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芸人をやっていると時々、感じる一般社会との溝

はじめに


昔 NSCの授業で先生に言われた。新聞を読みなさいという言葉、何も知らない小島しょーへいは違和感を感じた。

芸人になろうと思って来てる奴らが新聞なんか読んでどうすんねん??世間の人と違う特別な存在になりたいねん!逆行せえやと思ったものだ。

しかしちゃんと話を聞くと、「お笑いとは常識を裏切る作業なんだからまず常識を知らないと裏切られへんやないか」

頭をゴーンと殴られた気分だった。目から鱗どころか目から鰭や尻尾まででてきた気分だった。
それ以降は自分でもネットニュースを見たり最近流行りにはもちろん疎いが食らいつく努力ぐらいは最近できていると思う。

まもなく芸歴10年目を迎える売れてない芸人が思う芸人と世間との溝についてのお話

真面目で優しくていい人

こんな言葉をたまに聞く。ボヤっとしているが、一括りに言うなら最高の人間ということになる。

紳士的でスキャンダルやギャンブルもなく、誰にでも優しくできる
男。こんな男は会社では頼られるし、さぞモテるだろう。
理想の結婚相手にという女性も多いかもしれない。

しかし、まじめで優しい、良い人は芸人の世界では一括りに

つまんねー奴になる。

もちろん全員が全員その限りではないが、半数以上はその認識になるだろう。

クズで自分が好きで、だらしない奴の方が芸人の世界では愛されるのだ。


コミュニケーションの礼儀



まだ売れていない小島しょーへいは芸能界に染まれるはずはなく
バイトなど一般社会にもずっと片足を突っ込んで生活をしている身なのでこのギャップに苦しむことが多い。

芸人の中で当たり前のことが一般社会では通用しない。

先輩にツッコミをするとき、
基本は敬語で喋るが、ツッコミのテンポやおもしろさなど考慮すると
「何言うてんねん!もうええって!」 などタメ口ツッコミをした後、それ兄さんこないだも言うてはりましたやん! と敬語に戻る

芸人ではよくある光景だがバイト先となるとそうはいかないらしい。

バイト先の距離の近い社員さんがボケてくれると小島しょーへいは
当たり前のようにタメ口ツッコミを放つと
距離の近い社員さんは笑ってくれても、その周りのその人の部下にあたる社員はそれを許さない。
「小島くんタメ口はあかんよ!大人として」
うるせえよと思ったのはここだけの話にして、その人の部下とも
距離が近くなれば問題ないのかもしれないが、社会ではダメなんだと勉強になった。

お金を稼ぐこと


NSCに入ってすぐに1年先輩のアシスタントの先輩に言われた、「芸人やっているとバイトめっちゃクビになると思うけど、それは堪えて芸を磨けよ」

ライブやネタ見せ、オーディション、などが急に入る世界なので、バイトを入れていても急遽休まないといけなくなる。
生活のために寝ずにバイトに行って精細を欠く。
これが度重なりクビになるのがほとんどだ。

芸人をやっている以上チャンスを優先するのは当然と言えば当然だが、バイト先のお店などは一般社会な訳で、急にシフトに穴は開くし、代わりを探す手間など考えたら、迷惑極まりないのだろう。
しかしチャンスを蹴ってバイトに行ったら、芸人界では変な奴
になる。

これを解消するために小島しょーへいは最近は、芸人に紹介してもらったある程度融通をきかせてくれる、芸人同士でシフトを助け合える環境で働かせてもらっている。

バイト週6で20万以上稼いだとかよく聞くが、それ自体は凄いし、その人の頑張りに他ならないが、一般社会ではとても立派だが
芸人がそれを言っていると

「アカンでそんなバイトで食えてたら!危機感覚えへんしいつか辞めてまうで!」

時間をうまく使ってバイトして稼げて、バイト中にネタのヒントなどを得て、ネタ合わせなどしっかり行ったうえで、結果まで出ているなら 最高だが、どれか1つでも欠けると芸人界ではバイトのしすぎはダメということになる。

生活もあるのでみんなバイトをしているが、そればかりではなく
ネタの勉強や、芸人同士でどこかに飲みに行く、行ったことのない場所で新たにインプットする。

そんなことも大切なのだろう。


さいごに


元々、社会不適合な人が多いといわれがちな芸人界だが、
日本の社会ではみだし過ぎは生きられないし、迎合しすぎはご法度なのだ。
芸人だからなんでも許される訳ではないし、言い訳にしてもダメ。
絶妙なバランスを保って、史上初の全人類から愛されるタレントになりたいと強く思った。
















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