキ機構の設計の仕方
・材料を強度の視点からどのように使い分けるか。
・旋盤での部品のねじ切り速度を知りたい。
・溶接以外で金属同士をくっつける方法。
・3次元局面のカウルの型をCAD通りに出して欲しい。

一部のみ抜粋

・・・ね?専門的過ぎて、何言ってるか分からないでしょ?笑
こんなマニアックな質問にも誰かが答えるのが、もの文というコミュニティ。さまざまな加工のプロフェッショナルが、すぐに知識を惜しげもなく共有してくれました。

さらに、大学生が頼ってくれてるんやから、チャットだけじゃなく、もう一肌脱がなきゃいかんやろ!
ということで、実行委員長キクイも同行して、精密金属加工のプロフェッショナル・西原精工さんを見学してきました。

(実は菊井も西原さんに行きたかったのは内緒。)

道を究める者どうしのナレッジの共有

京奈和自動車道から、紀の川東インターを降りて3分。
京奈和が出来てから紀北エリアは一気にアクセスが良くなったなぁ~と思いながら、西原精工さんの工場へ。
しっかりと資料まで用意してくれた西原さんの案内で、まずは会社説明をいただきました。

ミクロンレベルの加工精度を誇り、先端設備がずらりと並ぶ西原精工さんですが、その創業は大正10年。もとはメリヤス(和歌山ニット)製造に欠かせない針の製造がはじまりで、今では治具や産業用刃物など1個から加工する精密加工技術を得意とする会社です。
ちなみに菊井鋏製作所でも、ハサミ加工のための治具の加工をお願いしています。

そんな西原さんの会社にはマシニングセンターや放電加工機など、先端設備がずらりと並んでいます。
金属の加工をやっている和歌山大学の学生たちも初めて目にする加工機に目をキラキラと輝かせていました!

また、Discordで事前に質問していた「溶接以外で金属を接合する方法を知りたい」も、「ウチではロウ付けをやってるよ」とその技術を間近で見学。
その職人技を食い入るように見ていました。

工場のなかで体験するワークショップ

「せっかく来てもろたし、もの文本祭に向けてウチが準備している体験コンテンツ試してもらっていい?」
そう言って、試行中の体験も実際にやらせてもらえました。
詳しくはまだ言えませんが・・・
このために制作した「ある装置」に精密加工へのこだわりが詰め込まれた体験内容になっています。

どんな体験ワークショップか気になる方は、もの文ホームページから西原精工さんが所属する「Team輝のくに」をチェックしてみてください!(10月末に情報解禁予定)

また、もの文は1つの会場に26社が集まって体験を提供しますが、このイベントを経験することで各社が「工場に来た人にものづくりの体験をしてもらう」スキルが格段に上がっています。
・・・というか、実はもの文のように「ブースで自社の技術を体験してもう」ほうが難しくて、設備の整った工場に来てやってもらう方が、いろんな体験をしてもらいやすいのです。
今後、もの文に参加した各社が自社工場を舞台にものづくり体験イベントや工場見学会をやっていけたら、新しい工場の価値が生まれるのではないかと感じています。

ものづくりのプロどうしが知見をシェアしあうことで、共創と技術革新が生まれる

今回は出展者どうしの工場見学。
西原さんと大学生のやりとりを聞きながら、工場を見せる側と見る側が「もの文」を通じて関係性ができているからこそ、ただの工場見学に終わらない刺激的な意見交換につながると感じました。

もの文には金属加工だけでなく、木工、漆芸、繊維などなど、さまざまな産地の一番星が集まっています。
このるつぼのなかで工場を見せあったり、それぞれの知見を共有しあったりするだけでも、和歌山のものづくりをより魅力的にするイノベーションが生まれるんじゃないか。
そんなワクワクするような刺激を、西原精工さん・和歌山大学ソーラーカープロジェクトさんからいただきました。

あーー、楽しかった。いっしょに行ってよかった!

和歌山で優れた技術を誇る、様々なジャンルの製造業。
その叡智が集まる和歌山ものづくり文化祭だからこそ、これからも有意義な交流の機会を広げていきたいなと思います。

西原精工株式会社
所在地 和歌山県紀の川市猪垣4-1
会社HP http://www.nishihara-seiko.co.jp/

和歌山大学ソーラーカープロジェクト
会社HP https://wadaisolarcar.wixsite.com/0803
Twitter Instagram Facebook

書き手
菊井健一|和歌山ものづくり文化祭 実行委員長
有限会社菊井鋏製作所 代表取締役。祖父の代から続く美容ハサミ製造会社の3代目としてものづくりに携わる。2022年、和歌山ものづくり文化祭を企画し、実行委員長を務める。自宅の庭で海外ビール片手にBBQをするのが至福の時間。

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