「ジゼル」ウクライナ国立バレエ
大阪フェスティバルホールで。待ちに待った、ジゼル。Wikipediaでジゼルのあらすじを予習してからの参戦です。
素朴でういういしい感じの村娘の踊りからはじまり、アブレヒトという遊び人の金持ちが登場、ジゼルに求愛します。はにかみながらも嬉しそうなジゼルに、ヒラリオンは「あの男はやめとけ!」と忠告しますが「俺にしとけって!」の一言がよけいで無下にあしらわれます。
お友達の結婚式で楽しそうに踊るジゼルとアブレヒトに、ヒラリオンはアブレヒトの素性を教え貴族の婚約者があるとまて暴露します。
錯乱し、自分にナイフをつきたて、バタッと絶命するジゼル。嘆くおかあさまに一番心を寄せました。
友人によると、一幕から「ウィリ」がでてくる演出は珍しいとのこと。
なんでも、「結婚せずに死んだ女性はウィリという妖精になる」のだとか。
それって、結婚してるかどうかって何で判断されるの?戸籍?事実婚の人は?結婚云々かではなくて処女かどうかってことなのかな?
二幕。
お母様がジゼルのお墓にすがり付いて泣いています。鐘がなると名残惜しそうに立ち上がりトボトボと帰路につきます。きっと家で夫やこどもの世話があるのでしょう。主婦は娘の死すら思うように悲しむ時間はないのです。
ジゼルのお墓のまわりには白いベールをかぶった美しく妖しいウィリが大勢登場します。ウィリたちは幻想的な動きで、墓に訪れたヒラリオンを惑わして気づいたときにはすっかり取り囲み、ヒラリオンは意識が混濁して息を引き取ります。
アブレヒトも登場。ウィリとなったジゼルは喜んで二人で踊りますが、やはり、ウィリたちに取り囲まれて追い詰められて死にます。
死んだ後、二人は晴れ晴れとして、仲良く踊り結ばれるのでした。
ジゼルを踊ったこともあるという友人によると、
「オリジナルでは、ジゼルのお願いによって、アブレヒトだけは死なずに済む。騙されたジゼルと真実を伝えたヒラリオンだけが死ぬのはいつもおかしいと思ってた。死んでなお騙され続けるジゼルが愚か。この演出は、悪人のアブレヒトがちゃんと死んでよかった!現代にあってる!」
と。
私も同意見です。
ストーカー気味のヒラリオンと、ジゴロなアブレヒトを、ウィリたちが力をあわせて美しく追い詰め復讐してくれたように思えて、スッキリしました!
と。ここで、監督の寺田さんのお話しでは全然違って、
「ウクライナでは、戦争で多くの人が実際に命を落としている。死んでも恋人同士魂は結ばれると、そういうストーリーにしたかった」
(泣)
(泣泣)
どうか、多くの魂がとこしえに結ばれますように。
それが死後ではなく、生きた世界で、結ばれますように。願わずにはいられません。
さて。バレエ「ジゼル」とても気に入りました。素晴らしい舞台をありがとうございました✨