執念(A甲府)
アウェイ3試合連続で終盤弾。
今日は勝ちたいな。そう思い乗り込んだ甲府。
雨が降るって言ってたのに。雨は降らなかった。
蒸し暑さだけが残る夕暮れ時に、始まった試合。
前半チャンスを作り続けるも、甲府の堅い守備を崩し切ることまでできず。先制は難しいか。
と思われた先のゴール。
わちゃわちゃしてたけど入ったのだ。
中心部の反応が遅かったから叫んだ。「ごーるだ!」
最後に決めることができ、ハーフタイムを迎える。流石は加藤大。右足でゴールを決めることが出来る男。
後半、最近苦手な時間帯の失点増加の時間を耐えることが出来るか。
そう思っていた矢先にクロスボールがそのまま吸い込まれゴールへ。
なんか嫌な予感がよぎる。
やはり嫌な予感は当たってしまう。
散々狙われていた左サイドからのファーへのクロス。そのまま折り返され得点王を取ったこともあるウタカのもとへ。右足アウトサイドで決められてしまう。凄まじい感性だった。甲府は今シーズンホーム戦は苦しい展開を強いられていることが多いからだ。なおさらなのだろう。
フアンマたちが入ってくる。いつもの展開ならいける。と思いきや、まさかまさかのフアンマが倒れ込む。いつものことか…大丈…いや、大丈夫じゃないぞこれ。
嫌な感じはそのまま当たってしまう。負傷離脱。ただし交代枠を使い切った長崎は10人のままだ。
今度こそ万事休すなのか。
一瞬よぎる。だけど今年の長崎は違う。
それはここ最近のアウェイで自分の目に焼き付けてきたのだ。彼らの「執念」は凄まじいものがある。今年はそのままでは終わらない。
アディショナルタイムの7分をすぎる。このプレーまでやらせてくれるのか。けどもう最後だろうな。跳ぶしかなかった。
前に出ていたDFWが澤田のボールを競る。前にころがったボールは、水曜日キャリア初の複数得点を記録した男の前にやってきた。
「俺たちの澤田崇」
今シーズン苦労していた。メンバー外にもなっていた。どうしてもスタメンの調子が良くて、出場時間が多くなかった。
ただしチームメイトも認めるプロフェッショナル。多くを語らない男はここぞとばかりにゴールに向けて蹴りこんだ。
一気に柵までサポーターがやってくる。警備員が慌てて走ってくる。
もはや何が何だか。
気づいたら、涙が出ていた。それは周りの人たちも。複雑な感情。中毒になるこの同点弾。
終盤戦の劇的弾を4連続見てしまった。
今後のサポーター人生でも一生起きることがなさそうな出来事だった。
その日、澤田崇は長崎のレジェンドであることを改めて示した。飯尾も、慶太がいない。そしていつも頼りになる大黒柱のフアンマがいなくなったこの展開で、彼は仕事をしたのだ。
試合後ゴール裏へ挨拶へやってくる。
思わず歌い始めた
「澤田選手さわだ!走り出せ輝く長崎の星となれさわだ!その足で勝利への道を切り開こう」
彼は無言で。だが笑顔でぼくらに応え去っていった、
もう僕はしばらくアウェイを辞められないからだになってしまった。こんな試合をしてくれる。心を動かしてくれるチームが長崎にはある。
今年の長崎は本当に強い。
本当にJ1にあがりたい。
アウェイの地で決して諦めずに最後まで応援する。そのために残りの試合も現地に行く。そう決めんだことしは。
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