3月の「私の履歴書」が浮川和宣さんなので毎日ワクワクしながら読んでました。
早いもので今日で3月も終わり。最高にバタバタした年度末でしたが、月初に3月31日の朝刊の話題は決めていました。
日本経済新聞の人気連載である「私の履歴書」が今月、MetaMoJiの浮川和宣さんだったのです。
私の履歴書とは、各界の著名人が生まれてから連載時に至るまでの半生を描く履歴書風の自伝。履歴書に書く職歴を自分で語るような。
経済人を中心に、スポーツ選手や芸能人もたまに登場します。元プロ野球選手の野村克也さんや、アイリスオーヤマの大山健太郎さんが登場した時はSNSでも話題になりました。
子供の頃から伝記が大好きだった僕は、毎朝楽しみに読んでいます。この連載を読むために日経電子版の契約してるようなもん。
MetaMoJiの浮川さんは、僕がずっと使ってきた日本語入力システム「ATOK」を作ったジャストシステムの創業者。30歳でジャストシステムを立ち上げて一太郎で一世を風靡し僕がまだ大学生だった1995年、NHKスペシャル「新・電子立国」にてその創業と成長がドキュメンタリーとして放映されました。
それはそれは憧れましたよ。
一太郎は結局、1990年代後半にマイクロソフトのWordに完全に取って代わられます。そりゃ、買ったパソコンにOSと一緒にプリインストールされてるソフトがありゃそっち使いますわ。
僕は2000年にパソコンサポートの仕事を起業し、さまざまな現場を回りました。当初は郵便局や学校、警察などでまだ現役だった一太郎もどんどんシェアを奪われていく。それでも「日本語入力システムだけはATOKがいい」って人がたくさんいました。
2009年、リーマンショックが最後の打撃となりジャストシステムはキーエンスの傘下に。創業者である浮川さんはジャストシステムを退社します。その時60歳。
その辺りの経緯はぜひ、連載を読んでいただくとして、僕が気になっていたことがひとつ。
前述の新・電子立国で浮川さんと専務で配偶者の初子さんともに出演されていた一太郎の開発を行った福良伴昭さんが、キーエンスが筆頭株主になったジャストシステムの社長に就任しているのです。
連載の中で浮川さんが「自分たちがジャストシステムを去る際にキーエンスに出した条件が社長福良だった」と話しています。
福良さんも2016年にジャストシステムを退社されています。今何をされているのか。ネットに情報はありません。
浮川さんは退職後、ジャストシステムの基礎研究チームを率いてMetaMoJiをスタートさせます。
iPad黎明期にリリースされた手書き日本語入力ソフトの「7note」の出来がびっくりするくらいよく、それがMetaMoJiの製品だと知った時は、感動しました。
今は建設現場や教育現場向けにアプリをリリースするMetaMoJi。そういや学校の先生方から「クラスルームを使って」って言葉をたまに聞きます。それってMetaMoJiの主力商品「Classroom」のことなんですね。
「私の履歴書」は、多くの場合
第一線を退いた著名人の今で言うエンディングノート
になってしまいます。
なので月末の最終回には、家族への感謝や世話になった人への言葉が綴られることも。
しかし浮川さんは、今日
「大きな会社の社長業はつまらなかった」
とすごいことをぶっ込んでいます。
製品開発をし続けたいと。
そりゃあんた、会社手放すことになるわ。
とツッコミつつ、僕もたぶんそっち側なんだろうと思いつつ、一か月楽しませていただいたことに感謝したいと思います。
福良さん、今何してるんだろうなあ。