ワンダフル通信<2021.01.27>
「Sundayカミデのワットの話」
20人くらいに囲まれた事がある。
17歳の夏。
地元から少し離れた町で、バイクに乗った集団と、一瞬、睨み合いになった。
僕は、おじいちゃんの形見のお洒落な古い自転車を乗っていた。サドルも、全体的なボディも白い、アンティークな自転車だ。
部活の後、アルバイトが無い日は塾に通っていた。お洒落な自転車で、颯爽と塾に向かう時間は、特に気に入っていた。
好きなスポーツをやって、好きなアルバイトがお休みで、好きな勉強をしに、好きな自転車で向かう。
そんな、お気に入りの時間に、現れたバイクの集団。
僕の行きたい方向を遮って、道路の真ん中で止まっていた。
たくさんのエンジン音。
中学の頃と違って、めっきり喧嘩をすると言う事から遠ざかっていたので、何とか穏便に済まそうと思った瞬間、出た言葉がこれだった。
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