ワンダフル通信<2021.04.07>
「Sundayカミデのお弁当の話」
モデルさん達が、ランウェイを次々と歩いて、その後に、A.S.Pがアコースティックで3曲だけライブをして、その後、当時現役真っ只中だった、キックボクサーの魔裟斗さんがゲストトークでステージに立ち、それを、最前列のVIP席で観ている、アルフィーの坂崎幸之助さんが居ました。
A.S.Pの楽屋は、吉本の芸人さんのおかけんたさんと同じでした。
その横は、大きな楽屋で30人くらいのモデルさん達が、ひしめき合っていました。
これは、15年くらい前にあったファッションショーのイベントのお話しです。
他にも、著名な方々がたくさん居たと思います。とにかく、全てが煌びやかで、全てがすぐ無くなってしまいそうな淡い世界でした。
ショーの後、大きな会場は、ビュッフェスタイルに変わり、大勢の人達がシャンパン片手に綺麗に盛り付けられた、何か分からない食べ物をお皿に取っていました。
その会場で、ひときわ目立っていたのが、モデルの人達です。
みなさん、優雅に、たくさんの食べ物をお皿に取っていました。
闘いなんだな。
僕は思いました。
よく食べるけど細い。細いけどよく食べる。
と言う、演出のように感じました。
どこかで、厳しい食事制限をしながら、本番終わりのパーティー会場では、たくさん食べる。体重制限のあるアスリートのようです。
僕の働くトレーニングジムにも、昔はよくモデルの人達が来ていました。そう言う人達の食事の管理には、いつもとても勉強になりました。とにかくストイックです。
アスリートもモデルも、食事は大きな役割を果たします。
食べる闘い、食べない闘い。食べているように見せる闘い。
それぞれ、目的は違いますが、食事が闘いである事には、違いは無いと思います。
土井善晴先生も、食は闘いだと何かでおっしゃっていました。
僕のお父さんは、食は仇と言っていました。これは、戦時中、何よりも食べる物がなかった事が最も恐るべき敵であったと言う意味です。
THE ローレルズも、同じ頃に、ファッションショーのイベントに呼ばれた事がありました。
僕がボーカルで総勢10人くらいのブラスロックバンドでした。ファッションショーには、全然噛み合わないライブを展開したのが、よい思い出です。
その時は、モデルさん達のショーは、観ませんでした。
観てしまうと、自分のライブが華やかな雰囲気に影響される気がしてました。
本当にたくさんのモデルさん達を、一度に見ると圧倒されてしまいます。類稀なるスタイルの人達が、綺麗な姿勢、鋭い歩き方でランウェイを進む姿は圧巻です。
僕は、若い頃、キャンペーンガールの人達とよくお仕事をしていました。
オーディションを通過した女性の人達に、新しいユニフォームを配ったり、イベント当日にハイエースで集合場所に行き、何人ものモデルさん達を乗せて会場に行ったり、飾られた最新の車の前に並ぶモデルさん達の位置を決めたりと、なかなか気配りのいる、精神的にハードな仕事でした。
カメラ小僧と言われるオジさん達を、定位置に戻るようにガイドするのも、一苦労でした。
時代と共に、人前に立つ、女性の仕事の表記は変わって行くと思います。美の基準や、美の多様性も変化して行くと思います。
美を競うと言う事は、遥か古代から延々と続いていて、その時代、その時代にフォーマットは変わり続けています。そして、その是非をいつの時代も問われて来たのだと思います。
今は、フィットネスモデルや、ライフモデルと言うカテゴリーが主流になりつつあります。
そうやって時代は、変化し続けています。
でも、あの時、僕が見た女性の人達の闘う美しさは、今も忘れる事はありません。
当時、キャンペーンガールの人達に色んな言葉をもらいました。
カミデくんの3倍くらいのギャラを、私達はもらってるからね、張り切って今日も行ってくる。
カミデちゃん、カメラ小僧のオジさん達にはね、あまり厳しくしないでね、人気商売だからね。私達は。
カミデ!私のユニフォーム、明日、ワンサイズ小さいの用意しといて!最近、ダイエットしてるの知ってるでしょ。
カミデさん、今日は帰りもハイエース乗ります。彼氏と別れたんで。
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