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死んでしまった父がものを食べられなくなった時の話
こんにちは! 猿田信司です。
あなたは、誤嚥(ごえん)という言葉を知っていますか?
食べたものを飲み込み、食道をとおすことを、
嚥下(えんげ)と言います。
誤嚥とは、食べたものが食道に行かず、
肺の方に行ってしまうことです。
老化により、食べることもできなくなった状態です。
そして、食べたものが肺にたまり、
肺炎になるのが、誤嚥性肺炎です。
死因で、肺炎が多いのは、
誤嚥性肺炎のせいだと、私は思っています。
なぜなら、両親ともに、
死因は誤嚥性肺炎だったからです。
最初は父でした
特別養護老人ホームに入った両親ですが、
少しづつおとろえていくのを感じていました。
両親ともに、会いに言っても、
話すこともできず、ただただ寝ている。
老人ホームと病院を行ったり来たり、
入院しては、老人ホームに戻る
ということを繰り返していました。
正直なところ、「もう長くないな」と
私も思っていました。
そして、決定的だったのが、
父の誤嚥性肺炎でした。
誤嚥性肺炎
老人ホームからの連絡で、父が入院したことを知り、
病院に向かうと、先生から言われました。
父が誤嚥性肺炎を発病したこと。
もう、口からものを食べることはできないこと。
食べ物を食べなくても、”つば”ですら誤嚥してしまうこと。
胃ろう
ここで私は、選択を迫られました。
胃ろうを作るか、作らないかです。
胃ろうとは、口から食べられない人が、
胃に直接食べ物を入れるため、
胃へのチューブを作ることです。
しかし、胃ろうを作ってしまうと、
本人の意思以上に生かされてしまう
可能性がありました。
その時にはもう、父との意思疎通が
できない状態だったので、
本人に確認することもできません。
栄養剤注射
胃ろうを作らない場合は、
栄養剤注射になります。
注射と言っても、
腕にするような注射ではありません。
その栄養剤は、濃すぎるので、
腕のような細い血管だと、血管が腐ってしまうので、
股間の鼠径部にある太い血管に注射するんだそうです。
ですが、栄養剤注射だと、
もって一か月程度だとも言われました。
究極の選択
事実上、父の寿命を
私が決めないといけなくなりました。
胃ろうを作れば、長生きできるかもしれない。
栄養剤注射だと一か月ほど。
でも、今の話すこともできない、
生きているか死んでいるかわからないような状況で、
長生きさせていいのか?
いくら考えてもわからないので、
私だったらどうだろう?と考えました。
口から、ものを食べられないというのは、
生き物としてもう終わってる。
私だったら、必要以上に
生かされたいとは思わない。
私は、胃ろうを作らない選択をしました。
この時から、父が生きて
病院を出ることはありませんでした。
しかし、不思議なことに、
一か月ほどと先生は言っていましたが、
父はこの後、半年ほど生きていました。
私がした選択は、正しかったのか、
間違っていたのかは、わかりません。
ですが、結果的には良かったのかな
と、今では思っています。
なぜ良かったと思うのかは、
これから書いていきます。
最後までお読みくださり、
ありがとうございました。
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