新しいけど懐かしい! 『ローポリワールド』特集 #ワ探アドカレ
ワールド探索部 部長のタカオミです。
なんと!!今年もワ探アドカレが埋まりました!
ワ探アドカレは「みんなの記事が読みたい」という企画なのでとてもうれしいです……ありがとうございます。楽しみ!
さて、突然ですがみなさん、ローポリワールド愛してますか?
「VRのCGクオリティは一昔前のゲームみたいだ」などと揶揄されることもあり、実際最新のゲーム機で動くAAAクラスのゲームに比べれば当然クオリティは適わないわけですが、「だからこそ良い」と思えるワールドがあります。そのひとつが『ローポリワールド』です。
僕は物心つく前からファミコンで「テニス」をやっているような環境で育ったので、いわゆるレトロゲーがそれなりに好きなんですが、「マイクラ」のようなポリポリした感じのゲームは、実はあまり好きではありません。これは自分が子どもの頃にやっていたゲームが「悪魔場ドラキュラ 月下の夜想曲」や「ガーディアンヒーローズ」といったようなドット絵メインのものが多かったからだと思います(まあ「バーチャロン」とか「シャイニングフォースⅢ」とかも好きでしたが)。
そんなわけでローポリグラフィックに特別な思い入れがあるわけではないのですが、初めてVRChatで『ローポリワールド』に入ってみるとビックリ。
なんかわからんけど、良い…。
子どもの頃に夢見てた「お菓子の家」が実現したみたいな気持ちでしょうか。大人になった今、お菓子の家に心が惹かれるわけではないはずなんだけど、いざ本当に入ってみると、めちゃめちゃ良い、という気持ちになる。
そして僕はローポリワールドを好きになりました。「VRで入る」ということによって、自分にとってのローポリに対する評価が大きく変わったという、印象的な体験です。ふだんローポリワールドを探索をしてる時にあからさまなテンションの上がり方を見せることはないですが、内心ではとてもウキウキしています。
では、そんな愛すべきローポリワールドをいくつか紹介します!
In The Snow by Blue Cat
作者のBlue Catさんは2019年ごろからワールドを作られている方で、継続的に新しいワールドをアップされており、この「In The Snow」はもっとも最近の作品になります。Blue Catさんのワールドは探索部内で「すごくいいな…」と話題になり、過去に特集をしたこともありました。
少ないポリゴン数でありながらも非常に印象的な景観が見られるのがBlue Catさんのワールドの特徴。情報量が少ないからこそ、こちらのイマジネーションが刺激される感じがします。
なお、こちらのワールドは同じくワールド制作者である「Bonito」さんとの共作だそうです。ワールド中央にある魚のオブジェクトはこの方だったのかも。ツイートによると、音楽を中心に設計されたとのこと。「楽器ごとに違うゲート??」という文章もありますね。どういう意味なのか、今度改めて行ってみよう。
このワールドの感動的なところは、もちろんグラフィックもそうなんですが、スポーン地点がランダムであるというところです。10人くらい集まってせーので行くと、とてもいい体験になると思います。いろいろな道があり、探索し甲斐もあるので、フレンドをお誘い合わせの上、ぜひ!
またBlue CatさんはVRChat PicturesというVRChatの写真を投稿するアカウントも運営しているほか、Blue Catさんがキュレーションしたポータルワールド「World Repository」も存在しますので、行くワールドに悩んだときはそちらに行ってみるのもいいかもしれません!
Crypt Babylonica by Shopow
こちらも最近行ったワールド。ローポリなんだけど、ライティングや空気感のつくり方がとても良くて、すごく柔らかい感じ。これはどちらかというと「最近のローポリインディーゲーム」の雰囲気かもしれませんね。
モデル自体はアセットなのかもしれませんが、個性のある部屋がいろいろあっていいです。なお、インタラクトできるものは特になし(ひとつだけ、音が出る箇所が存在しました)。
自分は物理現実のファッションに近い服のアバターばかりなので、こういうワールドに来るとこの世界観に合うアバターが欲しくなってきますね(この写真に写っているのはしぐまるさん)。アバターワールドに来てるわけじゃないのに新しいアバターが欲しくなる、それがワールド探索。
同じ作者さんの、似たテイストのワールド「Anima Paradisus」もオススメです。ちなみに、作者のShopowさんは、VRChatがリリースされた当初から存在する無言勢(Selective Mute)の方なんだそうです。
Oxymore Official World by VRrOOm
こちらはRaindance Immersiveにもノミネートされていたワールド。毎時00分に、記録されたDJのパフォーマンスが再生されます。モノクロのローポリの街でローポリのロボットが踊っている世界。
1時間でワンループのショーなんですが、10分ごとくらいの間隔で空間が変わります。コロシアムのようなすり鉢状のホールや、バー、寝台列車?の中、といった具合にいろいろな場所を楽しめる。また、よく見るとところどころに楽器など音楽機材のモチーフが存在していたりします。
ロボットたちは歩いてたり踊ってたり。入場口で列をつくってるロボットもいてかわいい。アニメーションがとても凝っていて、とにかくかわいいんですよ。ぜひ見てほしい。
ちなみにRaindance Immersiveで企画されたライブショーの際には、来場者もロボットのアバターになることで、さらに没入感の深まる体験になっていました。もう誰がNPCで誰がプレイヤーなのかわかりません。
なおこちらのワールドはQuest対応です!
私はPCVRでしか見ていないので、もしかすると見え方は違うかもしれませんが、それにしてもこんなショーがQuest単体で見られるとはすごい。PCVRと比較すれば表現に制限がついてしまうQuest対応ですが、ローポリを駆使した世界観づくりでPCVRでもQuest単体でも同様に楽しめるような設計になっているのはすごいです。
Windmuhle-Daytime by Wak4kusa296
パトカーや路面電車が走るローポリの街。色合いがとても可愛くて、風景写真もいい感じに。まさに「ドット絵が立体になった」ようなワールドです。
レトロな雰囲気がいいですね。
厚さゼロのガードレールが愛おしいです。パトカーに乗ってる警官たち(「かぎのこ」という生き物らしい)も可愛い。写真で見るとのどかな雰囲気ですが、パトカーのサイレンが常に鳴り響いているのでもしかすると治安は悪いのかもしれません。
なお、ワールド内に設置されているポータルから、夜バージョンのワールドにも行くことができます!
こちらは「光」の概念がより強調されている感じで、昼よりも実在感が増しているように感じますね。
ちなみに作者の若草フクロウさんはデジタルハリウッド出身らしく、デジタルハリウッド大学公認サークルのバーチャルライフの作品展示ワールド「VirtualLifeMuseum2022」にコンセプトアートなどが展示されています。
8-bit Cyberpunk Junction by Nerd Koopa
最後に、探索部で行ったはじめてのローポリワールドを紹介します。ローポリというか、その名の通り8bitの世界をポリゴンで再現したかのようなワールドで、テクスチャもピクセルアート調。ボクセル感を堪能できます。
車が走っているところを見ると都市のようですが、サイケデリックな色合いも相まって、外国の街どころか完全に「想像したことすらない世界」に迷い込んだ感じ。しかしどこか懐かしさもある。
めちゃめちゃ新鮮なのに、懐かしい感じもする、というのがローポリワールドにVRで入ることの魅力かもしれません。
以上、ローポリワールドの紹介でした。
いまもインディゲームやスマホゲームではローポリのゲームがリリースされたりしていますが、ローポリが当たり前だった時代に比べれば当然その数は少なくなっています。
普通に考えればVRの世界も「もっとリアルに!」という方向に進化すると思うので、ローポリワールドが楽しめるのは今だけなのかも?
もちろんそうした「いずれなくなってしまうかもしれない表現」も含めて、今のVRChatには今しか味わえないものがたくさんあります。それは「今この時代にレトロゲーを遊んでも、当時の感動は得られない」という話と同じことかもしれません。
ぜひみなさんもローポリワールドに行って、みなさんの記憶にその思い出を残しておいてください!
タカオミ
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