ワンダフル通信<2021.09.15>
「Sundayカミデの100年の話」
好きだったお店が無くなっていく。
最初にそれを体験したのは、小学生の頃に誕生日には必ず、自分でケーキを買いに行っていたお店だ。
お店の名前は、シャルラン。
家の近所にあった。
小学3年生になって僕は、ずっと続けていたラグビースクールの他に、ソフトボールチームにも入った。
ソフトボールチームは小学4年生になって監督が変わった。新しく監督としてやって来たのが、ケーキ屋さんのシャルランのおじさんだった。
それから、シャルランのおじさんは、お店では優しく声をかけてくれて、ソフトボールの練習中は、とても厳しかった。
2年後、僕達は近畿大会に出場していた。ここで優勝すれば、全国大会だ。
しかし、3回戦で僕達は敗退した。
最後のアウトは、僕のホームスチール失敗のアウトだった。やらなくていいミスだった。
やがて、僕は中学生になった。
シャルランは、その頃に無くなった。
今でも、あのアウトを後悔する事がある。
シャルランに行って、監督に何度もあれは仕方なかったと言ってもらう予定だった。
その同じ頃に、もうひとつ好きなお店が無くなっていた。その名もサンデーだ。
ここから先は
5,183字
/
12画像
¥ 200