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すっかり隙間G1になっちゃった天皇賞春がやってくる

ゴールデンウィークが今週末から始まります。元は映画業界の書き入れ時を現す言葉だったようですが、そんなこと知ったこっちゃない。今や日本の文化を象徴する
法改正を重ねて無理矢理休まされる一大イベント。
国が休めと言っている、世間が遊べと迫り来る。

ただ、競馬オタクはそれでも馬券を買うのです。毎年ゴールデンウィークは天皇賞(春)から始まりNHKマイルカップで終わります。

通常は淀の3200mで争われるレース。僕の青春時代はその時代を代表する名馬が集結し、覇を競うレースでした。
メジロマックイーン、ライスシャワー、サクラローレル、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーなどなど錚々たるメンバーが歴代優勝馬に並びます。2000年代前半までは、確かにNo. 1ホースを決める頂上決戦でした。

様子が変わってきたのはおそらく、2004年から。前年の2003年にヒシミラクルが大穴を開けたものの、なんだかんだで菊花賞馬。宝塚記念も制して「穴を開けた馬だけど強さにみんなが気づかなかっただけ」とも受け取れる活躍を見せたのです。が2004年のレースは違いました。勝ったのは10番人気のイングランディーレ。スタート直後から押して押して先頭に立ち、そのまま3200mを逃げ切ります。

この天皇賞、実は現地で観戦していた僕。前年の菊花賞馬ザッツザプレンティを本命に盛大に擦ったわけですが、、、自分を慰めるために人気上位5頭を並べてみます。
1番人気 リンカーン
2番人気 ネオユニバース
3番人気 ザッツザプレンティ
4番人気 ゼンノロブロイ
5番人気 シルクフェイマス
前年の二冠馬ネオユニバースは今思うと3歳で終了。1番人気のリンカーンはG1を取れる器ではなかった。
この年の春に天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念とG1を三連勝するゼンノロブロイが2着に来たのが救いのレース。

この2004年を境に天皇賞春の傾向は一変します。翌年の2005年は13番人気のスズカマンボが勝利。もちろん生涯唯一のG1タイトルでした。その後もディープインパクトなどの名馬を挟みつつ、アドマイヤジュピタ、マイネルキッツ、ジャガーメイル、ヒルノダムール…
徐々に「天皇賞春しか勝てない馬が勝つG1」となっていきます。そりゃそうだ、3200mのG1はこのレースだけ。3000mの菊花賞は3歳限定でそもそもの条件が違う。次に長いのは2500mの有馬記念。今では天皇賞春を勝っても種牡馬価値は上がらず。かろうじて2016年2017年を連覇したキタサンブラックが最後の大もの天皇賞春勝利馬と言えるでしょうか。

さらに昨年から京都競馬場は大規模改修に突入。天皇賞春は3年間阪神競馬場で行われます。阪神3200mは、コース形状からよりスタミナとパワーが必要になるといわれています。そうなったら、もう余計、他ではお呼びでない馬の出番です。

今年のメンバーを見ると、人気上位は「いかにも」な面子。1番人気であろうディープボンドは昨年の2着馬でその後フランスの凱旋門賞に挑戦。2番人気になりそうな昨年の菊花賞馬タイトルホルダーです。
両者とも近年の天皇賞春好走馬に必須とされる、ヨーロッパ型の重たい血を血統表に持っています。

と言ってもそれでも荒れるのが今の天皇賞春。中穴くらいは狙わないと、どこでおいしい馬券を的中させられるのか。
そんなあなたにおすすめは、4連勝でここまでやってきた上がり馬テーオーロイヤルです。おそらく3番人気ですがもしかすると単勝10倍以上で馬連や3連単でも思わぬ高配当にありつけるかも。

父リオンディーズ、母父マンハッタンカフェ。サンデーサイレンスの3×4のクロスをもち、まだ何にでもなれるもしかするとここを勝ってどんどん出世するかもしれない。
ほんの少しの冒険で、新たなスターの誕生に立ち会えるかも。鞍上の菱田裕二騎手は今までG1勝利なし。ファン心理として、今買わない手はないんじゃない?

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前田寛文@週刊ひがしおおさかの編集長
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