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指値注文を実現するDEX(分散型取引所)系プロジェクト「MATE」

指値注文可能なDEXを構築しているMATEについて紹介する記事です。なお本記事は、紹介した企業・クリプトへの投資勧誘、投資助言を目的としたものではありません。

MATEとは

Website :  https://usemate.com/
Twitter : https://twitter.com/usemate_
Telegram : https://t.me/usemate
Github : https://github.com/usemate

MATEは指値注文可能なDEXを提供するプロジェクトで、9月30日よりBinance Smart Chain(BSC)上で稼働しています。現在、DEXの流動性はPancake Swapから得ていますが、今後は複数のAMMから流動性を得て、マルチチェーンへの対応を予定しています。

MATEトークンは、プレセールなしで2021年8月末にフェアローンチ済みで、トークンノミクスは次の通りです。

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プレセールが実施されなかったので、最初にMATEトークンを獲得する方法は、ORK(ORAKURUトークン)とBNBペアもしくはORK(ORAKURUトークン)とUSDTペアのLPをステークして、ファーミングするしかありませんでした。また、総発行数の60%が流動性マイニングとステーキングの報酬に割り当てられており、長期的にユーザーを引き込む狙いを感じます。

MATEトークンのユーティリティは、ガバナンス、ステーク、ファーミング、手数料が挙げられます。

ガバナンス
ガバナンスについては、Snapshotを利用して参加できる予定ですが、まだフォーラムも公開されていません。コミュニティメンバーであれば、誰でも提案可能で、投票時はガス代もかからないようになる予定です。
ステーク
MATEをステーキングすることで、MATEを経由した取引金額の0.05%の手数料を原資としてステーキング参加者に分配され、xMATEとして得ることができます。
ファーミング
ファーミングでは、LPを利用してMATEトークンを獲得することができます。現在はMATEを通して、下図の4つのLPでMATEを獲得することができます。ORKを利用したペアも対象になっています。

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手数料
こちらの機能はまだ実装されていませんが、今後はBinanceでのBNBの役割のようにMATEでの各取引の手数料として利用できるようになるようです。


また、MATEのプロジェクトは前述のOrakuruによってインキュベートされており、匿名チームによって運営されています。Orakuru自体も匿名チームによって運営されています。匿名チームではあるものの、日本コミュニティ向けに実施されたAMAでは、コミュニティリーダーのJosh氏と、コア開発者のGon氏が参加して、質問に答えています。チームは、Stacks、Airbnb、Badger、ConsenSys、Polygon、SAPなどでの経歴を持つメンバーで構成されています。ちなみにマスコットキャラクターの名前は「Yerbie」で、カップをモチーフにしているようです。


指値注文可能なDEXが必要な理由

まずはDEXでの取引に関して基本的な用語から整理しておきます。

CEX:中央集権型取引所
DEX:分散型取引所
AMM:自動マーケットメーカー、多くのDEXがAMM方式
成行注文:購入単価を指定することなく、注文時のマーケットの価格に従う
指値注文:購入単価を指定することが可能

現在、UniSwap、PancakeSwap、SushiSwapなどのほとんどのDEXがAMM方式であり、ユーザーは成行注文しか行うことができません。またDEXに提供されている流動性が低いと、スリッページが生じ、損失を被ることもあります。また多くのDEXでは取引時にチャートをページ内に表示していないため、適切なマーケット価格を把握することができず、知らずのうちに割高価格で購入してしまうケースもあります。(手数料などを上乗せしているDEXもあります)

このようなユーザーへの損失を減らしていくことを目標にしているのが、MATEです。その解決策がDEXへの指値注文の導入であり、ユーザーが欲しい価格でトークンを購入する機会を提供します

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MATEの指値注文システムは、その他のDEXの指値注文とは大きく異なり、オーダーブックを利用したメイカー・テイカー方式ではありません。メイカー・テイカー方式では、メイカーの指値に達していても、テイカーがいなければ注文は成立しません。DEXアグリゲーターである1inchやMatchaでも指値注文は可能ですが、両者ともメイカー・テイカー方式を採用しています。

一方でMATEの指値注文システムは、Executorノードがマーケット価格を監視し、指値に達していれば注文が成立します。そしてすべての注文に対する手数料は0.2%となっており(ガス代を除く)、この手数料がExecutorノードへの報酬となります。また、この注文が実行されるまでの期間、売りに出したトークンは自分のウォレットの中に残り続け、注文はネットワークで管理されます。CEXでの指値注文では、注文データは取引所のデータベースに保管されていくので、より分散型な仕組みとなっています。


UIの検証

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他のDEXに比べて真ん中に一段多いですが、そこに指値を指定することができます。

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別の画面では、指値注文の期限を設定することができます。最短で1日、最長で30日を選択できます。

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注文確認画面では、支払い量、価格レート、受取り量、注文期限、手数料を確認することができます。問題なければ、注文を完了します。

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注文完了後には、Historyから注文内容を確認・変更することができます。注文をキャンセルする際には、ガス代がかかるので注意が必要です。

注文は、注文数量が一括に処理される場合のみ成立します。上の図の場合、88BUSD分が一括で処理され、半分の44BUSDだけ約定するようなことはできません。今後のバージョンアップで、分割約定にも対応予定。


PancakeSwapのAMM流動性を利用することで指値注文を実現したMATEについて紹介しました。BSC上でトップシェアを誇るPancakeSwapの流動性を活用することができたので、BSCユーザーの要求を満たすことができたように思います。PancakeSwapのキャラクターとの相性もよさそうです。BSC自体がガス代がとても安いので使いやすいとも感じました。DEXでのSwapに慣れ過ぎてしまっているユーザーの損失を減らそうとする試みは、DEXが盛り上がっている中での重要な課題です。しかし、DEXとしてのハッキングリスク等が常にあるのは忘れてはいけません。

今後はBSC以外の対応するチェーンを増やすことができるかが、プロジェクト飛躍の鍵になると考えられます。



最後まで読んでいただきありがとうございました。
執筆者:ビニール

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