星組『王家に捧ぐ歌』感想-新解釈衣装も無問題な礼真琴クオリティ
先行画像、ポスターが出た時、礼真琴推しでお顔大好きな私ですら、「ポテンシャル発揮されてない…!制作部隊手抜きしてないか?」と思ってました。
(舞空瞳だってもっとかわいいのに!!)
そして、全然抽選も当たらないし、コロナだし参戦やめとくか…と本当は一般発売日を忘れてて、参戦し損ねたことを自己正当化。
でも、配信みたら、「えっ面白い…カッコ良い…」となり、迷わずBlu-rayを購入したのでした。
★全般的な感想
もしかして、2003年湖月わたる版、2015年朝夏まなと版を予習していたら、やっぱり金ピカの衣装がよかった!!と思ったかもしれませんが、新解釈しか知らないことが功を奏し?私は問題ありませんでした。笑
やっぱり第一には、音楽がいい。
壮大な曲からネタ曲まで幅広いし、耳に残るメロディも多数。
そもそも別箱なので舞台美術もけっこうシンプルですが、むしろ主要三役はじめ歌を聞かせる役者さん多めなので、演者の力量がシンプルな舞台美術に映えてよかったと思います。
もう最初に出てきた瞬間から、礼真琴は衣装もカツラもメイクもポスターの10倍良くて、やっぱりカッコ良い〜と思わせてくれますし、舞空瞳も可愛いし、深いスリットの衣装からチラつくおみ足に、かなり目が行ってしまいました。笑
★忘れちゃいけない、アイーダとアムネリスの好演
歌の多さはラダメス>アムネリス>アイーダで、主演のみならず、この3人の舞台での激しいぶつかり合いに感動…!
物語のキーとも言えるエジプト王女アムネリス、その演者・有沙瞳はやっぱり素晴らしかった。
強いていうなら、衣装の色味とフォルムももっと有沙瞳仕様にしてくれたらよかったのに…と思ったくらいで、演技も歌も流石でした。有沙瞳は強い女でより輝くのです。
そして、これは完全に主観ですが、舞空瞳から本来のタイトルロールをトップ娘役として演じ切る覚悟が伝わってきて、こちらも目が離せませんでした(※もしかして、スタイルの良さもあるかも)
これまでもダンスで目が離せない舞空瞳でしたが、今作は静の演技でも魅せてくれる感じ。
若き星のプリンセスが確実に一作一作積み重ねていく姿に、どんどん惹かれていかざるを得ない。
★凛々しくなったロミオ、それがラダメス
話の構成は対立する立場にある男女2人のすれ違い、悲恋が軸で、ロミジュリを彷彿とさせます。
(実は配信初見時、冒頭のシーンを見て、あれ?ロミジュリやん、と思った)
ロミオとラダメスを比較すると
・リーダー的ポジション
(ロミオはモンタギュー家の跡取り、ラダメスは将軍)
・道徳的なキャラで人望が厚い
・だけど、孤独も感じている
・一途で情熱的
・うっかり罪を犯してしまう
と、人物像もかなり近いように見えるのですが、決定的に違うのは成熟度。
ロミオは恋に恋する少年、対してラダメスはすでに立派な将軍。
ロミオが頼りないピュアな雰囲気でいっぱいなのに対して、ラダメスはもっと立場があり、冷静でケジメのある男なのです。
ポイントは男らしくグイッとくるときもありつつ、普段は常識的で紳士なところ。
(惚れた女が絡んだ時だけ熱くなるなんて、いままでそんな少女漫画のヒーローみたいな役あったっけ尊い)
1番対照的なのは2人が罪を犯すシーン。
※以下はネタバレになるので、未見の方はご注意※
ロミオはカッとなってティボルトを刺殺してしまいますが、その後自分の犯した罪におののき、一時逃亡、そして頭を冷やして改めて出頭してきます。
からくも国外追放で済んだものの、愛するジュリエットとの別れに死んだも同然の嘆きよう。
ラダメスはアイーダと亡命するために、ファラオの警護が手薄になるタイミングをアイーダに話してしまい、(とはいえ警護がまだいたのに)ウバルドにファラオを暗殺する隙を与えてしまいます。
自らが犯した罪を悟ると、即自白、そして収監…
ファラオとなったアムネリスに、どうかアイーダに騙されたと言ってほしいと懇願されても頑とせず、ファラオは裏切り者を処刑すべきと静かに述べるのみ。
誇り高き男なのです…
もうジュリエットに会えない辛さを嘆いて死ぬロミオと、アイーダが生きていることだけに希望を見出し、運命を受け入れるラダメス。
もしかするとロミオが成長した先の姿がラダメスなのかも…などと想像してしまいました。
※ネタバレここまで※
という訳でああ、生で見たかったなぁ。
やっぱりチケットのスケジュールはちゃんと押さえないとですね…
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