【990】売りたいなら売られろ
注文住宅の営業を受けました。
対応くださった方は、背が高く30代後半の素敵な男性で、笑顔と低い声から安心感がありました。彼がどの程度売っているの人かは分からないものの、地域マネージャーのような雰囲気です。
そして、めっちゃ欲しくなりました!
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今回僕は一人で出向き、まずは父一人で、今から一から探すという状態だったので、彼は最初に持ち家の種類と注文住宅における各メーカーの特徴、そして今回の会社が提供している特徴などを説明しつつ、僕に質問をしながら話を広げていきました。妻や娘が同席していたら別なのでしょうが、一方的に話をされました。
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彼が会社の特徴を強調するために話を展開するのは当然ですが、その中には僕が知らなかった情報も混じっていました。
例えば、家を建てる費用について考える場合、土地と建物の価格は当たり前ですが、メンテナンスコスト(例えば屋根や壁の塗装などの修繕費)も重要です。この2点は知っていましたが、さらにランニングコスト(例えば光熱費など)も考慮するべきだという視点を提供されました。家が木造か鉄筋か、どのような断熱材を使うかなど、資材と構造によって電気代が年間でどれくらいかかるのかは全く異なるそうです。彼が提供した数字では、年間十数万円安くなるとのこと。
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新築を検討する人たちには当たり前のことなのかもしれませんが、少なくとも僕は、資材などによって電気代に大きな差が出るとは思ってもいませんでした。
しかしながら、そのような視点を渡されて比較すると、その会社が最も良い選択肢であるという結論に達します。顧客の"教育"とともに、自社のアピールが見事でした。
後から算出条件を考えるといろいろとツッコミどころもありましたが、その場では"催眠"にでもかけられたかのように、めちゃええやん!と思ってしまいました。
タイムスケジュールについても、僕の状況と要望から、いろいろと理由をつけて、あと1ヶ月以内に発注するメーカーを決めるべきだと、催眠が解ける前に動けと急かされます。本当に催眠状態のようで、まったく不快じゃないどころか、むしろ積極的に当社の良さを探そうとしているから不思議です。
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帰るときには「お子さんは男の子ですか?女の子ですか?」と聞かれました。僕が女の子だと答えると、すみっコぐらしのマスコット人形をプレゼントしてくれました。
この質問の建前は、お土産を男の子用か女の子用か選ぶためですが、まんまと顧客情報を持っていかれました。自宅に帰って、お土産を娘に渡したら、大喜び。返報性とリマインダーの役割で、当社を選択肢から外さないようにされる"お土産"となりました。
僕も学習塾の営業として、新規の生徒さんに弟妹がいるかどうかの情報は必要です。会話の中で自然に得られるのが最良ですが、難しいときには、このプレゼント作戦は有効そうです。
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なにか売りたいものがあるなら、自分が営業され売られると良さそうです。
なぜ自分がその営業マンの話に引き込まれたのか
なぜその営業マンが信頼できたのか
なぜその営業マンから買おうと思ったのか
なぜその会社に決めたのか
なぜその商品に決めたのか
どのように営業され、まんまと買わされたのかを理解することは、大切そうです。
Amazonや楽天で買うにしても、なぜそれを買おうと思ったのか。単純な価格比較じゃない場合は特に、なぜそれをそこから買おうと思ったのか。表示順位なのか、レビューなのか、ポイントなのか、ブランドなのか、いっぱいヒントがありそうです。
逆に先日ユニクロで、怒鳴りつけたろうかと思うような言葉づかいをされました。相手はたぶん男子大学生で何も考えてないんだろうなと思って、笑顔で離れましたが、そういうのは反面教師にもできますw
根っからの営業マンや経営者にとって当たり前かもしれませんが、新しい視点をもらえました。人の営業テクニックを学ぶと、仕事でも試してみたいことが増え、仕事量としては増えるので大変ですが、もしそれが当たったら楽しいですね。
営業は最高の知的遊戯。
今日も営業を楽しんでいきましょう!
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ここまでお読みいただきありがとうございます!
せっかくなので考えてみていただければと思います。
あなたは最近、だれから何を買いましたか?
他社・他者ではなく、なぜそれを買おうと思ったのですか?
■■今日の教訓(ポイント)■■
売れる営業マンになりたいなら、
売られて、買って、
なぜ買ってしまったのか考えよ。
■■以上■■