ライブハウスの話

狭い空間に同じ目的を持った人たちが集まる.隣を見れば知らない顔.それなのに気がつけば水を回し飲みする仲になっている.ただ同じ音楽が好きだと言う共通点だけで集まった人たちと,その日限りの楽しさを共有する.ライブハウスという非日常的環境はわたしにとって不可欠だ.

未だ終息していないウイルスを拡散させる場として真っ先に挙げられたのがこのライブハウスという小さな箱だ.

音楽がなくても生きていけた人たちがSNSにライブハウスの悪口...というかライブハウスなんて無くなればいいなどと発言しているのを見かけた.わたしは酷く悲しく思った.

わたしのように音楽に救われて今日まで生きてこれた人たちは一定数いる.ライブハウスで生の音楽を感じることでストレスを発散できるし,自分でも知らなかった自分をさらけ出すことだってできる.

緊急事態宣言が解除されたとしても,きっとライブを再開するのには時間がかかる.それどころかライブを開催しようものならまた例によって心無い言葉を吐く人たちが現れるに違いない.

わたしにとってライブは生きるために必要だ.ライブの予定があるからこそ自分が苦手なことや嫌だと思うことを頑張ってこれた.次いつまたライブに行けるか分からない今,何に対しても妙にネガティブな考えをしてしまう.

もしも今まで通っていたライブハウスがこの異常事態によって無くなってしまったら...なんて考えてしまう.

わたしはただの学生で,財力なんてまるでない.ライブハウスの経営を支えることなど出来ない.それでも大好きなライブハウスたちがこれからも存在し続けてほしい.

わたしの住む県では,県内のライブハウスを応援する活動としてチャリティTシャツを販売している.わたしが1枚買ったところでどれだけの力になるかは分からないが,買わせてもらった.

県内のライブハウスの名前が背中に書かれたダサくてかっこいいTシャツを着て,また大好きなあの場所へ行って,声が枯れるまで叫びたい.

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