【667】算数の教え方 ー公約数と最大公約数ー
昨日の約数に続き、今日は公約数について。
「公」という字は、「みんなの」とか
「共通の」という意味です。
なので、公約数とは、2つ以上の整数に
共通する約数のことで、最大公約数とは
公約数のうち、一番大きいもののこと。
ちなみに、最「小」公約数は、常に「1」
なので、最小公約数とは言いません。
まあ、お堅い定義はどうでもよくて、
最初に結論をいってしまうと
ボクは、公約数と最大公約数を「ベン図」で
教えることをオススメしています。
公約数は、たいてい約数を全部1列に並べて
共通するものを挙げるように教わります。
ある程度、約数の理解ができてくると、
公約数も、なんとなく分かるようです。
でもテストでバツになるのは、書き忘れが
多いように思います。
例えば、18と24の公約数は、1, 2, 3, 6で、
最大公約数は、6
これを、いろんな見方で覚えることで
・「なんとなく」を「ちゃんと」理解し、
・書き忘れを減らす
この2つの目的で
ボクは「ベン図」を使っています。
ポイントは、
・約数が全部で何個かメモする
・ベン図を書くときは色分けする
です。
手順は、
①まず約数を挙げるとき「枠」を使います。
このとき、約数が全部で何個かメモします。
右横など。昨日の記事の通りです。
24の約数は、8個
18の約数も同じく挙げます。
②次に、それぞれを1列に並べます。
このとき、小さいものから順に並べます。
1、2、3、4…
並べ終えたら、それぞれ何個書いたか
メモをもとに確認します。
8個ぜんぶ1列に書いたか?
18の約数も、6個ぜんぶ書いたか?
余裕があれば、順番にできるといいです。
・どちらか1つの約数を1列にならべ、
・総数をメモと見比べて、
・もう1つの約数を1列にならべる
このとき、公約数が見つけやすいように
同じ数字は、上下をそろえて。
ここで、すでに公約数と最大公約数は
答えが出ることになります。
普通の宿題なら、ここで終わりでしょう。
だけど、公約数と最大公約数を教えるときは
ここでは終わりません。
③ベン図を書きます。
まずは保護者さんが書いて見せます。
そして、お子さん一人でも書けるように
何回か練習します。
これも時間に余裕があれば順番に見せると
効果的だと思っています。
・最初は保護者さんが全部書きます。
口で説明しながらです。
「まず円を書いて、次に18の約数は」
「公約数は円が重なっているところに」
色を分けてあげると、なお良し。
・次の問題では、円を書いてあげて
「左の円には何が入る?」と聞いて
お子さんに考えさせます。
・最後に、お子さん一人で挑戦してもらう
ただし、ボクは、この時点ではまだ、
お子さん一人でベン図を書けるようになる
必要はないと思っています。
「なんで書けないの?」とは絶対言わないし
テストで書けとも言いません。
書けない子は書けません。
あくまで理解を助けるためにベン図を使う
というスタンスです。
正直、あまり特殊なことはしていません笑
進学塾では、小学5年生に素因数分解を教え
公約数を教えることもあるそうです。
素因数分解が分かると、連除法(別名
はしご算)で、公約数が理解できます。
ただボクは、中学数学で習う素因数分解を、
算数が苦手な5、6年生に教えきれたことが
これまでありません。
素因数分解は、メリットもあるのでしょう。
先生それぞれに教え方があるでしょうし、
また、教えきれないのは、ボクの力量不足が
原因だとも思います。
なので素因数分解を否定したいのではなく、
単なる教え方の違いとして、ボク個人は
「ベン図」をオススメしています。
*
ベン図のなにがいいって、
数字だけでなく、図で理解できることです。
算数の苦手な子は、数字は数字、
図は図、グラフはグラフ、などと
それぞれ単体で考えてしまって、
つながりを意識できていないように思います。
だから計算はできても、図に書けない、
文章問題が解けないことが起こります。
数字と図は、独立したものではなく、
「見方が違うだけ」ということを
教えていくことを意識しています。
また、ベン図に関していえば、
高校数学の集合や確率の練習になります。
高校数学の数Aで、詳しく勉強する集合と
確率ですが、ベン図が書けない高校生の、
意外と多いこと…
小学生のころから、数字と図のつながりを
いまから練習して損はないと思っています。
*
ちなみに、ベン図の教え方は
これが最高だと思っています。
オムライスでベン図を理解するとか、
@ZEN45548809さんは天才です。
チキンライスの鶏肉はどこから?とか、
そういう細かいツッコミはなしでw
これを作ったらしい@ZEN45548809さんも
ご自身で認識されていますし、
理解しやすいことが重要とボクは思います。